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麗しい弦の音色は今も [フレンチ・カリブ]

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ようやくゲットしましたマラヴォアの新作「Masibol」。
なぜかストリーミングでは聴けないので、イライラしてる人いっぱいいると思います。
さわりだけ聴いて悶々としてたのでほんとようやくですよ。

僕がほんとに熱心に音楽を聴き始めたのが、ちょうどワールド・ミュージックが流行り始めた頃で、サリフやユッスーと共に、このマラヴォアの「ジュ・ウヴェ」を聴いたのでした。
アフリカの音楽以上にマラヴォアの音楽は鮮烈な印象を僕に残したんですよね。
何といってもあの麗しい弦の響き。
当時の僕にとってはヴァイオリンというのはクラシック音楽のためのものでしたから、クラシックとは全く違う華やか爽やかなその響きを聴いて、世界には自分の知らないすごい音楽があるんだなぁを想ったもんです。

とはいえその後、マラヴォアの音楽を熱心に聴いてきたわけでもなくて、2013年の40周年のライブ盤は聴きましたけど、その前のスタジオ作は評判になってるのは知りつつ聴きそびれてしまました。
でもここで聴けるマラヴォアの音楽は初めて聴いた時と変わらない麗しい響きを持っていて、快活なりずむととmうれしくなってしまう。

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インスト・ナンバーはカリビアン・ジャズとしても聴けるし、ブックレットに写るメンバーの中には女性メンバーも。ラルフ・タマールの歌も親父の艶っぽさを漂わせて快調そのもの。
ジャズ・ピアニストのグレゴリー・プリヴァや三宅純など新しい感性を持った才による編曲もしなやかに溶け込み、2020年代へのアップデートしたマラヴォアが躍動してます。
オリジナル・メンバーがいなくなっても若いメンバーが加入して、その音楽を継承する。こういうの良いですよね。マラヴォアという看板を誇りをもって後の世代に伝えていく。
春を通り越して夏が待ち遠しくなる傑作です。
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野生を内に秘め躍動するエレガンス [フレンチ・カリブ]

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そんなわけでとっとと紹介しとこう。
マルチニークのピニスト、マリオ・カノンジュの新作「Zouk Out」。
素晴らしいんですよこれが。

でも僕はこの人あまりちゃんと聴いたことなかった。たしか半年くらい前に前作をストリーミングで聴いたくらいで。たぶんピアノという楽器のプライオリティが低いせいだろうけど。

でも本作はYoutubeでアルバムのEPKを見ただけでピーンと来ましたね。
一曲目「YEKRI」はピアノ・トリオによるカリビアン・ジャズで、この曲はラストにもヴォーカル入りのヴァージョンが収録されていいます。
続くフルートやフリューゲル・ホーンによるアンサンブルも美しい「SWEER KON LAKAY」も抑制されたタッチが次第にスピードと熱を帯びて飛翔してくピアノが圧巻です。
これはどの曲にも言えますけど、躍動しているのに荒々しさを内に秘めたようなエレガンスに魅せられてしまいました。
「KARNAVAL BLUES」もブルースの猥雑さとエレガンスが拮抗し、ブギウギがカリブの海風にさらされたようなグルーヴが最高。

曲によって編成を変え、ハーモニカの音色にもうっとりな「SE OU MWEN LE」はラルフ・タマールの歌声も聴こえる。歌を主役に立てながらも、マリオがにっこり笑っているのが見えるよう。音楽家としての器の大きさは、もうベテランといっていいキャリアのなせる業でしょうかね。

基本メンバーははカリビアン・ジャズの秀作にこの人ありなミシェル・アリボのベースに、アーナウド・ドルメンのドラム、パーカッションのアドリアーノ・テノリオはトーキング・ドラムも叩いたりもします。

とにかく聴きどころ満載な本作、自然な形で自身のキャリアを俯瞰して見せた傑作です。

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元祖カリビアン・スウィング! [フレンチ・カリブ]

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トニー・シャスールのライブ盤が早く聴きたいなぁと思いながら今夜はこれを。
元祖ゴージャスなカリビアン・スウィングといえばこの人かな。
ハイチのイッサ・エル・サイエ。58年のキューバ録音「 EL MAESTRO」。チローロも参加してるんですね。キューバからはベボ・バルデスも参加。

こういうのをメラングっていうわけですけど、もうこの頃にはスタイル的には完成されている感じはしますね。キューバ録音だからなのかルンバやソンの鋭角的なリズムとメラングの柔らかなリズムが相まって、他のイッサ・エル・サイエの録音とは違った趣もあるかもしれない。
今までそんなこと考えて聴いてなかったけど。ハイチの音楽そのものがキューバ音楽の影響下に生まれたのかもしれないけど。他のCDも改めて聴いてみようかな。
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生粋の島娘の普段着の歌 [フレンチ・カリブ]

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昨日に続いてタニヤ・サン=ヴァルの2009年のミニ・アルバム「Nasyon Kreyol」を。
でもこれたぶんミニ・アルバムというよりシングルだな。全6曲入りだけどタイトル曲は「Soleil」に収録されているし、そのリミックスが2曲だから半分は「Nasyon Kreyol」だし。

まず冒頭の「Jean Fouyé / Piè fouyé」。
これがグァドループの伝統リズム?詳しいいことはよくわからないけど、パーカッションのみのバッキングによるプリミティブな曲で素晴らしい。タニヤの歌も開放的に響いてくる。
続く「Nasyon Kreyol」はもともとパーカッションがフィーチャーされた曲だけど、アルバム収録時のズークらしさを排し、パーカッション・アンサンブル主体の歌に様変わり。
「Kouté sa (Medley)」はタイトル通りメドレーらしいけど、彼女の代表曲のメドレーなのかはよくわかりません。これもパーカッション主体のアフロな曲ですんばらしい~。
「Adieu foulard」はカリを迎えたアコースティックなバラッド。この曲は有名ですけど、ちょっと調べたらグァドループ・トラッドなんですね。
最後の2曲は「Nasyon Kreyol」のリミックス。これもカッコイイんだ。前者は歌なしのダブ・ヴァージョン的クラブ仕様。後者は歌入りのアーバン・ラウンジ仕様。

どうしてこういうパーカッション主体のグァドループの伝統に即したようなシングルが作られたのかはよくわからないけど、これは傑作。「MI」を愛する人は必聴でしょ。
「Soleil」がドレッシーな余所行きの装いの歌だとすれば、こちらは生粋の島娘の普段着の歌。どっちが好きかと言われれば・・・どっちも好きですよ。もちろん!

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カリビアン・アーバン・メロウ・グルーヴの歌姫 [フレンチ・カリブ]

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昨年も夏にタニヤ・サン=ヴァルのCDを一枚購入したけど、今年も暑くなってきたのでもう一枚追加。Amazon.UKで2008年作「Soleil」と2009年のミニアルバム「Nasyon kreyol」の2in1があったのでオーダーしたら届いてみれば2in1じゃなくて別々のCDがパッケージされたものだった。今日は「Soleil」を紹介。

所謂ブラコン/R&B調のズークというのはどうも悪く言われることが多い気がしますが、僕は全然嫌いじゃないというか好き。そもそも僕はこの人の甘く濡れた声が大好きなので、それが洗練されたメロウ・グルーヴに乗って聴こえてくれば、そりゃもう最高な訳ですよ。

冒頭の「Dis-moi tout」「Pote Manev」の二曲ともにアコースティ・ギターを隠し味的に配し、デジタルっぽさを抑えた上質なメロウ・ナンバー。続く「Nasyon kreyol」ではパーカッションをフィーチャーしたり、グァドループの伝統にもちゃんと目配せされていて、躍動感もある。ミディアム・ナンバーを中心にメロウないい曲が揃ってるし、トースティング入りのレゲエ風味に、アコギやピアノを配した涼しげなボッサ風味、ジャジー風味もあり、なんともいい雰囲気で部屋を満たしてくれます。
ここにいるタニヤはカリビアン・アーバン・メロウ・グルーヴの歌姫。デデ・サンプリ参加のボーナス・トラックもあるし、全18曲、これを力作と言わずに何と言う?

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フレンチ・カリブの粋を集めたゴージャスなカリビアン・スウィング [フレンチ・カリブ]

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ドラムのカウントに続いて軽快に音楽が流れ出し、ソプラノ・サックスがソロをとりはじめた時点で、これは素晴らしいと思った。
続いてトロンボーン・ソロ。一曲目はインストなのかなと思ったらスキャットが聴こえてきた。客席を歩きながらこの夜のマスター・オブ・セレモニー兼歌手、トニー・シャスールが登場。映像もモノクロからカラーへ。もうこの登場の仕方からして粋だ。ついでにここでのホーン・セクションとスキャットのユニゾンもお・み・ご・と。

マルチニックの若大将トニー・シャスール率いるミジコペイのライブDVDはフレンチ・カリブの粋を集めたようなゴージャズなカリビアン・スウィングが堪能できる。CDが出てたのは知ってたけど、ビッグ・バンド好きなのに、なんで聴いてなかったんだろう。
次から次へと心ウキウキリズムワクワクな音楽が流れ出てきて音楽が好きで良かった~と心から思える素晴らしいDVD。
昨年のベストにアルトゥーロ・オファリル&アフロ・ラテン・ジャズ・オーケストラ「Offense of the Drum」を上げたけれど(祝グラミー受賞!)、音楽としての楽しさも躍動感もこちらのほうがはるかに上をいく。僕には解読不能の複雑なリズム/アレンジなのに楽しく快活。
たくさんいるホーン・セクションそれぞれにちゃーんと見せ場が用意されていて、これがまたみんなうまいんだ。ソロの後トニーがメンバーの名前を言うところにも敬意が溢れていてそんなところも見てて嬉しくなる。
もしかしたら来日もある?こんなの目の前で聴けたら最高だろうなぁ。

トニーのサイン入り。プロモーションで来日したというのは嘘で、ほんとは円安だから家族サービスで旅行に来たらしいですよ。
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ラブリーでスウィートなズーク! [フレンチ・カリブ]

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夏ももうすぐそこということで、最近はタニヤ・サン=ヴァルの「MI」をよく聴いてます。
でもこれしか持ってないので他のもと思って「MI」の次の96年作「Amethyste」をゲット。

本作は前作のようなグアドループのパーカッションはなくて、何曲かでラップがはいったりするし、ブラコンよりのズーク作品みたい。
これはこれでいい。生音&打ち込みの音作りの中で彼女のラブリーでスウィートな魅力がよく活かせてるし、華がある。レゲエもあったりバラエティもあって楽しい。ジャケの満面の笑みもよろしい。
前作と併せて夏気分を高めてくれる。
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カリビアン・クルーズに誘われて [フレンチ・カリブ]

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毎日のぐずついた天気と蒸し暑さ。
それに加え、歯がゆいワールドカップ日本代表の戦いぶりに、何とも煮え切らない気分の毎日ですね。
昨日は結構いい天気でしたが、今日は朝から激しい雨で、うーん・・・・。

そんな煮え切らない気分を爽やかに変えてくれそうな雰囲気を感じてゲットしたのがマルチニーク出身のベーシスト、ティエリー・ファンファンと、北フランス出身のビギン・ピアニスト、ダヴィッド・ファクールによるカリビアン・ジャズ作品「FRERES, FREW」。タイトルは兄弟という意味らしいです。

ティエリー・ファンファンの数年前のソロ作は未聴なんですけど、ラルフ・タマールなんかも参加してかなり歌ものの比重の高いフレンチ・カリブ作だったみたいですが、本作はiTunesに取り込むとジャンルはJazzとなるとおり、基本的にはジャズ作品といっていいと思います。

全曲ふたりのオリジナル。カルテット編成を軸に曲によってギターやトランペットのゲストを迎えて、どの曲も端正な仕上がり。クレオールらしい時に華やか、時に郷愁をさそうようなメロディで気分爽快。
ダヴィッド・ファクールのエレガントなピアノとティエリー・ファンファンの黒子に徹したカリビアン・グルーヴを紡ぐベースが聴き手を優しく波間へのクルーズに誘う。

蒸し暑い夜にこのCDをかければ、すっかり涼しげな風が吹くような爽やかなカリビアン・ジャズ。
この夏、重宝しそうです。
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眩いばかりの光を放つズークの歌姫のライブ盤 [フレンチ・カリブ]

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最近知ったばかりの早逝のズークの歌姫エディット・ルフェール。
96年のライブ盤「A L'Olympia」。

冒頭の歌姫の登場を促す歓声から観客の興奮が伝わってくる。
華やかさを振りまきながら登場するエディット・ルフェールの歌声をオーディエンスの大合唱が後押しする。
昨年のマラヴォアの40周年記念ライブ盤ではロリエンヌ・ザキャリーが歌っていた「La Sirene」は彼女の持ち歌だったんですね。本番でもマラヴォアをバックに優雅に歌い綴ってくれます。他にも何人かゲストがいてカリビアン・ジャジーな「Contre-Temps」で登場するマリオ・マッセのフルートはこの人のソロ・アルバムを聴きたくなるほど。

後半の華やかな盛り上がりはオーディエンスの一人として自分もその場にいるような気分になってしまう。ホーン・セクションとバック・コーラスも交えた総勢12人のバックの演奏も躍動感に満ちていて素晴らしい。本作の後、すぐ入手したセカンド「Meci」収録曲も、このライブ盤の方が数倍躍動的で心躍る。
ジャン・リュック・アルジェとのデュエット曲「Iche Manman」の大合唱はもうサイコー。

キャリアのもっともいい時のライブ盤ってなかなかなかったりするけど、この人の場合は最もいい時を残せたんじゃないでしょうか。音だけ聴いていてもステージ上の彼女が眩いばかりの光を放っていたのがよーくわかる。

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よく知らないけどおそらく名盤といわれてるに違いないまさに旬な瞬間がパッケージされた本作、もし言われてなければここで僕が断言しましょう。
ズーク/フレンチ・カリブ屈指の名ライブ盤です。

本作収録のジャン・リュック・アルジェとのデュエット「ICH MANMAN」。
同時期のライブかな。DVDがあるなら欲しい。

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40周年を祝う華やかな宴 [フレンチ・カリブ]

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そういえばこれも買ったんだった。
マラヴォアの40周年のライブ盤「Les 40 Ans De Zenith」。
マラヴォアといえば名作「ジュ・ウヴェ」。20数年前のワールド・ミュージック・ブーム花やかなりし頃に買いました。ヴァイオリンの優雅な響きに「世界には自分の知らないこんな音楽があるんだ!」と驚きとともに聴いたことが忘れられない。

でも、それ以外の作品を聴くこともなく今日まできてしまった。
ゲストや歴代の歌手達を迎え、オーケストラを従えたこの40周年を祝うこのライブ盤、華やかな宴という雰囲気がどことなくザ・バンドの「ラスト・ワルツ」を思い出しました。
自分たちの曲だけでなく、アルセニオ・ロドリゲスの「ブルーカ・マニグァ」やルベーン・ブラデスの「ブスカンド・アメリカ」僕が知ってるのはそれだけだけど、他にもカリブの名曲をやってるようです。
主要なメンバーがいなくなってものれんは受け継がれるって感じのグループなんでしょうか。こういうのっていいな。カリブの多様なリズムが折り重なり聴くほどに芳醇さが身に染みてくる。やっぱDVD付きを買えばよかったかなぁ。数年前の評判の良かった「ペップ・ラ」も聴きたくなってきた。
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