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OKI DUBの2枚のシングル [日本]

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いやぁこれは知らなかったなぁ。
今年、OKI DUB AINU BANDがシングルを2枚もリリースしてたなんて。

7月の「EAST OF KUNASHIRI」はもともと2006年のアルバムに収められている曲を現行メンバーでの新録だそう。これがカッコいい!9分を超えるダブ・グルーヴは正調「UTARHYTHM」の延長線上にある。新作を心待ちにしている身としてはこれはもう堪えられません。

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そして10月にリリースされたのが、その「UTARHYTHM」に収録されていた曲のニューヴァージョン「ANKISMA KAA KA 2020」。こちらは歌やホーン・セクションを追加したリミックスです。これもかっこいい。

でも何と言っても「EAST OF KUNASHIRI」だな。
この調子で来年はアルバム作ってくれないかなぁ。
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日々の暮らしの中の民の謠 [日本]

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こんなCDが99年にリリースされていたとは知りませんでした。
「現地録音による『椎葉の民謡』」。
民謡にも以前から興味はあったんですけど、なかなかCDとしては興味を引かれるものがなかったんですよね。プロの民謡歌手による歌はそれはそれで見事なもんなんでしょうけど、取り付く島がないというのが本音でした。こっちの興味の問題かもしれませんけど。

椎葉というのは宮崎県臼杵郡椎葉村のことで、解説によれば山奥深い山村だそうです。Googleの地図で見てもほんと山奥ですね。
本作に収められているのはその椎葉村に暮らすお年寄りの方々がその地域に伝わる民謡を歌ったものです。録音はスタジオなどではなく椎葉村に録音機材をもって出向き、歌い手の方の自宅や公民館、小学校などで録音されてます。途中で雨が降ってきて雷の音が入ってたりして、所謂フィールド録音と言っていいもの。

CD2枚を「春の歌」「夏の歌」「秋の歌」「冬の歌」「季節に関係のない仕事歌」「季節に関係のない信仰、儀礼の歌」という6つのカテゴリーに分けて62曲収録されてる。62曲も民謡を聴けるかなぁと思って聴き始めたけれど、そんな不安は杞憂に終わりました。CD2枚一気に聴ききってしまった。

数曲太鼓が入る以外は無伴奏で歌われる。日々の暮らしの中で歌われてきたであろう歌たちが、飾り気など微塵もない清廉ともいうべき歌声で歌い綴られていく。歌の背後に名も無き民の声が聴こえてくる。どの歌い手さんもまたいい声してるんですよ。歌自慢の近所のおじいちゃん、おばあちゃん(おじさん、おばさん?)なんでしょう。
こういう民謡を聴くとき、僕は結局、声や節回し、コブシなんかを楽しんでいるのだろうけど、そういう聴き方でいいのかな?とちょっと思ったりする。例えば古いゴスペルやカントリー・ブルース、ナイジェリアのサカラとかと同じような感覚で聴いてるようなところがある。
日本語で歌われているとは言え、方言だし、ことばが引き伸ばされて「おぉ~~でぇ~~~~さぁ~~~~」なんて感じでうたわれるので聴きながら意味を捉えることなんてできないしね。
でもやっぱり日本人ですから、外国の曲を聴くのとは違う感覚ももちろんある。

子供の頃、父の田舎であれはなんだったんだろう?確か電話から地域の公民館みたいなところから流れてくる民謡が聴こえてきたんだけど、かけ流していると、そういうのを思い出したり、となりの軒先でじいさんが歌うのが風に流されて聴こえてくる、そんな風情もあります。

一人で歌われる歌もあれば、お囃子のある複数で歌う歌もある。「茶摘み節」「苗取り節」など日々の労働をこなしながら歌われてきたであろう歌には自然な快活さがあり、歌自体から季節の空気が流れてくる。
多くの歌が、1~2分だけれど、CD2枚目の終盤10分におよぶ「馬子歌」というのが収められています。結婚式に歌われる歌で、花嫁行列の折に馬を引いていったことから「馬子歌」。花嫁行列が畑が両側に広がる道をゆっくり進んでいく様が目に浮かぶ。民謡に対する感想としてどうかと思うけど、ゆったりとしたグルーヴが窺える良~い歌で聴いててなんとも気持ちよくなってしまう。そして最後、短い「法事の歌」で静かに幕を閉じる。アルバムとしての構成も素晴らしい。

とりとめない感想になってしまった。

リリースは99年だけれど、録音は平成6年とあるから20年前。ここでの歌い手さんの多くは既に故人かもしれない。そう思えば以降もこれらの民謡が次の世代に受け継がれているといいのだけれど。
小島美子氏による解説も椎葉の文化や芸能に関する記述など、特に椎葉の民謡のリズムが山村特有のリズム感であるなど興味深く読みました。神楽もぜひとも見てみたいものです。それと録音の良さも特筆すべき。こういう作品をちゃんと残すなんて日本の音楽業界も捨てたもんじゃないと思いましたね。
日本の文化遺産と呼ぶべき名盤です。
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異次元銀河を旅する [日本]

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先日のEテレ「イーハトーヴ交響曲全曲放送『冨田勲のイーハトーヴ交響曲 ~初音ミクが歌う賢治の世界~』」を見ましたか?
昨年から話題になり今年にはいってからは制作ドキュメンタリーが放送されたり、CDが発売されていましたが、全曲の映像が放送されるとあって興味津々で見ました。
というかすっごく感動してさっそくCDを買ってしまった。

齢80の作曲家の想像/創造力に岩手の山々から宇宙まで吹き飛ばされました。
賢治の物語のあの望郷感と異次元に迷い込んだような独特な世界が見事に表現されていると思いました。
初音ミクをソリストに起用するのもちゃんと必然性が感じられるだけでなく、表現するために新しいものをとりいれることに何のためらいもないところがすごい。
http://www.youtube.com/watch?v=c-45_Rm_br8

ちなみにこの「イーハトーヴ交響曲」を聴き終わるとなぜかこれが聴きたくなった。
宇宙繋がりってことですかね。ハハハ。
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永遠に挑戦的なNEW「STYLE」 [日本]

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先日以来すっかりアムロちゃん旋風が吹き荒れています。
今日取り上げるのは2003年リリースの「STYLE」。
彼女が小室哲哉のもとを離れての最初の作品です。
いやぁこんな傑作を10年もの間知らなかった自分にがっかりです。ほんと。

1曲目、その後のアルバムにも深くかかわることになるT.KURA&MICHICOによるバウンシーな「Namie's Style」。まさしく「これが私の新しいスタイルよ!どう?」という自らの新しい時代の幕開けを宣言するナンバー。かっこよすぎてしびれます。
2曲目の「Indy Lady」はなんとテディ・ライリーのプロデュースですよ!厳密にはカバーらしいけど、実際に彼女はテディに会ってトラックをもらったそう。トラックといいZEEBRAのラップといいアムロちゃんの歌といい、もうこのかっこよさはディアンジェロの「Left & Right」に匹敵します。
そして3曲目はダラス・オースティンによる「Put ’Em Up」。畳み掛けるようなアムロちゃんの凄みのあるヴォーカルにただただひれ伏すのみ。
この後に続く「So Crazy」といい「Shine More」といい、こんなある意味マニアックな曲をシングルできってたのか。勝負かけてたんだなぁ。セールス的にも芳しくなかったのも仕方ないかも。僕の耳にもまーったく届きませんでした。リアル・タイムで聴けたのにもったいないことしたぁ。でもいくら近くにあっても出会えない音楽ってのもありますよね。

後半にはいるとHIP HOP/R&B的な曲だけでなくポップ/ロック的な曲も入ってばらけてくるけど、アルバム全体をアムロちゃんの「新しい自分の音楽スタイルを作るのだ!」という意志がビリビリ漲り最後まで有無を言わせず一気に聴かせます。素晴らしい。
「LOVEBITE」はシンセの音ときれいなコーラスワークが新鮮。最後のダイアン・ウォーレンのペンによる「Wishing On The Same Star」はベスト盤「BEST FICTION」で聴いた時は大仰なバラードであまりいい印象をもてなかったのに、このアルバムの流れの中で聴くとそれまでが刺激的だったせいか最後に置かれたオーソドックスすぎるこのバラードがじんわり沁みてとてもよい。曲順は重要ですね。

彼女は日本でもっともセールスのある人だからブックオフなど中古盤屋に行けばほとんどのアルバムがほんと安く手に入る。実際、ついこないだ「Queen of Hip-Pop」を買ったばかりなのに、すでに4枚ほど入手済み。10年位前にプリンスにはまったときもこんな感じで数ヵ月でほとんどの盤を聴いたんだった。

ただ一枚だけほとんど見かけないのがこの盤。おそらく彼女がセールス的にもっとも低迷していた頃だからだろう。まぁアマゾンで探せば1円で手に入るんですけど。1円って・・・。
ただここでひとつ問題がある。この盤CCCDでのリリースだったんですねぇ。いくら1円でもCCCDはなぁと思っていたら、昨年彼女のデビュー20周年ということで、全ての作品が1500円の限定廉価盤でリリースされた折、この盤も目出度く通常のCDでリリースされた。
アマゾンなんかだともう取り扱ってないけど、新宿のタワーに行ったら無事捕獲できました。にっこり。

ジャケもいい。ちょっと不安げながらも強い意志を宿した瞳が印象的。タイポグラフィーも絶妙だ。
10年遅れたけどこんな素晴らしい作品に出会えてシ・ア・ワ・セ。
アムロちゃん26歳の時の記録。永遠に挑戦的だ。
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ついにQueen of Hip-Popに開眼! [日本]

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ブックオフ¥250棚からゲット!第三弾は安室奈美恵「Queen of Hip-Pop」。
ついにアムロちゃんにまで手を出してしまいました。
本作はMMでも2005年度ベストに選出されていました。ってのはついさっき知ったんですが。
でもここ数年のアムロちゃんがいい!っていうのは聞いてたし、ちょこっとYoutubeで聴いてカッコいいなとも思ってたし、最近はR&Bばっかり聴いてるので、機は熟した!ってところでゲット!!

音楽的には完全にR&Bに針が振れてます。でもマネッこじゃなくて、キュートでカッコいーポップスとして成立させるところが素晴らしいですね。
まんまミッシー・エリオットみたいな曲もありますが、カッコよければそれでよし。ほんとカッコイーです。(最近カッコイーっばかり言ってますね。ボキャブラリーがすくないなぁ俺は)
さすがにコムロ時代には興味ないけど、R&B路線にシフトしたこの作品以降の盤は追っかけるつもり満々です!
Youtube見てるとライヴDVDが見たくて仕方なくなってしまった。ダンスがやっぱいいよね。
新曲「Big Boys Cry」もご機嫌だしキュートだし。シングルほしい・・・。
http://vimeo.com/61098046
しかし、アムロちゃんのCDまで買うようになるとはなぁ(遠い目・・・)。
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愛に溢れた電子音 [日本]

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矢野顕子とレイ・ハラカミのコラボyanokamiの2枚目「遠くは近い」がリリースされた。
前作も試聴していいなと思ったけど買わなかった。
僕は矢野顕子のヴォーカルが苦手なので。
今回はインスト・ヴァージョン「遠くは近い -reprise-」もリリースされたのでそちらを購入。
「Lust」の後に寄せ集め的な作品がいくつかリリースされたけど、僕は純粋な新作をずーと待っていた。けど、彼はこの7月に突然逝ってしまった。
要するに僕は本作を「Lust」に続くレイ・ハラカミの新作として遺作として聴いている。

本作の曲はほとんどがカバーなんだけど、歌(メロ)の部分がないので、はっきり言ってあんまり関係ない。「ルビー・チューズデイ」でさえ言われなければ、いや言われてもどこがどう「ルビー・チューズデイ」なのかわからない。インスト・ヴァージョンというよりバックトラック集だ。
これを聴くと「Lust」がやけに孤独感に溢れているように聴こえる。
今までそんなこと感じたことなかったけど。
それはバックトラックだけになってもあくまでも矢野顕子との二人の共同作業によって生まれた音楽だということなんだろう。語り合う相手、微笑みを交わす他者、心を許し会える人がそばにいる安心感。
要するに愛だ。この作品には愛が溢れている。愛によって生まれる温もりがこぼれてくる。

僕は本作をダウンロード購入した。まぁそっちの方が安かったからというのも理由だけど、電子音楽というのはそもそもオリジナルがない。これじゃ何言ってんのかわからないな。
ギターやピアノなど楽器を演奏して生まれる音楽は空気の振動によって耳に届く。そしてそれがマイクによって録音される。だからそうして奏でられた音楽のオリジナルはまさにその楽器がなっている場の音がオリジナルなんだと思うんだけど。
電子音楽は空気の振動を介さない電気信号だから。うまく言えないけど、ダウンロードで音源を買う。それで問題ないんじゃないかと思って。なーに訳のわかんないこと言ってんだと思うかもしれないけど。単に気分的な問題と言われればまぁそのとおりなんだけど。

だからという訳じゃないが、本作はスピーカーから流す時よりもiPodでヘッドフォンで聴いているときの方が胸に響く、じゃない、脳内に共鳴する。
永遠に古びることのない電子音。
永遠のマスターピースを置いて彼は「じゃぁまた明日」とでもいうように逝ってしまった。
彼がもうこの世界にいないということがいまだ僕は実感できないのだが。
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それは果てしない労働 [日本]

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こちらの記事を見て1枚だけ持ってるさかなの「ロコモーション」を聴く。
二曲目のタイトル曲に胸を衝かれる。

暗闇の中に閉じ込められていた人々
もう二度とそこに入ることはないだろう
私たちの庭はあまりにも荒れ果てていた
私たちがしてしまった事の全てが散らばっていた
そこら中に漂っていた
私たちの庭にぜひ花を咲かせたい
それは果てしない労働
長い ロコモーション
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北風に冴える唄声 [日本]

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中村とうようさんが絶賛していたという「ニシブチ(北風)〜沖永良部島に生きた人と唄の記憶」(2000年リリース)。
販売元の満月レコードでラスト一枚を入手。滑り込みセーフ。

カセットレコーダーで録音されたものだから海賊盤並の音質だけれど、一曲目からビンビン響く三線と唄声が聴こえてきてしびれる。
アドリブでの掛け合いで延々と続いていくとこなんてスリリングだし、音質が気になるのは最初だけで、音楽にみなぎる生きる力に聴いてるこちらもパワーをもらえる。

今年は戦前のカントリーブルースやベルベル音楽など剥き出しの唄が味わえる音楽にことのほか惹かれてきたけれどこれもそんな一枚。虚飾のない音楽に例年以上に惹かれるのは震災を経験して表面的な心地よさやカッコつけには何も感じられないから。

日本の民謡には興味はあってもなかなか手を出せないでいたけど、こんな唄ならいくらでも聴いていたい。
こんな唄が今も沖永良部島では普通に聴けるのだろうか。
ともあれ貴重な文化遺産だと思います。

ここでまるごと聴ける。
http://e-erabu.net/takara/index.html
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清水次郎長伝1 [日本]

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また新しい扉を開けてしまった。浪曲。こういう日本の伝統芸能って意識的にならなければ触れる機会ってあまりないですね。
NHKのラジオとかでやってたような気もするけど。

広沢虎造(先代)(1899-1964)「清水次郎長伝(勝五郎の義心、お蝶の焼香場) 」。
1899年生まれだからデューク・エリントンと同い年か。

とりあえず物語の最初から聴くのが筋ってもんで、10枚シリーズの1枚目。
歌が語りになり語りが歌になり。けれんある芸というのか、これが粋ってものか。
バックの三味線と合いの手がまた絶妙で。目の詰まっただみ声で時に粘って時にすかして物語るやくざ者のおはなし。

「勝五郎の義心」
かつて世話になった次郎長のため勝五郎が病のお蝶のために義をつくす。

「お蝶の焼香場」
世話のかいなく亡くなったお蝶の葬式の席でのこと。

両方とも石松のすっとぼけぶりが笑える。
iPodで聴いてたら電車のなかでニヤニヤ。面白いなぁ。
今年はとりあえず、毎月1枚づつ買い揃えていこうかなと。ひそかな今年の楽しみです。

ところでこのCD、いつ頃の録音だか何のクレジットもない。
バックの三味線の演者の名前も。40~50年代あたりのラジオ音源なのかな。
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説教節をカントリー・ブルースのように [日本]

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前回の記事で河内音頭を取り上げたけれど、僕は所謂邦楽、日本の伝統芸能的なものはほとんど聴いた事がない。それなりに興味はある。でもなかなかね。

そんな僕が唯一持っているのが、「説教節 初代 若松若太夫」。
なんでこれを買ったかといえば、中村とうようさんが以前この人のアルバムをプロデュースしたというのをどこかで見たから。このCDも中村とうようさんが解説を書いている。
でも、プロデュースしたのは二代目のほうで、これは初代。

ひさしぶりに聴いてみた。
初めて聴いたとき同様、僕はこれをほとんどカントリー・ブルースのような感覚で聴いている。歌っている物語なんてほとんど気にかけてない。
それがいいことなのかどうか、よく分かりませんが、ようするに三味線と声のグルーヴに耳を傾けてるんだろうな。それでいいわけない。困ったもんだ。

でも自由自在にテンポを変える声と三味線のグルーヴにぐいぐい引き込まれていく。
スリリングこの上ない。

録音は大正~昭和にかけてだから1920~30年代ということかな。
正にチャーリー・パットンやブラインド・レモン・ジェファーソンの時代だ。

よっし、次は浪曲。
広沢虎造だな!
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