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デューリーのピアノが印象的な2曲 [イアン・デューリー]

今月のレコード・コレクターズは「このピアノを聴け」という特集で、図書館でパラパラっとしたら、イアン・デューリーの「Sex & Drugs & Rock & Roll」が取り上げられてました。
確かにあの間奏のソロは確かに印象的ですよね。ファンキーなロックンロールなのに、突然ものすごくジャジーなピアノ・ソロがでてきて、初めて聴いた時に驚いたのを覚えています。



ピアノが印象的というと、同じく1stアルバムの1曲目「Wake Up and Make Love with Me」のイントロのピアノもすごく耳を惹きます。ちょっとオリエンタルなフレーズで、リズムが変なタイミングで入ってくるところも面白いです。

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ロンドン発、闇鍋音楽 [イアン・デューリー]

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ストリーミングで聴けないってことで思い出したのが、イアン・デューリーがソロ・デビューする前に在籍していたバンド、キルバーン&ザ・ハイ・ローズの「Wotabunch!」。

ちょっと説明すると、本作は74年のグループのデビュー作だったんですが、所属していたラフトが倒産してしまって、お蔵入りになってしまったんですね。
翌75年に仕切り直しで、アルバム「ハンサム」でデビューするんですが、収録された曲の多くは「Wotabunch!」の曲を、新たに録音し直したものでした。こういう場合に起こりがちなのが、以前に録音したものより出来が良くない。
同じことが、ここでも起こってどの曲も「Wotabunch!」よりも、活気を失いすっかりおとなしくなってしまって、グループの魅力を伝えられない失敗作になってしまいました。もちろん売れるわけもなく、イアン・デューリーはソロで活動することになるわけです。

その後、イアン・デューリーがソロ・デビュー作「New Boots and Panties!!」で大成功した直後の78年になってワーナーから再発(というかはじめてリリースされた)のが、この「Wotabunch!」でした。
でも現在までCD化も、ストリーミングで聴けるようにもなってません。多分これも権利上の問題だと思いますけど。

残念ながら、Youtubeにも数曲しか上がってないんですよね。
カリプソ風味の「The Call-Up」から、バンドの多様な音楽性が発揮されていますよ。ひさしぶりに聴きなおすと、その多様な音楽性を整理整頓せず、素のまま刻み付けたプロデューサー、トニー・アシュトンの手腕が大きかったんだろうなと思いました。

R&B、ファンク、カリプソ、レゲエ、ヴォードビルまでなんでもありの破天荒な闇鍋音楽は、パブのタバコやウィスキーの匂い、人いきれまでも運ぶロンドン発最高のクレオール・ミュージックとも思えます。ソロになると、ここにチャズ・ジャンケルによる洗練された音楽性が加味されるってわけですね。
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デューリー主演舞台ネタの佳作 [イアン・デューリー]

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イアン・デューリーを最初に聴いたのは「ニュー・ブーツ・アンド・パンティーズ」だったけど、リアルタイムで出会った新作はこの89年の「アップルズ」でした。
ライナーを読むと、本作が日本でリリースされた頃に2度目の来日があったようだ。ミュージックマガジンにレビューが載っていたのを覚えてる。
新作を買うようなファンではあったけど、まだライブを行くほどじゃなかったんですよね。

本作はデューリー自身が主演の舞台用に制作された曲を集めたものらしい。そんなこと知らなくてもアルバムとしてまとまりのある作品集として楽しめる。舞台の評判は芳しいものではなかったみたいだけど。

冒頭のタイトル曲はチャズ・ジャンケルも曲作りに加わったカリブの風がロンドンの街角に吹く佳曲。舞台のサントラなので、らしくない女性ヴォーカルとのデュエットや、スティッフ時代のレーベルメイトのレックレス・エリックが歌う曲があったりもする。

バックはブロックヘッズからはミッキー・ギャラガーとデイヴィ・ペインが参加。他も80年代のアルバムに参加しているリズ・ジョーンズやマイケル・マカヴォイやスティーヴ・ホワイトら。

80年代は舞台をはじめ俳優としての活動の方が活発だったからか、ミュージシャンとしての現役感の希薄さがアルバムとして求心力を奪ってしまっているのが残念。
でもフリー・ジャズ~ファンク~ヴォードビル~ロックが交錯するラスト2曲「All Those Who Say Okay」「Riding The Outskirts Of Fantasy」は他では得難いデューリーならではの妙味が堪能できて聴きものです。
停滞していた80年代のデューリーですが、このアルバムをきっかけとして90年代は活力を取り戻していくわけです。
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デューリー最後の2枚のシングル [イアン・デューリー]

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イアン・デューリーの遺作「Ten More Turnips from the Tip」の記事を書いてる時、本作から「Dance Little Rude Boy」がシングル・カットされていた事をはじめて知りました。
「One Love」がカットされていたのは、2002年当時購入していたので、知っていたんですけど、「Dance Little Rude Boy」は全然知りませんでした。

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まぁもともとシングルとかまで、コンプリートするようなコレクター気質ではないんですけど、ここで記したとおり「Ten More Turnips from the Tip」は特別すぎるアルバムなわけで、これは欲しいなと。それもカップリングが「It Ain't Cool」で、もしかしたらこの2曲は僕が生涯もっともよく聴いた曲、ワン・ツー・フィニッシュであるかもしれないわけですから、入手しないわけにはいきません。

まぁそんなに肩に力をいれなくてもあっさりゲットできましたけど。
デューリーのシングルですから、プレミアがつくこともなく、数百円で。
ジャケの絵は「Dance Little Rude Boy」はゴードン・ハウスという人の、「One Love」はファンフリー・オーシャンの、二人とも友人のようですが、絵のタイトルは両方とも「Ian」となってるので、肖像画ですね。前者はかなりの抽象画ですが。

そういえば「Dance Little Rude Boy」の方は右の黄色地のところに短い詩が載っています。これはデューリーの残した詩で、「Ten More Turnips from the Tip」のブックレットにものっていて、邦盤には対訳も載っていました。

すべての友人に

会うことのある人たちに
全く会うことのない人たちに
会えたらいいのにと思う人たちに
まだこれから会う人たちに

(邦盤より対訳:丹美継)
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冬が来るごとに増す味わい [イアン・デューリー]

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以前にも取り上げたことあるけど、92年にリリースされたイアン・デューリーの「The Bus Driver's Prayer & Other Stories」は冬の定番。いや最近は冬じゃなくても聴いてるか。

このアルバムはしばらく音楽活動から遠ざかっていたデューリーが90年に出演した映画「アフター・ミッドナイト」のために作った曲?がもとになっているようだ。2004年にボートラ付きで再発されたライナーノートに書いてある。

本作はほとんどの曲をミッキー・ギャラガーと曲作りをしています。数曲でリズ・ジョーンズも加わっている。どうもこのリズ・ジョーンズとの曲が僕は特に好きみたいなんですよね。
とにかく1曲目の「 That's Enough Of That」が好きで好きで。

気の抜けたようなサックスのイントロからしていいんですよ。このゆるいというかちょっとレゲエのニュアンスのあるグルーヴ。こういうファンクって他では見当たらない。こういうの他にあったら聴きたい。ファンクっていうとどうしてもゴリゴリだったり、鋭角的だったりしますよね。いやこの曲もゆるい感じもしつつシャープでもあり。もうほんと独特でデューリーの曲でもベスト10に入るお気に入りです。

続く「Bill Haley's Last Words」も変わった曲で。これもファンク・ナンバーといって良いと思いますけど。跳ねるようなビートの上でラップというかしゃべりというか、面白いですよね。場面転換のように転調しながら、しゃべりが歌になったりと。デューリーにしかできない曲です。

96年に来日した時、「アルバムとしてはもう少し時間をかけないと」みたいなことをデューリー自身が言ってた気がするけど、確かにじっくりアレンジして時間をかけて感じはなくて、音楽的なアイデアを煮詰めずに放りだした感じの仕上がりではある。リズム的に遊んだ曲に軽くトーキング調の歌を載せたり。

だから一聴すれば曇天のロンドンの街角の風景が浮かぶ淡い色調のアルバムかもしれない。上にあげた曲以外にももっとじっくり仕上げればもっと良くなったかもと思わせもする。もちろん悪いわけじゃなくて、あっさりと薄味って感じ。でもそれが良いんだけど。

冬が来るごとに味わいが増す秀作です。

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バンドは続くよいつまでも [イアン・デューリー]

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イアン・デューリーが亡くなって、ブロックヘッズは単独で活動を開始します。
たしか70年代後半か80年代前半だかにシングルは出したことがあったみたいですけど、デューリーとの活動以外ではアルバムとかはなかったんですね。

デューリーとの最後のアルバム「Ten More Turnips from the Tip」をリリース後、満を持してといいますかアルバムの制作にかかって、2003年に1stアルバム「Where's The Party?」を完成させます。
バンドは「Ten More Turnips from the Tip」のメンツにもう一人サックス、デイヴ・ルイスを加えた8人組になってます。

このアルバムはクラウドファウンディングのような制作方法で、制作されました。僕も出資したというか、確かファン・クラブみたいなのがあってそれに入会するみたいな方法だったような気がします。
ファン・クラブ経由で買ったので僕の持っているCDのジャケはバンド・メンバーのポートレイトになってますが、後々一般発売されたものは刑務所?の通路の写真になってます。スポティファイでもそちらのジャケになってますね。

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本作は曲作りをバンド・メンバー全員で手掛けて、ヴォーカルもメイン・ヴォーカルのデレク・ハッセイだけでなく、チャズ・ジャンケルとジョニー・ターンブルも歌ってます。
曲も粒ぞろいで、ヒップホップも取り入れたタイトル曲、ブロックヘッズらしいファンキー・ロック「Feel The Funk」や糸引くようなジャズ・ファンク「Spread It」をはじめヴォードビル調も交えバラエティに富んでいて、弱点の歌も3人で分けて歌ってるので単調にならず、現在までに4枚残してますけど、本作が一番力の入ったアルバムになってます。

本作を聴くとよくわかるのが、デューリーは作詞だけをしていたわけじゃないんだなということ。音楽的なイニシアチブもかなりとっていたのがよく分かります。
本作では、この曲はファンキー・ロック、この曲はジャズ・ファンク、この曲はヴォードビル調といった感じで、デューリー時代のようななんと形容していいのかわからないような曲は見当たらないんですね。

とはいえ、デューリーは死んじまったけど、バンドは続くよいつまでもと、一丸となって唯一無二のブロックヘッズ・グルーヴをさく裂させた傑作です。
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デューリーの歌詞について [イアン・デューリー]

イアン・デューリーの2枚のアルバムの全曲レビューを終えて、俺ってほんとこの2枚が好きなんだなぁと改めて思いましたね。世界でこの2枚を一番聴いてるのは自分だと自負してますよ。

今回のレビューではめずらしく歌詞についても色々記しました。普段は全然歌詞のことなんて気にしてないのにね。「Mr LOVE PANTS」は最初輸入盤で買って、のちに邦盤も買いました。そこで対訳を読んで、機知に富んだ歌詞にも魅了されたんですね。

最初に買ったデューリーのアルバムは「ニュー・ブーツ&パンティーズ」でしたが、輸入盤でしたから、歌詞については未だに知りません。他のアルバムについてもほとんど知りません。

僕の手元にデューリーが表紙のニュー・ミュージック・マガジンの79年4月号があります。どこで買ったのかもうよく覚えてませんが、ここにキャロライン・デイルというたぶんイギリス人だと思いますけど、「イアン・デューリーの反ロマン世界」という記事があって、「ニュー・ブーツ&パンティーズ」の歌詞について解説されています。これを読んで、普通に訳しただけじゃわからないことがよくわかったので、対訳のついてる邦盤CDも買わず、以降歌詞について気にせずに聴いてきました。

ファンキーな音楽性に惚れこんだからというのもありますけど、デューリーの歌詞ってものすごくイギリス人的で対訳読んでもどっちみちよくわからないだろうと思ったのもありますね。

この曲なんかも文法なんかも含めてのユーモアがあるみたいです。
でも音楽全体から伝わってくるユーモアを味わえば、それでいいんだと思ってます。

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らしからぬメロウなYou're the Why [Ten More Turnips from the Tip] [イアン・デューリー]

それではアルバム「Ten More Turnips from the Tip」のラスト・ナンバー「You're the Why」。
これはデューリーが可愛がっていたというロビー・ウィリアムスが歌っています。
ユニセフの親善大使としてポリオの子どもを見舞ってどこか発展途上国に行った時の写真に一緒に写っていたのを見たことがある。

この曲はデューリーらしからぬメロディアスな曲で、デューリーが歌っているのをうまく想像できません。もしかしたら亡くなってから残された詩にチャズが曲をつけたのかもしれない。

歌詞が泣かせるから、聴いてると時々ウルウルしてしまう。

色んな悪行をくぐり抜け
わびしい夜明けを待ち望んでいた
あんな生まれ方を避けるために
また別の救世主と話をつけるなんて できない話だった

すると 1トンもの煉瓦のように 夜明けが訪れ
意固地な気持ちが 崩れ落ちた
最後の砦も突破され 鎖もすべて外された
君からもらった愛情は それまで知ることのできなかったもの

君が欲しい 四季の不思議が消えるまで
そして 鳥が飛ぶことを忘れるまで
歴史上の誰よりも 愛している
定めというものがある限り その運命はつまり 君のこと


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チャズがヴォーカルをとるI Could Lie [Ten More Turnips from the Tip] [イアン・デューリー]

さあて、デューリーが残した最後の3曲が終わって、残るは2曲。デューリーが残したものの録音は叶わなかった2曲にいきましょう。2曲ともチャズとの共作です。

まずは「I Could Lie」。チャズがヴォーカルをとってます。
この曲はまぁ典型的なデューリー&ブロックヘッズのファンク・ナンバーですね。
歌詞もデューリーらしい皮肉とユーモアが感じられるものですが、ちょっと最後のキメのフレーズのオチが対訳を読んでも僕にはよくわからないんですけどね。
数年前にでたリマスター盤にちゃんと歌詞が載ってるようなので、確かめたいんだけど。

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これぞ唯一無二のBooks & Water [Ten More Turnips from the Tip] [イアン・デューリー]

デューリーが最後に残した3曲のうち続いて最後の楽曲は「Books & Water」。
これを聴くとデューリーの創作力がガンに冒されてもまったく衰えてなかったことが分かる、唯一無二の曲です。こんな曲他に聴いたことない。

この曲はほんとどう形容すればいいのか困っちゃうんですけど。
楽曲的にはジャズ・ロック?っていえばいいんですかね。

曲のさわりで水が流れる音がちょっと聞こえますが、何か意味があるんでしょうか。
楽曲の構成はシンプルで、冒頭のエレピとベースのテーマ部(ここはサビのパートでもあるんですけど)、それと、ゆったりとうねるようなヴァース部と2つのパートで成り立ってます。
最初にジャズ・ロックって言いましたけど、楽曲的にはそうなんだけど、やっぱりデューリーのヴォーカルが独特すぎて、ジャンルレスな楽曲になってますよね。

この曲も大好きすぎるので、個人的萌えポイントを挙げてきましょう。
シンプルな構成で、へヴィなドラムとうねるベースが印象的で、テンションの効いたエレピによるコードが曲の雰囲気を決定づけています。ギターはサビの部分で少し聴こえるだけ。サビでの不穏なホーン・ラインも印象的です。

この曲はブロックヘッズの演奏力が最高の形で刻みつけられた曲でもあります。
まず2コーラス終わった後の最初の間奏ではジラッド・アツモンのサックスが、3コーラス目が終わった後はエレピ、その後はベース・ソロと続きます。
それぞれヴァースとサビがソロ・パートとして割り当てられてるんですが、このそれぞれのソロの時もバックの演奏が微妙に違うんですよ。サックス・ソロの時のヴァース部ではギターがゆったりとしたオブリガード的なフレーズを奏で、エレピのソロでは軽快なカッティングを効かせて、楽曲を陰影豊かにしてますよね。
その後、サビがまたあって最後はギター・ソロです。ここでのジョニー・ターンブルのギターも見事。
最後にサビがあってビシっと終わるところもカッコ良し。

アルバム・リリース後にブロックヘッズがライブでこの曲を演奏した時、もちろんデューリーはいませんが、ベースのノーマン・ワットロイが「次の曲はハード・ワンだ」と紹介してたんですけど、とりたてて激しいってわけでもないのに、たしかに非常にハードな印象を与える曲だと思います。

こういう曲はやっぱり他では求め得ない曲で、デューリー&ブロックヘッズでしかありえない曲ですね。一度聴くと今でも何度かリピートしてしまう汲めども尽きぬ魅力にあふれた曲です。歌詞は抽象的で、何を歌ってるのかよくわかりませんけど。

この曲の後にデューリーの友人だった英国の詩人ジョック・スコットのデューリーに捧げた詩の朗読があります。

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