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明日に向かって笑え! [映画]

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2001年のアルゼンチンを舞台に、金融危機で夢も財産も奪われた小さな町の人々の奇想天外な復讐計画を描く痛快ヒューマンドラマ。

エドゥアルド・サチェリ監督:明日に向かって笑え!
アルゼンチン映画は同監督の『瞳の奥の秘密』以来かなと思ってたら、主演も同じリカルド・ダリンだった。今回はコロナ禍の鬱屈した状況で見るにはうってつけのコメディタッチの楽しい映画で爽快。劇中流れるアルゼンチン・ロックに思わず耳をそばだてつつ、庶民の一発逆転劇に楽しく笑いました。
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ロンドン発、闇鍋音楽 [イアン・デューリー]

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ストリーミングで聴けないってことで思い出したのが、イアン・デューリーがソロ・デビューする前に在籍していたバンド、キルバーン&ザ・ハイ・ローズの「Wotabunch!」。

ちょっと説明すると、本作は74年のグループのデビュー作だったんですが、所属していたラフトが倒産してしまって、お蔵入りになってしまったんですね。
翌75年に仕切り直しで、アルバム「ハンサム」でデビューするんですが、収録された曲の多くは「Wotabunch!」の曲を、新たに録音し直したものでした。こういう場合に起こりがちなのが、以前に録音したものより出来が良くない。
同じことが、ここでも起こってどの曲も「Wotabunch!」よりも、活気を失いすっかりおとなしくなってしまって、グループの魅力を伝えられない失敗作になってしまいました。もちろん売れるわけもなく、イアン・デューリーはソロで活動することになるわけです。

その後、イアン・デューリーがソロ・デビュー作「New Boots and Panties!!」で大成功した直後の78年になってワーナーから再発(というかはじめてリリースされた)のが、この「Wotabunch!」でした。
でも現在までCD化も、ストリーミングで聴けるようにもなってません。多分これも権利上の問題だと思いますけど。

残念ながら、Youtubeにも数曲しか上がってないんですよね。
カリプソ風味の「The Call-Up」から、バンドの多様な音楽性が発揮されていますよ。ひさしぶりに聴きなおすと、その多様な音楽性を整理整頓せず、素のまま刻み付けたプロデューサー、トニー・アシュトンの手腕が大きかったんだろうなと思いました。

R&B、ファンク、カリプソ、レゲエ、ヴォードビルまでなんでもありの破天荒な闇鍋音楽は、パブのタバコやウィスキーの匂い、人いきれまでも運ぶロンドン発最高のクレオール・ミュージックとも思えます。ソロになると、ここにチャズ・ジャンケルによる洗練された音楽性が加味されるってわけですね。
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サブスクよりYoutubeの方がすごいかも [ひとりごと]

サブスクって、こんなのもあるんだっていうようなものまでありますけど、なんでこれがないんだってときもありますね。ついでについこないだまであったのに、急になくなったり。
まぁ権利の関係なんでしょうけど、そういうこと考えると、Youtubeの方がすごいですよね。
言っちゃ悪いけど、無法地帯ですもんね。日本の民謡とかもSPやラジオ音源とか熱心に上げてる人もいるし。

正規のサービスであるサブスクだと権利関係をクリアしなきゃならないけど、Youtubeは個人が勝手げあげちゃうから。権利者が申し立てしない限りは消されないみたいだし。実際権利がどこにあるかわからないものもあるでしょうからね。
まぁYoutubeだととりあえず聴いて、なるほどこんな感じかと確認するみたいな感じにしかならないのも確かなんですけどね。

「音楽航海日誌」で触れられていたムラユー歌謡「ALBUM MELAYU DELI」もYoutubeにはあるんですよ。これなんかおそらくストリーミングで聴けるようには多分ならないだろうし、CD化もされないだろうから。マレーシアやインドネシアの音楽ってどうもデジタル対応にあまり熱心じゃないですよね。
そもそも国外の人が聴くと思ってない節がありますし。まぁ日本の古い音楽もそうですけど。

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ライブが見たいぜ! [R&B/JAZZ/etc]

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ダンプスタファンクの新作は今年のお気に入りの一枚で、Youtubeに上がっているライブなんかも一時期よく聴いたりしてました。でもYoutubeだと勝手が悪いので、ネットで見つけたフェスかなんかの音源なのかな「Live at the 2019 Dark Star Jubilee」というのをダウンロード購入しました。
さすがにこういうのはストリーミングとかではないので。同じようなジャケでマーカス・キング・バンドとかもあります。

2019年のライブだけれど、演奏曲の大半は新作からで、ご機嫌です。アール・キングのカバー「Street Parade」は正調ニューオリンズ・ファンクで頬も緩む。最後は新作から「United Nation Stomp」で締めてくれて文句なしです。
音のレベルが低いのでヴォリュームを思いっきり上げないといけないし、音圧も低くて残念なんですけど、まぁ簡易なものなので仕方ないか。
あぁライブが見たいぜ!
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ザ・ベイラー・プロジェクトについて [ひとりごと]

グラミーにもノミネートされたというザ・ベイラー・プロジェクトの「Generations」というアルバム。これが2枚目の夫婦デュオ(ドラム&歌)で、奥さんの方は90年代のR&Bヒット「Hey Mr. D.J.」で有名なジャネイのジーン・ノリスです。そういえばジャネイはジャジーな感じありましたもんね。その後ジャズ・シンガーになってたとは知りませんでした。

で新作なんですが、クラウドファウンディングで制作されたようで、ストリーミングとかでは聴けないんですよね。マリア・シュナイダーなんかもそういう制作方法でストリーミングには対応してませんけど、クラウドファウンディングで製作すると、無理に利益を出すためにストリーミングとかする必要ないってことなんでしょうかね。よくわかりませんけど。

オーソドックス&スタイリッシュなジャズ・ヴォーカルものなんですが、曲によってストリングスも入れたりして、ラグジュアリーな雰囲気とゴスペル~ソウル的なスパイスも効いた、丁寧に作られた良さげなアルバムで、オリジナルの他、ウェイ・ショーターの「Infant Eyes」なんかもあり、全部じっくり聴いてみたい。

ダイアン・リーブスにジャズマイア・ホーンをゲストにとっても良い雰囲気ですよね。

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Apple Music Playlist 2021.11.25 [Astral's AM Playlist]

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渡辺貞夫:ジャズ&ボッサ~ライヴ・アット・サントリーホール
これ生で聴いたらもう夢心地だったろうな。いやこうして部屋で聴いててももちろん夢心地になれる素晴らしいライブですけど。デビューして50年とか。もう悠々自適に音楽を奏でているのが艶っぽいアルトの音からも伝わる。ぼく一度も生で聴いたことないんですよね。元気なうちに聴きに行きたいな。
ひとつ驚いたのはこのアルバム期間限定ではあるけどYoutubeで全曲公開されてるんですよ。日本では初めてってくらいじゃないかな。
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空白 [映画]

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万引き未遂で逃走中に事故死した少女の父は、追いかけた店長を追い詰めていくが…。吉田恵輔監督最新作。人間の業を炙り出すヒューマンサスペンス。

吉田恵輔監督:空白
数か月ぶりの映画館で見る映画。なのにこんなヘヴィな作品。もっと明るく晴れ晴れとしたものが良かったんだけど。まぁこれがやってたんだから仕方なし。
でも悪い映画じゃないだろうとは思っていたけど、とても良い作品でした。思った以上に見た後に、すっきりと晴れ晴れとした気分になれた。良い映画はたとえ題材が重苦しいものだったとしても、前向きな気分にしてくれます。古田新太って良い俳優だなと初めて思いました。寺島しのぶは流石。秀作です。
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Apple Music Playlist 2021.11.23 [Astral's AM Playlist]

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Pete Johnson Big Joe Turner :Atomic Boogie: National Recordings 1945-47
「音楽航海記」を読んで再発見。本作が取り上げれたのは2014年。まだその頃はこういうジャンプ・ブルースにそれほど熱心じゃなかったな。その後戦前ジャズにハマってエリントンやベイシーをいっぱい聴いた今になって聴いてみれば、もう最高ですよね。

そんな風に過去の記事をあれこれ読み返したいなぁと思ってたので、改めてそこにものとしてある本という体裁というのは便利だなぁと。これは何度も聴くだろうからCDでと思っても、既に妙にプレ値が付いている。レコードがなくならなかったようにCDもなくならないだろうけど、フィジカルというのはこれからどうなってくんでしょうね。カセットってのも最近また復活してるみたいだし。
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ディスクガイドに非ず~音楽航海日誌 [本]

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うわぁこれはすごい本です。
愛読ブログ「After you」の2009~2019年までを纏めた、荻原和也さんの「音楽航海日誌」が出ました。フル・カラーで全656頁というヴォリューム、中身も前代未聞、世界的にも類例のない名著の誕生です。

編集者とどのような話し合いがあったかわかりませんが、単なるディスクガイドなら、そして採算なども考えれば、もっと軽微な体裁ででもよかったでしょう。でもそうじゃない、この10年の記録として残したいという著者の想いもあったからこその、重厚ともいえるこの装丁なんじゃないかと推察します。

そもそもこれは、ただのディスクガイドではありません。
僕が思い出したのはファーブル昆虫記。そうまるで図鑑の様です。
人一倍音楽が好きな個人が記した音楽観察記。知らない音楽を追い求め、世界中好奇心の赴くまま。もともと日々のブログだから、季節の移ろいやこの10年間の世の徒然が垣間見えることころが、数多のガイド本とは一線を画しています。
ただのディスクガイドならその音楽をコレクションに加えたら、聴いたら、用なしになってしまうかもしれない。だってガイドなんだから。ガイドが必要なくなれば本も必要じゃなくなる。でもこの本は違う。ファーブル昆虫記同様、読み物として価値ある本なんです。

それにしても危険な本だな。
大きく重たい本ではあっても、もともとはブログ記事、適当にページを繰ってみれば、気安い文章に時間を忘れて読み耽ってしまう。「ひゃっほーい」「あぁぁぁぁ、きもちえぇぇぇ」とか、聴いて感激している著者の息遣いが、こんなに感じられる本は他にありません。
それに折々挟まれるとことん個人的な体験に根差したエピソードがまた楽しい。仕事でナイジェリアを訪れた際の、タクシー車内でかかるエベネザー・オベイにあわせてワン・コーラス歌った時の話や、ベトナム旅行でカイルオンなどのCDを大量に買い込み、帰りの手荷物検査で引っかかり、税関員にあきれられたとか、思わず笑ってしまう。
また「レコード・コレクションで大切なことは、何を持っているかじゃなく、何を持たないか」はじめ、文章の端々からコレクターとして、聴き手としての矜持が滲むところもまたこの本の魅力です。

ブログで読んでるはずなんですけど、やっぱりこうして本になっているというのは、そこにある、手に取る、なんとなくページを開く、そこからポツポツと読み始める。本ってそういうものですよね。
ピーター・バラカンさんとのカタカナ表記についての対談やアフリカの楽器や世界各地の民芸品、著者の訪れた旅先の写真やら盛りだくさん。

著者はダウンロードもストリーミングもしないということですが、この本はストリーミング時代だからこそ、より有効な本かもしれません。
動物や諸般物事なら写真や文章で事足りるでしょうが、音楽は聴けないことには始まらない。レコードやCDの時代なら、探すにしたって欧米の音楽ならまだしも、アフリカ、南米、東南アジアなどの大手のショップで流通していない音楽は聴きたいと思ってもそう簡単に聴けないですもんね。こんな本があっても身悶えするしかありません。もちろんその労苦を払って著者は聴いてきたわけですけど。

でも今なら、この本に載っている音楽の多くはストリーミングやYoutubeを介して、聴きたいと思ったらすぐに聴ける。世界中の音楽が気軽に聴けるようになった時代だからこそ、マニアじゃない多くの人が楽しめる本でもあります。

自分で書いたわけでもないのに、外国の人に、どうだ!日本にはこんなすごい本があるぞ!と自慢したくなる宝物のような本です。そこには同じ一人の音楽好きとして、こんな素敵な本をものにした著者への羨望も多少はある気がします。

気軽なブログとして始めたものなのに、遂にはこれだけの「作品」となり、一番驚いているのは著者自身かもしれません。
気が早いですが、10年後のVol.2にも期待しましょう。
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ひさしぶりにエル・スールへ [ひとりごと]

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昨日は「和田誠」展を見た後、ひさしぶりに渋谷のエル・スール・レコーズへ。
渋谷に行ったのもひさしぶり、というか前回エル・スールへ行った1月以来でした。その時は非常事態宣言下だったので、人手は少なかったですが、今回はもうコロナ前の状態に戻ったような、公園通りを前に進むのも大変な人ごみの、僕の良く知るいつもの渋谷でした。

昨日のお目当ては、なんといってもエル・スールで買えば特典CD-ROMがつくという荻原和也さんの本「音楽航海日誌」とパウロ・フローレスの「IN DEPENDENCIA」。あと1枚はアフロビートのトーシン・アリビサラかなぁとあれこれ考えながら足を運びました。

結果は写真のとおり。
グァドループのアンリ・デブス制作音源集「Disques Debs International Vol. 1」。もう1枚は、トーシン・アリビサラとエチオピアのハチャル・フンデサと迷いに迷った末、アンゴラのキゾンバ女性歌手ペロラの「Mais De Mim」にしました。艶っぽいジャケにもってかれちゃいました。

まぁ買ったCDはどれもストリーミングで聴けるんですけどね。今年はあまりCD買えなかったせいもあり、自分のフィジカルなくっちゃなんとも落ち着かないという性向を如実に感じた1年でもありました。そのせいでベスト10を決めるのにも難儀しています。

買ったペロラのCDのブックレットを眺めながら、やっぱこういうのが自分には必要なんだよなぁとひしひしと感じている次第であります。

ストリーミングにはこういうのないじゃん。
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