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ベトナム版ボレロのニューカマー [アジア/インド]

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最近アジア歌謡が不足してるなぁと感じるんですが、コロナのこともあって日本には入ってきてないみたいで新作の話題も全然聴きませんね。
最近は他力本願ばかりなので、たまには頑張って自分で探してみたら、ベトナムのフォンYという人を見つけました。

昨年デビューアルバム「Xa Vắng 」をリリースしたばかりの新人みたいですね。コンテストで優勝したとか。お姉さんも歌手みたいです。ボレロ・コンテストで優勝しただけあって上手いですよねぇ。
全編ベトナム版ボレロで占められますが、若いせいかコク深いというよりはあっさりめながら、繊細な節回しがほんのり甘く薫る。そこが良い。お姉さんとも2曲デュエットしてます。

一曲ずつなかなか良いじゃんと思いながら聴き進めてみれば、最後までイッキ。これは素晴らしいデビュー作です。ひさしぶりにベトナム歌謡を堪能しました。

期待のニューカマーじゃないですか。美人だし。

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歌声に目の前の霧が晴れる [アジア/インド]

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こんなのも買ってた。
イーイーチョンとイーイーモンという姉妹デュオのミャンマー歌謡「YINTHAEKA GANOWIN THAYMYAR」。向かって左が妹のチョン、右が姉のモン。
勝手にミャンマーのザ・ピーナッツと呼んでます。双子じゃないけど。
二人の歌声を初めて聴いた時の目の霧がぱぁーっと晴れるというか、屋根がなくなって空が見えちゃったみたいな、爽快な清々しさにすっかり気に入ってしまって、ソッコーで大阪のプランテーションにオーダーしました。

そもそもミャンマーのCDって買ったの初めてかも。
ミャンマーの音楽ってピアノに顕著ですけど、音階がものすごく変わってますよね。
門外漢の僕にはまったく伝統音楽のように聞こえる曲から、ミャンマー演歌な曲、ミャンマータンズィンっていうみたいですけど、ミャンマー伝統歌謡に魅せられてます。

欧米のポップス的な曲だって今やこんな清々しいポップスないだろって感じで、多分昔の日本の歌謡曲を思い出したりしたせいで、ピーナッツなんて想像したんだと思う。
こんな無垢な歌声を聴いたのは久しぶり。
これも今年のベスト10当確です。

そういえばCDだけ聴いててDVD見てないや。
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ランタンの灯の下のオルケス・ムラユー [アジア/インド]

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鮮やかなブルーのカラフルなジャケに目を奪われる。
アパートの先につるされた洗濯物。その上に広がる青空。
エファ・セリアと一緒に購入したインドネシアのグループ、ランタン・オーケストラの2017年作。
この音楽はなんと形容したらいいんだろう。ラウンジーなクロンチョン?ジャジーなオルケス・ムラユー?

普段はジャズ・ミュージシャンとして活動する傍らかつてのオルケス・ムラユーをよみがえらせる試みらしい。といってムラユー音楽とジャズの融合とか堅苦しさは微塵もないのが良い。
クンダンの横揺れリズムが波音を運んでくる。全曲ノスタルジーを感じさせるオリジナルながらギターやサックスはジャズ・フュージョンを消化し、ホーン・アレンジには現代性を加味し、風通し良くコンテンポラリー。軽やかだけれど安っぽくならないのはミュージシャン・シップに基づいた演奏に品があるから。
ここで「本格」を持ち出すのは野暮というもの。軽やかな遊び心は耳をくすぐり心も身体も軽くする。

Lantunってのはランタンのこと?
街角のランタンの灯の下に佇むオルケス・ムラユー。風に運ばれてくるちょっと懐かしいような音楽。そんな想像も的外れじゃない。
ラストのエレガントなピアノをバックにしたムラユー歌謡は、きっとこの夏の暑さに疲れた時のやさしい子守歌になってくれるでしょう。
傑作なんて言葉は似合わない。お気に入りのグラスで飲む麦茶のように愛でたい素敵な作品です。

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タイの国民的我が家の娘さん的ルークトゥン [アジア/インド]

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パオワリー・ポンピモン新作。もちろん早々にゲットしてます。
昨年のタイ・フェスでの彼女との出会いは我が人生的にはかなりのインパクトであったことはこのブログでも記しましたし、2枚のルークトゥン名曲集は聴き倒しました。

それでこの新作。オリジナル・アルバムとしては3枚目かな。
彼女はタイの国民的歌手であった早逝したプムプアン・ドゥアンチャンの伝記映画でデビューしたこともあってか、前作もそういうイメージを踏襲したカバー集だったわけですけど、このアルバムでも日本人の僕が聴いてもどこか80年代を思わす歌謡曲というかまぁ古き良きルークトゥンの名残を漂わせた楽曲を溌溂と歌っている。

だから今年のタイ・フェスで見たバイトゥーイみたいなEDM入ったダンス・ナンバーなんかはもちろんなくて、アップでも古き良きルークトゥンの流れを汲んだ曲を華やかで清々しい歌声にほのかな色香を漂わせながら歌い綴っていく。

タイでどんな風に受け止められているか実際のところはよくわかんなけど、なんとなく想像するに国民的な我が家の娘さんみたいなイメージなんじゃないだろうか。
前作はもちろんこのアルバムを聴いて悪い印象を持つ人はあまりいないよね。曲はいいし清廉でクセのない歌声は誰にも好かれるだろうし、貶す要素はひとつもないもん。

アップもスローも文句つけるとこひとつもなし充実の新作です!
こんな一時間近いドラマ仕立てのMV作っちゃうんだからレコード会社も力はいってなぁ。




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ベトナム産ハイブリッド・ファンク [アジア/インド]

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相互リンクしていただいているころんさんのブログで、GWに関西に行った折にプランテーションで買ったCDの中で、いつも女性歌手ばかりなのに珍しく男性歌手が一枚ありました。
興味を持ってスポティファイで聴いてみたら、これがチョーカッコイイ!早速プランテーションにオーダーしてしまいました。初めてのプランテーションでのお買い物。ころんさんが紹介する前に紹介しちゃいましょう。

ベトナムの若手歌手ハ・アン・トゥアンの2015年作「Streets Rhythm」。
ハ・アン・トゥアンは2007年にデビュー、当時からベトナムではあまりなかったボサノヴァやAOR、クラブ系の音楽をやっていたようです。日本で紹介されるベトナム音楽というと民歌ばかりですが、若い人向けのこういう音楽ももちろんあるわけですね。

本作は6作目で、CDが届く前はこの人はシンガーソングライターで、自身で作詞作曲してるのかと勝手に思ってたんですが、そうじゃないようです。CDのブックレットを開くと、眼光鋭い中年男の写真が。このアルバムのプロデュース、アレンジ、ミックスをしたヴォ・ティエン・タン。この気鋭のプロデューサーこそがこのアルバムのカギを握るキーマンのようです。

冒頭、ウッドベースをバックにベトナム語のラップが聴こえてくる。初めて聴いたときはこれだけでガッツーンときました。僕は日本語のラップでさえその大半はダッセーと思ってしまう質なんですが、このラップはベトナム語とビートが素晴らしくカッコよく結びついていてこれだけでビリビリと痺れました。

このウッドベースの感じはア・トライブ・コールド・クエストの2nd「The Low End Theory」の冒頭を思い出さずにいられない。ヴォ・ティエン・タンは1968年生まれだそうで、まさにATCQのあのビートを若き日に聴いたに違いなく、そうした90年代以降のヒップホップ~R&Bのグルーヴを完全に血肉化し、ベトナムのポップ・ミュージックとして響かせているところが素晴らしい。

Youtubeで色々聴いてみるとこのハー・アン・トゥアンはこのアルバム・ジャケの印象とは違い、草食系のメガネ男子といった感じで、ごく普通のアコースティックなバラードなんかも歌っているので、彼にとっても本作はとてもチャレンジング&エポック・メイキングな作品になったんじゃないだろうか。

柔らかで繊細な節回しの中に怪しい秘密を含んだような歌声がモダンなR&B~ファンク・サウンドの中で艶やかな色気を放っている。いやR&Bというより、こりゃファンクだな。ヘビー級じゃなくてミドル級あたりのスピードと重厚さを併せ持ったファンク。

2曲目はセカンドライン・ファンクとサンバ?を掛け合わせたリズムが最高にハイブリッド。続く「Red Car」ではベースラインにドゥーワップな人声を配していて、もうこのセンスに脱帽です。以下どの曲もその完成度は凄まじく高く、全9曲たった33分しかないけど、その音楽的密度はハンパない。

ブックレットにはライナーなのかインタビューなのかわからないけど、細かい文字がびっしり記されてるんだけど、何が書いてあるんだろう。とにかくハイブリッドな音像の中に気鋭プロデューサーのエッジーな音楽センスと、それをしっかりと受け止めた若手シンガーの気概が滲む本作。傑作というしかない。


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草陰から見つめる瞳 [アジア/インド]

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ベトナム人歌手タイン・レーの2012年作。これは4枚目くらいかな。日本でもそこそこ評価されてる歌手だと思います。僕は今回初めて聴きました。

パッケージが普通のプラケースなんですが、銀色のキラキラした紙に印刷されているブックレットの写真が美しいんですよ。その写真の雰囲気もあって、聴いてると控えめなその声はどこか草陰で愛する人を見つめる瞳のような。先日買ったヴィ・タオも良かったけど、歌手としてはこちらのほうが上かな。

ベトナムの民族楽器の弦らしき音も聞こえてくるけど、基本コンテンポラリーな歌謡アルバムです。40分くらいしかないので、サクッと聞けるので自然とリピートしてしまう。

冒頭、寄る辺ない心の内に忍ぶような笛の音と、切なさ染み入る弦のイントロに導かれるように、柔らかなタイン・レーの声が聴こえてくる瞬間の美しさ。けして声を張り上げることなく、絶妙にコントロールされた微弱音が耳をくすぐる。
ラストが快活なミディアム曲であるのを除けばほぼ同じような作りのスロー・バラードばかりながら、全く飽きさせない。先日エル・スールで店長が他のアルバムは難ありなニュアスンスだったんですけど、このアルバムはほんと上手さをひけらかすところもなく、ただただ控えめに秘めた想いを綴っていく様が美しい。

ひとつ難を上げれば数曲男声が聞こえてくること。デュエットいらなかったなぁ。彼女の声だけ聴いていたかった。ただそれを差し引いても傑作だと思います。

音楽に関係ないけど、ベトナム歌謡のCDはブックレットの写真がどの歌手もみんな美しくて、女性を美しく撮るカメラマンがたくさんいるのかな?
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遠いオルケス・ムラーユの風 [アジア/インド]

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最近買ったCDについてロクに記してないな。
アジア歌謡やブラジル音楽はよく知らないので、なんか漠然としたことしか書けないんですけどね。よくわかってない奴の感想というのもそれはそれで面白いと思うので。
まずはこれからいこうかな。

インドネシアのダンドゥット歌手イエット・ブスタミの「ザッピン・ドゥット」。エル・スールに入荷したのをHPで見て貼り付けてあった曲が素晴らしかったんだけど、すぐに売り切れてしまって。
このCDを出しているマレーシアのミュージックランドというレーベルは最近イイス・ダリアも出していて、そっちはサンビーニャが配給していたので、もしかしたらと思ってサンビーニャで検索したらありました。
在庫があるかどうかわからなかったけどオーダーしたらすぐに送られてきた。ダンドゥットのアルバムとしてその筋では結構有名な名盤みたいです。

これリリースされたのは10年も前なんですね。
解説にも書いてありますけど、元々インドネシアでカセットで出たのがそれよりも3-4年前らしく、著作権の問題ですぐに廃盤になってしまって、それがマレーシアで再発リリースされたのがこのCDのようだ。

タイトルにあるようにザッピンとダンドゥットをかけあわせたアルバムで、このザッピンというのはアラブ音楽に影響を受けたリズムらしい。ダンドゥットが生まれるオルケス・ムラーユの時代に踊られたとか。今年初めに買ったジャミラー・アブ・バカルのアルバム「BAYUN TARI PANGLIMA」でのアラブ風味が気に入っていたこともあって、本作の一曲目を聴いてすっかり魅せられてしまったというわけ。

冒頭のタイトル曲。ストリングスの後の「ザァ~~~ピ~~~~ン~~」とアラビックなメリスマを効かせたイエット・ブスタミの歌の妖艶な艷にあてられて早くも腰くだけてしまう。
エルフィ・スカエシの伴奏もつとめていたというマラ・カルマによるアレンジはリズムも含めてハイブリッドで素晴らしい。このストリングスが遠いオルケス・ムラーユの時代の風を運んでくる。とか言ってかつてのオルケス・ムラーユを知らないんだけどさ。

そして曲によって差し挟まれるヘビメタチックなギターが大衆歌謡の下世話さを運んでくる。そんな下世話さや妖艶さを放ちながらもイエット・ブスタミの歌は常にある一定の気品を保っている。だから聴き終わったあとに、もたれず何度も聴きたくなってしまう。

このアルバムではザッピンだけでなくポルトガル経由のクラッチャと言われるハチロクのリズムの曲があったり、民謡を現代的に演じた曲もあったり、ソプラノ・サックスがスムース・ジャズのような洗練をまとっていたり、様々な時代や音楽の要素が交錯していく様が音楽に刻まれていて、そこに僕は魅せられているのかもしれない。激しい太鼓が打ち鳴らされるイントロの後に麗しい歌声がヴァイオリンとともに舞う最後の曲を聴きながらそんなことを思った。


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母が好きな歌 [アジア/インド]

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タイフェスで買ったCDのもう一枚。パオ・パオワリーです。
パオワリー・ポンピモンという方が通り名なんでしょうか。よくわかりません。

パオちゃんのCDは似たようなジャケで2枚置いてあって1と2とあったのでなんとなく2の方を買ってきました。たぶん、ベスト・アルバムなのかなと思ってたんですが、調べてみたら違いました。
これは昨年リリースのアルバムで、タイトルは「プレーン・メー・チョープ」と読むらしく、意味は「母が好きな歌」。タイトル通り彼女のお母さんが好きな歌を集めたというわけではないでしょうが、おそらく80~90年代くらいのルークトゥンの名曲を集めたカバー・アルバムのようで2枚同時別々にリリースされたようです。まるでルークトゥン初心者の自分のために作られたみたい。

このアルバムがまた素晴らしいんですよね。
最初聴いたときはライブみたいなアゲアゲな曲が聴きたかったんだけどなぁ、なんて思ってたんですが、今ではもう毎日聴かずにはいられないほど愛聴してます。

どの曲も名曲なんだから曲がいいのは当たり前ですが、ほんと染み入るような美しいメロディがいい!ルークトゥン初心者なのでオリジナルが誰とかはわからないですが、いい!としか言えないようないい曲ばかりです。
それを歌い綴るパオちゃんの歌はタカテンのような情感の濃密さには欠けるかも知れない。欠けるというと劣っているような印象になってしまいますが、そうではなく個性の違いです。まだ彼女は20代前半だと思いますが、20代前半の女性にしか出せないような華やかな色香と清々しさがどの曲にも初夏の風のように薫っていて、もうメロメロです。こういうところはFlowerの鷲尾玲奈に通じるなと思います。
実際技術的にもとても上手い人で基礎の確かさを感じさせます。

バックのストリングスとホーン・セクションを配し、レトロにならない程度にノスタルジックな意匠を凝らした演奏も秀逸。丁寧なプロダクションがうれしくなる。南洋歌謡的なラテン風味なども感じられて旨いですねぇ。
ただただ歌うことが好きというのが伝わってくる、自意識を全く感じさせない彼女の歌は、聴き手の胸にするりと入り込み、幸せな気持ちで満たしくれる。彼女の前途は洋々です。

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こちらがVol.1。アップル・ミュージックで聴けます。1も2も30分強しかないので、一枚に収めようと思えば収められるんだろうけど、まぁそこはビジネス的にね。実際一枚に20曲も入ってるよりはこっちのほうが聴きやすくてよし。1も早くCDで入手したい。完璧にファンになりました。

ルークトゥンってVCDってのがあることからも分かるとおり、殆どの曲でMVが作られているようです。本作の曲もYoutubeにいっぱいMVがありますね。

これがわからない人はもうあっち行っててください。


こちらは軽くアップテンポ。ダンス同様、柔らかく踊るような節まわしには聴く度にうっとり。

こんなの見てるとCDだけじゃなくてVCDも欲しくなっちゃって困るんですけど!
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最盛期を迎えた歌手の充実ルークトゥン [アジア/インド]

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先日のタイフェスで買ったCDからまずはタカテン・チョンラダーを紹介しましょう。
いくつかあったCDの中で適当に選んだら運良く2015年リリースの最新作でした。でも見ての通りジャケにはタイ語表記しかないのでタイトルも読めません。

裏ジャケにAvailable on iTunesとあるので、ってことはアップル・ミュージックでも聴けるはずと思って、検索したらありました。タイフェス前日にアルファベットで検索したときは見つからなかったんですが、タイ語で検索したら見つかりました。タイ音楽はタイ語でないと検索できないのはちょっと不便だなぁ。

それはそうとこの新作、彼女が歌手として現在最盛期を迎えていることが、ひしひしと感じられる充実作に仕上がってます。これ一枚しか聴いてない奴の言うことじゃないのは百も承知ですが。
聞く所によると彼女は専属のバンドを結成して活動しているそうで、ブックレットにもバンドメンバーが写っています。ドラム・ベース・ギター・キーボードの4人に2人いる女性はたぶんダンサー?もしくはコーラスだと思います。
ジャケではしっとり美人って感じで写ってますが、先日のライブでは近所の定食屋の看板娘的?な気さくな人柄のお姉ちゃんでしたね。

ここでの彼女の歌はもう文句つけるとこなしで、ピッチのしっかりした声が押すところは押す、引くところは引くといった感じで、実力ある歌手がその実力を遺憾なく発揮した聴き応えのある歌を胸いっぱいに届けてくれます。実力といっても技巧を感じさせない全てにおいて自然なところが素晴らしいんですよ。現在タイで実力No.1と目されるのも頷けます。
全ての節一つひとつにその歌が必要とする情感が過不足なく含まれていて、聴いてる時の充足感がハンパないです。
ミディアム~スローの曲が中心ながら曲の出来も素晴らしく全く飽きさせない。アップでの快活な表情は先日のライブを思い出してしまう。ラストはゲストに男性ヴォーカルを迎えてロックっぽい曲で締めてくれます。
ほんと文句つけるところがひとつもない素晴らしいアルバムです。

冒頭の曲でいきなり胸を鷲掴みですよ。

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波間に漂う歌声の向こうに見えるもの [アジア/インド]

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年末に購入したジャミラー・アブ・バカルとフォティニ・ダーラを最近はよく聴いてます。
意識したわけじゃないんだけど、この2枚は音楽的に微妙にリンクしていて、そのことを踏まえて記事にしようと思っていたんだけど、自分の浅知恵ではまったく解き明かせない謎ばかりでいつになってもまとまりそうにないので、まとまらないままここに記します。

まずはマレーシアの歌手ジャミラー・アブ・バカルの「BAYUN TARI PANGLIMA」。
これが期待にたがわず素晴らしいんです。こういう音楽を今僕が欲しているというのが一番の理由ではあるんですが。アジア歌謡に関してはまだまだつまみ食いの域を出ない聴き手であるので、本作がムラユー歌謡と言われても、そもそもムラユー歌謡というものの定義自体分かっていない。

各種打楽器によるラテンとはまた違う波間に揺れるようなリズムにアコーディオンやヴァイオリン、フルートがひらひら舞う中を、その音と戯れるように、時にアラビックなメリスマを感じさせるジャミラー嬢の歌が蠱惑的に響いてくる。一曲ある男性歌手とのデュエットはいらなかったかな。

こういう音楽になぜアコーディオンが入ってくるのだろう。そういえば数年前にトルコのアコーディオン奏者ムアメール・ケテコグルーを聴いたときアコーディオンという括りで音楽を聴いてみたいなんて思ったものだけど。アコーディオンについてもう少し勉強してみようか。

こういう音楽を聴くと混血音楽の面白さを改めて感じますね。インド洋を渡ってくる船の積荷の中に紛れるアフリカやアラブの楽器。褐色の肌の男たちが歌う奇妙な音階の歌の数々。
マレーシアはいくつかの国の植民地なったのでそういう歴史も当然音楽に反映されいるのだろう。

ムラユー歌謡といえばうちにはサローマのCDがあったな。シティ・ヌールハリザもムラユー歌謡なのかな。アップル・ミュージックにあったので世評の高い「東方のともし火」をちょっと聴いてみたんだけど、コンテンポラリーすぎるのかなんか違う。。たぶんジャミラー・アブ・バカルを気に入っているのはアコースティックな伴奏と彼女の揺れ動くようなアラビックな節回しにあるのかもしれない。

そのアラビックな雰囲気というのがフォティニ・ダーラとも繋がってるんですよね。こんなふうに波間に漂う歌声の向こうに見えるものを想像しながら聴いているうちに、いろんな疑問が浮かんでは消える。とはいえジャミラー・アブ・バカルの歌声に何より魅了されいるのは言うべくもあらず。


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