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ポップ・アフリカの新たな息吹き [アフリカ]

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コンゴ出身の新人フアニータ・エウカのデビュー作「Mabanzo」がなかなか面白い。
コンゴ出身といっても、ブエノスアイレスで育ち、14歳の時にロンドンに移り住んだという。ついでにあのルンバ・コンゴレーズの王様フランコが叔父だそうで。

本作には、そのユニークな出自を物語るように、アフロ・ルーツの様々な音楽がロンドンの現行シーンの中でミックスされた作品になっていて、歌も英語やスペイン語など多国語で歌っているようです。
録音はロックダウン中の2020年の3~8月に行われています。

アフロビート・バンドのテオティマのメンバーが多く参加していますが、冒頭2曲などアフロビート調の曲も一昔前のそのまんまな感じではなくて、リズム・アレンジなど2020年代らしい工夫が施され、洗練され涼やかにさえ聞こえます。
「Nalingi Mobali Te」はルンバ・コンゴレーズをロンドンのシーンの中で雑食的にアップデートしたとも聞こえなくもない。「Motema」や「Camarades」にはチムレンガ・ミュージックのようなのりも感じますが、耳の錯覚でしょうか。ホーン・ラインにはカリビアンな風も吹きます。
プログラミングも用いてますけど、ごく控えめでほぼ生演奏ですね。

セリア・クルースからも大きく影響を受けたというラテン・テイストの曲にも耳を惹かれます。アフロ・ペルーのバンドにも参加していたというから、クリオージョ音楽的なグルーヴやキューバン・サルサなのりもある。アクースティック・ギターやストリングスをバックにした「Sueños De Libertad」などははっきりとラテンの哀歓が滲んでいます。

最近ポップ・アフリカの新たな息吹きを感じさせる音楽家がポコポコとでてきていますが、彼女もコスモポリタンな感性を持った新たなアフリカン・ミュージックを体現する存在と言えるのではないかな。
今後がさらに楽しみになる健やかなデビュー作です。
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