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新たな門出を祝う競演作 [アフリカ]

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な・ん・だ・こ・れ・は?と思いましたよ。
アフリカン・ジャズ・パイオニアーズとマホテラ・クイーンズの競演作「HELLO HELLO」。
うそーん。新録じゃないでしょ。
二組とも相当いい歳。どころかな歳だろ。

でもこれが新録なんですねぇ。びっくりしましたよ。もちろん前者はンテーミ・ピリーソなき後を引き継いだムフォ・シソールが新たに若手を加えて、後者もヒルダ・トゥルバトラが若手二人と活動を継続しているようで、全然知りませんでしたよ。

で、この競演作。良いじゃないですか。
幕開けは賑々しいアフリカン・ジャズで頬もほころぶ。
2曲目は今年でたマハラテイーニ&マホテラ・クイーンズの発掘ライブ作でも歌われていた「MELODI YA LLA」。マハラティーニっぽい男性ヴォーカルもはいって、若手とヒルダのマホテラ・クイーンズは往年と遜色ない歌声を響かせてくれますよ。
バックがアフリカン・ジャズ・パイオニアーズだけにまったりとしたンバクァンガになっていててこれはこれで乙なものです。
続くは「Kazet」と、本作は往年の代表曲の再演を中心としてます。

お次「Yeka Yeka」はデビュー作「THIS IS AJP!」で演奏されていた曲ですね。
正直かつてと比べれば演奏のコクみたいなものが全然足りない気がするし、シソールは「マラービとンバクァンガに新世代のクワイトとアマピアノを融合している」みたいなこと言ってるけど、実際のところクワイトもアマピアノも全然感じられない。ピーター・ガブリエルの「BIKO」なんてどうでもいいカバーも必要ないと思うけど。

まぁそれでもそれでも。若手中心でこれから頑張っていこうってんだから目をつぶろう。だって聴いてると、無闇に楽しくなっちゃってもうなんだっていいやって気分になっちゃうんだもの。
最後は南アフリカらしいアカペラのコーラスで幕。もう一曲「MELODI YA LLA」のインスト版がはいってますけど。

40周年というアニバーサリーらしいが、だいたい何が40周年かよくわからないんだけど。
ラテンとかだとウン十周年みたいなのよくありますよね。オリジナル・メンバーなんてとっくにいないけど、暖簾は受け継がれていくみたいな。もうそういう感じでやっていけばいいんじゃないの。
そんなわけで二組の新生グループの新たな門出を祝う溌剌作。硬いこと言いっこなし。

それにしても御年81歳というヒルダ。元気に踊ってますねぇ。恐れ入ります。

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ブレないワスル魂 [アフリカ]

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コートジボワール出身、マリにルーツを持つファトゥマタ・ジャワラの新作「LONDON KO」。
最初に公開されていた「NSERA」がカッコよくって、楽しみにしていたんですよね。
でもアフリカ音楽ファンにはデイモーン・アルバーンが関わっているのはマイナス材料でしかないし、出てからもあんまり評判がよろしくないみたい。

僕はそもそも前作も前々作も聴いたことなくって、どうも前作がかなり評価が高かったみたいなので、そっちを買った方がいいのかな?とも思ったんですが、長年の経験上、やっぱり自分が一番最初にピンと来たもののをチョイス。

なので前作との比較はできませんが、本作はソウルやロックなど米国音楽よりの作品ですかね。でも彼女が歌えば紛れもなくワスルなメロディが音楽を染め上げ、その米国音楽との混淆具合も今年の僕の音楽的嗜好にぴったりあってるせいか、楽しくノリノリで聴けるってわけです。

ロンドン、ニューヨーク、パリなど世界各地での録音の様でアンジー・ストーンやロベルト・フォンセカなどゲストもいますけど、主役のファトゥマタ・ジャワラの存在感=ワスル感が全編を覆っていて、たとえクラブ・ミュージック的な曲でも一本筋は通っていてブレはない。
ベスト・トラックはガーナのラッパーM.anifest を迎えたワスル・アフロ・ファンクな「Mogokan」かな。

でも何より最初から魅せられてたのはこのジャケかな。カラフルで。動画で見るとジャケにも写ってるギブソンのSGを弾きまくっててカッコいいんですよね。
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蘇る不滅のビート [アフリカ]

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くぅ~たまりません。このうねるビート。
今頃こんなライブが聴けるなんて感涙です。
マハラティーニ&マホテラ・クイーンズの発掘ライブ「Music Inferno: The Indestructible Beat Tour 1988​-​89」。バンドキャンプで300枚限定ってことで、お店には並ばないかなと思いソッコーでオーダーしましたよ。

91年に彼らは来日しましたが、残念ながら僕はその時のライブは見てません。雑誌にインタビューが載っていたのを覚えています。そもそも「ザ・ライオン・オブ・ソウェト」はいつ買ったんだっけか。

ボブ・マーリーとかサニー・アデなんかと同じ、これが俺たちの音楽だ!どうだ!と世界に打って出ようという気合というか気概というか。そんな熱い思いが音に溢れていて胸いっぱいになります。
とはいえ、マーリーやサニー・アデとは違い、ンバクァンガは70年代に全盛期を迎えていたわけで、「ザ・ライオン・オブ・ソウェト」も往年の録音集だった。インタビューでもマホテラ・クイーンズは子育てで一時活動休止してたとか話してたと思う。そんなグループが再結成しての新たに世界に打って出たというか、ワールド・ミュージック・ブームの中で光が当たったということなんでしょうか。

司会者の高揚した掛け声も高らかに始まるライブは、新しいビートを熱狂的に迎える英国のオーディエンスのダイレクトなレスポンスにマハラティーニ&マホテラ・クイーンズもそれを超える熱さで応えている様が伝わってきます。
巻き込むというか、つんのめってけつまづくような勢いのマッゴナ・ツォホレ・バンドのグルーヴはもう最高で、座っていても腰が動いてしまう音楽地獄を堪能。

なんかひさしぶりにブックレットの写真を眺めながら、実際のライブの画を思い浮かべたりしてます。全15曲77分とCDめいっぱい収めたのも偉い。
タイトル通り不滅のビートがビンビンに脈打っている最高のライブ盤です。

ちなみにバンドキャンプで買うとダウンロード版も付いてきて、そちらは5曲多く収録されています。
13曲目と14曲目の間に、曲じゃないんですけどマハラティーニとマホテラ・クイーンズのによるバンド・メンバー紹介しゃべくりが収められていて、ライブの様子をまた違う形で伝えてくれます。
そして、CDだと最後の15曲目の後にも4曲収録されていて、ウェスト・ンコーシのサックスが熱くブロウするインスト曲もあるし、もうこれでライブ丸ごと収めたって感じかな。
最後の2曲はサウンドチェックの音源で、一曲はサックスとアコーディオンのインスト曲で、2曲ともリハだからかラフにリラックスしながらもメチャグルーヴィなンバクァンガが楽しめます。
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ラグジュアリーなキゾンバを越えて [アフリカ]

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アンゴラの歌手ペロラの新作「Sincera」。
前作を聴いたのが昨年なので間が空いた感じがしませんけど、実際は前作は2015年作なので、7年ぶりの新作ということになります。

前作とは違うソングライターとプロデューサーによる制作ですが、その洗練度はもう極致といって良いくらいです。7年かけて制作したってこともないでしょうけど、良い曲が揃っていますね。打ち込みだけでなく生楽器も混ぜて、丁寧に作られているのがよく分かります。

基本R&B仕様のキゾンバですが、「Garante-me」はホーン・セクションとアコーディオンを配した王道のセンバだし、アクースティック・ギターで始まる「Fumo」は子守歌のような童謡のような曲で、途中パーカッションだけになるあたり、アンゴラの土着的な音楽性に関係してるのかな。センバがサンバの語源になったなんてことも思い起こさせる曲です。
シンガーソングライター、トトー・ST の「Você」もキゾンバを外れた普通のポップスで、それがかえってアルバムをスケール大きくするのに一役買っていますね。

ラグジュアリーなキゾンバを越えて音楽性の幅を広げたスケールの大きな傑作です。
ワールド・ミュージック華やかなりし頃のズークのように、日本のラジオでもでこういうのがガンガン流れるといいのになぁ。

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超クールなハイ・ライフ・ジャズ [アフリカ]

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ジャズを聴くとき、僕はあまり個々のソロにじっくり耳を傾けるほうじゃなくて、全体のスウィングk感というかグルーヴで聴いてる。
ラテン音楽も好きなので、よりダンサブルナそのラテンのリズムで演奏されるラテン・ジャズも当然大好きなんですよね。もちろんアフロビート・ジャズも好きなんだけど、より一層ポリリズミックに感じられるハイ・ライフやンバラのリズムで演奏されるジャズにより惹かれます。

ジェドゥ・ブレイ・アンボリーの最近の作品はアフロビート風味が多かったので、あまり興味を持ってなかった。あぁまたアフロビートねって感じ。でも今回はずばり「ハイ・ライフ・ジャズ」ってことで。

有名なジャズ曲も入ってるので、とっつきやすい。
ハイ・ライフのリズムにジャジーなハーモニー、フェラ風味のクールな語りの様なヴォーカルも含めすべてが超クール。カッコいいっすねぇ。
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猪突猛進するポリリズム [アフリカ]

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これはもうジャケが良すぎるな。
ベニンのガールズ・バンド、スター・フェミニン・バンドの2nd「IN PARIS」。
タイトル通りパリで録音されていて、新聞というか雑誌というかを模したブックレットの写真を見ると、なんだか修学旅行でパリを訪れた女の子達って感じで、微笑ましいことこの上ないんですよ。

そしてプレイ・ボタンを押せば、活きのいい猪突猛進するポリリズムに乗せて「私たちがスター・フェミニン・バンドよ!」と宣言する1曲目はじめ、もう若さではじけるってのはこういうことという音が全編にわたって鳴り響いています。

前作は聴いてませんけど、ドラムとベースがしっかりしているので、アップテンポの曲でリズムが性急になってもしっかりグルーヴしています。そこに絡むギターやキーボードのリフがカラフルな彩を添えています。

ベニンのような国では若い女の子達は人生の選択肢が多くないのは想像に難くありません。彼女たちの活躍が、どれだけ多くの女性たちに勇気を与えるか考えると聴いてるうちに妙に熱くこぶしを握りしめて、がんばれ!と応援したくなっちゃますよ。日本にも来ないかなぁ。
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マンデ・ポップの最新型 [アフリカ]

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ひさしぶりにハイ・ブリッドなアフリカ音楽に出会った気がする。いやハイ・ブリッドというよりプログレッシブか。ぼくはサリフ・ケイタだって、アコースティックに回帰していった時に、ちょっと残念に思ったくらいで、「ソロ」や「コヤン」を愛する方なので。それはそれで良いんだけど、コンテンポラリーなものをより聴きたいかなと思うんですよ。

ロキア・コネはマリの歌手。グリオではないらしいですけど、グリオと言われても納得してしまいそうな素晴らしい喉を持っています。共同名義のジャックナイフ・リーはロック系のプロデューサ―らしいですがよく知りません。

シンセの音に続いてロキア・コネのマンデ・ポップらしいこぶし回しの歌が聴こえてくる。もう今はプログラミングと生演奏の区別がつかないわけで、本作でも巧妙に組み合わされてるんでしょう。
サリフの「ソロ」と同時に、思い出したのはバコ・ダニョンの2009年作「Sidiba」。あの作品はアコースティックを基調としながら、プログラミングを上手く配したものでしたけど、そこから10年以上たってまた、新しいマンデ・ポップを聴く思いです。
もしかしたら、そろそろアフロビーツ対応のマンデ・ポップってのも生まれてるのかもしれないなんて、想像を逞しくしている。

ブックレットにはマンデ語の歌詞と英訳が載っていて、さすがリアルワールドと変なところで感心してしまいました。
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ポップ・アフリカの新たな息吹き [アフリカ]

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コンゴ出身の新人フアニータ・エウカのデビュー作「Mabanzo」がなかなか面白い。
コンゴ出身といっても、ブエノスアイレスで育ち、14歳の時にロンドンに移り住んだという。ついでにあのルンバ・コンゴレーズの王様フランコが叔父だそうで。

本作には、そのユニークな出自を物語るように、アフロ・ルーツの様々な音楽がロンドンの現行シーンの中でミックスされた作品になっていて、歌も英語やスペイン語など多国語で歌っているようです。
録音はロックダウン中の2020年の3~8月に行われています。

アフロビート・バンドのテオティマのメンバーが多く参加していますが、冒頭2曲などアフロビート調の曲も一昔前のそのまんまな感じではなくて、リズム・アレンジなど2020年代らしい工夫が施され、洗練され涼やかにさえ聞こえます。
「Nalingi Mobali Te」はルンバ・コンゴレーズをロンドンのシーンの中で雑食的にアップデートしたとも聞こえなくもない。「Motema」や「Camarades」にはチムレンガ・ミュージックのようなのりも感じますが、耳の錯覚でしょうか。ホーン・ラインにはカリビアンな風も吹きます。
プログラミングも用いてますけど、ごく控えめでほぼ生演奏ですね。

セリア・クルースからも大きく影響を受けたというラテン・テイストの曲にも耳を惹かれます。アフロ・ペルーのバンドにも参加していたというから、クリオージョ音楽的なグルーヴやキューバン・サルサなのりもある。アクースティック・ギターやストリングスをバックにした「Sueños De Libertad」などははっきりとラテンの哀歓が滲んでいます。

最近ポップ・アフリカの新たな息吹きを感じさせる音楽家がポコポコとでてきていますが、彼女もコスモポリタンな感性を持った新たなアフリカン・ミュージックを体現する存在と言えるのではないかな。
今後がさらに楽しみになる健やかなデビュー作です。
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新たなステップはよりダンサブルに [アフリカ]

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昨日9月24日はギネア=ビサウの独立記念日だったそうです。
そんな日に新作「N'na」をリリースしたカリナ・ゴメス。2014年の前作はAfter youで紹介されていました。
新作は一曲目のアダルト・コンテンポラリーな音作りにちょっと驚かされます。
前作はアコースティックでオーガニックな音作りでしたが、今回はプログラミングも交えてるかな。よりダンサブルにコンテンポラリーになっています。同じポルトガル語圏アンゴラのキゾンバと近しい雰囲気のクレオール・ミュージックです。

でも前作にあった繊細なアコースティック感覚もちゃんと活かされていて、それは2曲目の「Speransa」によく表れていますね。流行に迎合したんじゃなくて新たなステップを踏み出したこれはこれでオッケーじゃないでしょうか。
ほとんどの曲がカリナ本人を含む共作曲で、前作から7年という時間をかけて少しずつこぼれるように曲が熟成されていったようなたおやかな曲が並んでいます。

自身の曲でない「Amor Livre」は2014年にリリースされた曲で、元は静かなピアノを基調としたアレンジでしたが、ここではアフロビーツ的な音作りのエレクトロニックなリミックスとして収録されています。
もう一曲ガーシュインの「サマータイム」は、ギネア=ビサウ・ジャジーな魅惑のグルーヴがミスティックに響いて新鮮。

このMV見てると、伝統に敬意を払いながら、新し時代を生きる現代女性が見て取れて清々しい気持ちになります。王道のアフロ・ポップ。

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来し方行く末を見つめて [アフリカ]

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昨年11月11日でアンゴラは独立45周年を迎えたそうです。
昨年末パウロ・フローレスがリリースしたプロジージョとのコラボ作は、そんなことも踏まえたアルバムだったのでしょうか。憂いを湛えたパウロの歌声とプロジージョの激するフロウは、アンゴラの苦難の歴史を見据えたような沈鬱な曲が多かったですよね。

年末にシングルが公開されて、コラボ作とは別に新作を制作中と聞いてましたが、思った以上に早くリリースされました。タイトルもズバリ「Independência」。
収められた曲のタイトルを見ても直訳ですが、冒頭の「写真の英雄」とか「この国」とか、アンゴラの来し方行く末を見つめた曲のようですね。
ただプロジージョとのコラボ作とは違って、本作ではアンゴラ独立45周年を祝うように力強い前向きな曲が多いように思います。もちろんただ祝ってるだけの内容ではないんでしょうけど、悲嘆や苦難よりも未来への希望を掲げたような力強いセンバのリズムが何より耳に残ります。

ストリングスが優雅な「Jeito Alegre de Chorar」のコーラスにはサンバと共通する多幸感が溢れていて、自然とウキウキとしてきますよ。でもタイトルの意味は「うれしそうな泣き方」。泣きながら笑ってる人を見るようで、よくわからないながら勝手にウルウルしてくる。

本作でとびきり素晴らしいと胸躍ったのが「Amanhã (11 de Novembro)」。
明日(11月11日)と題されたとおり、センバの若手歌手ユリ・ダ・クーニャにプロジージョも加わり、世代を超えて団結し、未来へ踏み出していく躍動感が空気を震わせてくれます。
タイトル曲も波の上を揺蕩うようなストリグスがなんとも麗しく、こんな優雅な曲調で「独立」というタイトルとはどんな歌詞なんだろうと思ってしまいます。
もちろんアップテンポの曲だけでなくサウダーデ溢れるセンバもあります。同じポルトガル語圏ギニアビサウの歌手マネカス・コスタと共に歌う曲では二人の歌声が重なり合って遠き日を呼び起こします。

滋味あふれる曲の揃った本作を聴いて、パウロ・フローレスはほんと信頼できる音楽家だなと改めて思う。
ここに新たな名盤が誕生しましたよ。
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