草陰から見つめる瞳 [アジア/インド]
ベトナム人歌手タイン・レーの2012年作。これは4枚目くらいかな。日本でもそこそこ評価されてる歌手だと思います。僕は今回初めて聴きました。
パッケージが普通のプラケースなんですが、銀色のキラキラした紙に印刷されているブックレットの写真が美しいんですよ。その写真の雰囲気もあって、聴いてると控えめなその声はどこか草陰で愛する人を見つめる瞳のような。先日買ったヴィ・タオも良かったけど、歌手としてはこちらのほうが上かな。
ベトナムの民族楽器の弦らしき音も聞こえてくるけど、基本コンテンポラリーな歌謡アルバムです。40分くらいしかないので、サクッと聞けるので自然とリピートしてしまう。
冒頭、寄る辺ない心の内に忍ぶような笛の音と、切なさ染み入る弦のイントロに導かれるように、柔らかなタイン・レーの声が聴こえてくる瞬間の美しさ。けして声を張り上げることなく、絶妙にコントロールされた微弱音が耳をくすぐる。
ラストが快活なミディアム曲であるのを除けばほぼ同じような作りのスロー・バラードばかりながら、全く飽きさせない。先日エル・スールで店長が他のアルバムは難ありなニュアスンスだったんですけど、このアルバムはほんと上手さをひけらかすところもなく、ただただ控えめに秘めた想いを綴っていく様が美しい。
ひとつ難を上げれば数曲男声が聞こえてくること。デュエットいらなかったなぁ。彼女の声だけ聴いていたかった。ただそれを差し引いても傑作だと思います。
音楽に関係ないけど、ベトナム歌謡のCDはブックレットの写真がどの歌手もみんな美しくて、女性を美しく撮るカメラマンがたくさんいるのかな?
2017-02-17 22:09
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コメント(2)
ヴェトナム現代歌謡CDの、ジャケットとブックレット掲載写真のあの美しさは謎ですねえ。どれもこれも映っている女性歌手がもんのすごくチャーミングに見えるし、写真自体も素晴らしいです。
そんなわけで、僕が特に好きなレー・クエンの2014年作とヴィ・タオの2012年作は、エル・スールで同じものをもう一枚買って、そのうち一つはそのまま自室のインテリアとして壁にかけて飾ってあります。
だって、ずっといつも眺めていたいもんね。
by としま (2017-02-17 23:43)
としまさん
このタイン・レーもものすごい美人ってわけじゃないと思うんですが、彼女が一番魅力的に見えような写真なんです。
ヴィ・タオも思わず見入ってしまうジャケですからインテリアにはぴったりですね。
by Astral (2017-02-18 09:18)