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グライムとジャズは同じ夜に鳴り響く [R&B/JAZZ/etc]

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最近一番のヘビロテ盤はこれかな。
UKジャズ・ドラマー、モーゼス・ボイド「Dark Mater」。

邦盤の惹き句「グライムとジャズは同じ夜に鳴り響く」。
そそるよね。実際これが良い得て妙。上手いこと言うなぁと思いました。っていうかそれに惹かれて聴いたんですけど、これがかっこいいのなんのって。

実は前作はちゃんと聴いてなかったんですよ。
ちょこっと聴いてうんカッコいいな。あとでじっくり聴こうと思ってそのまま。こういうの多いんですけどね。多分、新しめのアフロ・ジャズって印象だったんでしょう。
ようやく聴いてみればすごく良いんですけど、ちょこっと聴いた新しめのアフロ・ジャズってのも、その通りでどうしても今聴かなきゃとは思わなかったのかもしれない。

でも今回は違う。
昨年一番かっこいい音楽はKutimangoes「AFROTROPISM 」でしたけど、今年はこれでキマリ。
これはもう今聴かなきゃ。聴かずにいられない音楽です。

トニー・アレンのアフロ・ビートがグライムをはじめとするUKクラブ・ミュージックを通過・変異したボイドのドラミングと、多くの曲で鳴り響くテオン・クロスのチューバによる地響きのようなベース・ラインがトラップ時代のUKジャズをグルーヴさせる。
もうオープニングの「Stranger Than Fiction」からゴリゴリと新時代のジャズを切り開いてます。

独自解釈したアフロビートの中でチューバがうねりギターが不穏に響き渡る「BTB」や、続く漆黒の闇夜を疾走するような「Y.O.Y.O」も良いけど、UKらしいグライムなどのうねりが感じられるヴォーカル入りの「Shades Of You」のようなダンサブルな曲により惹かれます。

後半に行くにしたがってプログラミングと生ドラムの融合度が上がる。
だみ声ヴォーカルが聴き手を威嚇するような「Dancing in the Dark」、ジョー・アーモン・ジョーンズのクールなピアノが闇夜を照らす「2 Far Gone」。
白眉は字義どおりグライムとジャズは同じ夜に鳴り響く「Nommos Descent」。
ラストはフルートが何事かを告げるコズミック・ジャズ「What Now?」。
一分も耳を話す隙間なし。リピートが止まりません。
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