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西への出口 [本]

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パキスタン出身の英語作家モーシン・ハミッドの「西への出口」を読む。

中東と思われる国の恋人同士が戦闘状態に陥った街から、「扉」を抜けて西へ西へと逃げてゆく物語。まぁどこでもドアみたいな扉を抜けていくんですね。
最初はギリシャのミコノス島、次はロンドンと通り抜けてゆくんですが、通り抜けた先には難民が溢れていて、排外主義による暴力にさらされてしまう。

僕が一番面白かったのは、この小説ではスマホが重要な役割を果たすんですが、通信費を抑えるために主人公たちはストリーミングではなく違法ダウンロードで音楽を聴いたりします。
小説の中で音楽ストリーミングが登場するのを読むのは初めて、そういう時代なんだなと改めて思いました。

現代の難民の状況を映し出した興味深い小説でしたね。
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変わってしまった朴訥な僕のアメリカへ [R&B/JAZZ/etc]

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最近強烈なアルバムが多くて、せっかく買ったのに影が薄くなってたパット・メセニー「From This Place」。
そう買ったんですよ。パット・メセニーのアルバム買うのなんて2005年の「The Way Up」以来だな。もう手元にないけど。
パットはいつもクオリティの高い仕事をしますから、近作もスポティファイとかでちらっと聴いて、なかなか良いな。そのうちじっくり聴こうって感じで、結局聴かないままなんですけど、本作はちゃんと聴いて、なにかくるものがあったので買いました。

この人はミズーリ州出身で、牧歌的なメロディの曲はどこまでも続くプレーリーを想像させて、田舎育ちの朴訥なところがこの人の音楽のいいところだと思ってるんですけどね。
だからパットの名声を高めたテレビの世界自然大紀行のサントラみたいな、80年代の作品にはあまり惹かれないんですね。

今回は新しいバンドなのかな。
重要なのはオーケストラが大きく入っていること、このオーケストレーションを担当したのが、ギル・ゴールドスタインとアラン・ブロードベント。ギルはギル・エヴァンスの弟子ですよね。今ならマリア・シュナイダーの兄弟子といった方が通りがいいか。この二人のオーケストレーションが素晴らしい。もちろん演奏も素晴らしいんですけどね。

列車の走るSEもはいったドラマチックな冒頭の「America Undefined 」。どこか沈鬱というかシリアスな雰囲気漂う曲が続くが、ミシェル・ンデゲオチェロの歌声も美しいアルバムのタイトル曲「From This Place」を聴けばその理由ははっきりする。
本作は現在のアメリカ、トランプのアメリカに対する異議申し立てなのだ。
田舎育ちのパットにしてみれば、変わってしまった朴訥な僕のアメリカへの沈鬱なメッセージなのだろう。

とはいえ、先日のモーゼス・ボイドに比べれば圧倒的に耳障りの良い音楽なので、流し聴きもできるで重宝してしまう。これ聴いてて正直なところパットのギターがどうとか全然考えない。しっかりと構成されたクラシックを聴くのと同じような感じ。77分もあるのも映画を見てるような気分で楽しめる。
最後のロマンティックな「Love May Take Awhile」はエンディングロールのよう。技術のある人達がその技術を存分に発揮した傑作です。
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Toxicについて [ひとりごと]

ジェネイ・アイコと共に最近の私のお気に入りケラーニの新曲「Toxic」。
こういう曲聴いて良いねぇなんて思うってことは俺も相当トラップに浸かってきたってことかしら。

タイトルどおり有毒なR&Bですね。

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Slow Downについて [ひとりごと]

昨年末にリリースされていたスキップ・マーリーとH.E.Rのシングル「Slow Down」。
聞き逃してました。

最近レゲエのプチ・ブームでもある私にはドンピシャ。
ベース・ラインのグルーヴに自然と体が揺れる。良いね。

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グライムとジャズは同じ夜に鳴り響く [R&B/JAZZ/etc]

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最近一番のヘビロテ盤はこれかな。
UKジャズ・ドラマー、モーゼス・ボイド「Dark Mater」。

邦盤の惹き句「グライムとジャズは同じ夜に鳴り響く」。
そそるよね。実際これが良い得て妙。上手いこと言うなぁと思いました。っていうかそれに惹かれて聴いたんですけど、これがかっこいいのなんのって。

実は前作はちゃんと聴いてなかったんですよ。
ちょこっと聴いてうんカッコいいな。あとでじっくり聴こうと思ってそのまま。こういうの多いんですけどね。多分、新しめのアフロ・ジャズって印象だったんでしょう。
ようやく聴いてみればすごく良いんですけど、ちょこっと聴いた新しめのアフロ・ジャズってのも、その通りでどうしても今聴かなきゃとは思わなかったのかもしれない。

でも今回は違う。
昨年一番かっこいい音楽はKutimangoes「AFROTROPISM 」でしたけど、今年はこれでキマリ。
これはもう今聴かなきゃ。聴かずにいられない音楽です。

トニー・アレンのアフロ・ビートがグライムをはじめとするUKクラブ・ミュージックを通過・変異したボイドのドラミングと、多くの曲で鳴り響くテオン・クロスのチューバによる地響きのようなベース・ラインがトラップ時代のUKジャズをグルーヴさせる。
もうオープニングの「Stranger Than Fiction」からゴリゴリと新時代のジャズを切り開いてます。

独自解釈したアフロビートの中でチューバがうねりギターが不穏に響き渡る「BTB」や、続く漆黒の闇夜を疾走するような「Y.O.Y.O」も良いけど、UKらしいグライムなどのうねりが感じられるヴォーカル入りの「Shades Of You」のようなダンサブルな曲により惹かれます。

後半に行くにしたがってプログラミングと生ドラムの融合度が上がる。
だみ声ヴォーカルが聴き手を威嚇するような「Dancing in the Dark」、ジョー・アーモン・ジョーンズのクールなピアノが闇夜を照らす「2 Far Gone」。
白眉は字義どおりグライムとジャズは同じ夜に鳴り響く「Nommos Descent」。
ラストはフルートが何事かを告げるコズミック・ジャズ「What Now?」。
一分も耳を話す隙間なし。リピートが止まりません。
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蜜蜂と遠雷 [映画]

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若手の登竜門のピアノコンクールに人生を掛けて挑んだ4人の天才の戦いと成長を描く。果たして音楽の神様に愛されるのは誰なのか?

石川慶監督:蜜蜂と遠雷
原作は直木賞受賞作ながら未読。小説や映画で音楽家や音楽が主題になるとどうしてこうもステレオ・タイプになってしまうんだろう。音楽や演奏することをやたらと神秘的な行為にしたがるよね。登場人物もステレオタイプの嵐で、「世界は音楽であふれている」なんてセリフをよくまぁ言わせるよね。見てて気恥ずかしくなる場面多々。映画としては凡作ながら音楽は藤倉大作曲の曲などとても素晴らしく、ピアノ協奏曲でも今夜は聴くか。
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ディランが中止になったので [ポップ/ロック]

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あぁーもう。ディランが中止になっちゃったよ。
心配してたんだけど、4月だからなんとかいけるのかなぁと思ってたんだけど、全然事態が収束しないんだもんな。仕方ないけど。
ディランだけじゃなくもうしばらくは来日ライブとかは無理だろうな。
来ても本国に帰ったあとに自宅待機みたいになっちゃうみたいだから。

もうほんとうんざりですよ。みんなそうでしょうけど。
スーパーいってもマスクもトイレットペーパーも売ってないし。
最初はコロナっていうのが中国ではやってるらしいよくらいだったのにね。
あの頃はみんなあまく見てたもんね。オリンピックもあるのに大丈夫なんだろうか。
と愚痴っててもしょうがない。


最近ディランを聴くときはこの「Triplicate」を聴いてます。
2017年リリースですけど、昨年暮れにようやく購入しました。中古で安く見つけたので。でも届いたのはなぜか新品でした。
ディラン・ファンの多くはもうシナトラはいいよーかんべんしてくれって感じで総じて評判が悪いですねこのアルバム。まぁディラン・ファンはみんなオリジナル曲を聴きたいんでしょうね。

僕はこのアルバム大好き。
だったらリリース直後に買えって話ですけどね。
僕は長年のディラン・ファンではありますけど、もう60-70年代の名盤とかまったく聴かない珍しいやつなんで、歌詞もろくに気にしないので、スタンダードが好きで、ディランのゲロゲーロなこの声が好きで、この鍵盤なしのバンド・サウンドが好きなので、そりゃもう大好きに決まってますよ。

曲は良い曲ばっかりだし、こういうスタンダードをこういうバンド・スタイルで演奏するってやっぱり得難いし、ディランはどの曲もとっても丁寧に歌ってるし、良いアルバムだなぁ。
今だったらこれをディランのマイ・フェイバリット・ナンバー・ワンに選んじゃうな。
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ブランディばっかり見ちゃう [ひとりごと]

そんなわけでプチ90’sR&Bブーム真っ只中。
購入した新譜のレヴューもそっちのけで、Youtubeでそっち関係の動画ばっかり見ちゃう。
なんたってブランディ。
ブランディばっかり見ちゃうんですよ。
デビュー当時の彼女はなんだかかわいくってね。
ジャケの写真とか見て、今まで特別かわいいと思ったことなかったんだけど、動画を見ると当時はティーン・アイドルだったってことが如実にわかるキュートさなんですね。

ブランディといえばモニカとのデュエット曲「The Boy is Mine」ですけど、当時は断然僕はモニカ派でしたね。

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Today's choice 2020.03.12 [Today's choice]

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プチ90’sR&Bブームなので、今夜はブラウンストーンのデビュー作「From The Bottom Up」を聴いてます。この頃はこういう三人組がいっぱいいたなぁ。
僕は遅れてきた90’sR&Bファンですけど、同時代を通り抜けてきたので、傍らでこういう音楽が鳴っていた記憶はあります。

昨日のブランディもこのブラウンストーンやSWVとか、二束三文のように売り飛ばされてるのを、ポツポツと仕入れてきて楽しんでいます。
ゴスペル・フィーリング溢れるリードと頭一つ抜けたコーラス・ワークの織りなすめくるめく歌世界を堪能。こんな良い曲ばっかり並んでいいのかしらと思ってしまう本格派の鉄壁のデビュー作です。
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Sittin' Up In My Roomについて [ひとりごと]

先日のラジオのせいでYoutubeで90’sR&Bの動画ばっかり見ちゃうな。
ベイビーフィエス作のブランディ「Sittin' Up In My Room」。
ベース・ラインがもうグルーヴィですねぇ。良い曲だなぁ。


ほんとはTVライブのこっちを張り付けたかったんだけど、できなかったので。
https://www.youtube.com/watch?v=R020P378KcQ
この頃はファッション・リーダーだもんな。
帽子もよく似合って、ブランディかわいい!

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