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R&Bのネクスト・レベル [R&B/JAZZ/etc]

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グラミー賞に加えアカデミー賞まで受賞して、いまやR&Bの中心にいるといっても過言でないH.E.R.の新作「Back of My Mind」がリリースされました。
これは一応彼女のデビュー・アルバムということらしいです。これまでリリースした3つの作品、最初の2つは併せてCDでも出ましたが、それらはコンピレーションという扱いだそうで。

タイ・ダラー・サイン、クリス・ブラウン、ブライソン・ティラーなどの参加もあるが、思ったよりも客演は少ないですね。深く響くベース音は確かにトラップの時代を映しているけれども、殊更に新しい意匠は感じられない。

サンダーキャットがベースを弾く「Bloody Waters」はマーヴィン・ゲイの「Inner City Blues」へのオマージュだろうか。そう思うと歌詞が気になってくる。「Hold On」からはディアンジェロの「Untitled (How Does It Feel)」が聴こえてくる。

ニュー・ソウルからそのエッセンスだけを抽出し、90年代R&Bのグルーヴが遠く木霊するR&Bのネクスト・レベル。すでに2020年代のスタンダードの趣さえも感じられます。
昨年からリリースして来たシングルも収録されてますが、グラミー受賞曲「I Can't Breathe」は収録されてませんね。BLM的な色が濃くなるのを避けたんでしょうか。

21曲入り80分近い2020年代らしからぬ大作ですが、最後まで耳を澄ますように聴いてしまうのは、淡々としていながらも深い憂いを諦観へと紛らせない歌声のおかげ。彼女の名前H.E.R.=Having Everything Revealedのとおり全てを明らかにするためには憂いに沈んでいるわけにはいかないのでしょう。
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アイボリーについて [ひとりごと]

スキャンダルの新曲「アイボリー」が素晴らしく良い。
めずらしくギターのマミが歌ってます。
かつてマミが歌った「声」、あれは2012年のきょくでしたが、同じ主人公の9年後といったニュアンスが感じられる等身大な歌です。
ミディアムテンポの淡々とした曲で、取り立てて盛り上がりもないんですが、ニュアンス豊かなふくらみのある演奏が素晴らしい。職人気質なリナのドラムが殊に良い。
前回リリースの曲も良かったけど、成熟したバンドになったなぁと思います。
気持ちが離れていたけど、次のアルバムに期待が高まります。

ナチュラルメイクなメンバーの姿が綺麗ですね。
考えてみれば一番年下のリナでさえ今年で30歳だもんなぁ。

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Today's choice 2021.06.16 [Today's choice]

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今日はルシンダ・ウィリアムスの「Essence」を。
昨年のアルバムで遂に見限ってしまったルシンダですが、結局のところ僕にとっては、これとひとつ前の「Car Wheels on a Gravel Road」があればいいんです。

前作と打って変わって俳句のような歌詞のシンプルこの上ない曲ばかりですが、すごみのある歌に圧倒されますね。
ジム・ケルトナーにトニー・ガーニエ、デヴィッド・マンスフィールドなど職人気質が揃ってますが、ルシンダと共にプロデュースを担当するのがチャーリー・セクストンなんですよ。他にチャーリーが試作した作品を知りませんが、ループを隠し味に使ったりして良い仕事してます。名盤です。
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Are You That Somebody? について [ひとりごと]

昨夜ラジオで聴いたアリーヤの「Are You That Somebody? 」。
恥ずかしながら、初めて聴きました。サントラ収録の曲だから。と言っても結構なヒット曲なんですけど、98年頃はR&Bほとんど聴いてなかったからね。

こういうアヴァン・ファンク?好みです。カッコいい。

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Today's choice 2021.06.14 [Today's choice]

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今日はひさしぶりにマイルズを。
60年代の所謂新主流派時代では「E.S.P.」がフェイバリットです。
「ネフェルティティ」あたりになると緊張感が漲りすぎてて、気軽に聴けない感じがあるんですよ。その点、「E.S.P.」だとまだ緩いところもあって、気軽に聴けるんで。
ショーター作のタイトル曲にといい、続くロン・カーターと共作の「81」といい、メンバーによる曲もキャッチーで粒ぞろいですよね。
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Today's choice 2021.03.13 [Today's choice]

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今日はソウル・サヴァイヴァーズを。
フィラデルフィアでTSOPと契約し、新たなメンツで録音した3枚目にラスト。
ギャンブル&ハフのプロデュースによる完璧なふぃりー・ソウル盤。全然売れなかったみたいだけど。
ブルーアイド・ソウルと言って僕が思い出すのは何といってもラスカルズとこのソウル・サヴァイヴァーズですね。
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まともじゃないのは君も一緒 [映画]

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数学一筋の予備校講師・大野に、恋愛を知ったかぶる高校生の香住が「女性との付き合い方」を教えることに!?世の中の"普通"に馴染めない二人の物語。

前田弘二監督:まともじゃないのは君も一緒
とりたててどうと言うストーリーでもないけど、ツボを押さえた脚本演出に実力派が顔をそろえた役者陣がピタリとはまり気持ちよく笑えた。休日を気分よく過ごしたい方におすすめです。
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Today's choice 2021.06.10 [Today's choice]

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梅雨もいやですけど、6月なのにこうも暑いと早く雨降らないかなぁと思ってしまう。
熱いのでレゲエを。
「ロッカーズ」のサントラはうちにあるレゲエとしては一番の古株。レゲエはそれほど入れ込まなかったとはいえ、これはよく聴いた。
でも改めてライナーやメンツを眺めてみれば、やはり錚々たる顔ぶれですね。どの曲もしっかり耳にこびりついてるけれども、たぶんどの曲が誰だとかあまり気にしないでずっと聴いてきたんでしょうな。
ピーター・トッシュカッコいいな。
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シブヤノオト Presents KID FRESINO [ひとりごと]

先週末の土曜日夜11頃に何気にテレビをつけてNHKを見てたら突然、KID FRESINOのライブが始まってびっくり。シブヤノオトという番組で、ほんとにライブ、生放送だったんですよ。

バックは1月のライブ同様のメンツで最高にカッコよくて改めて痺れましたね。
冒頭の渋谷を歩きながらの映像、CGですけど、ほんとに歩いてるみたいで、ゲストもカネコアヤノとのギター弾き語りでのラップも面白かったですが、長谷川白紙との共演は白紙はシルエットだけという演出で、映像的にもとてもクオリティの高いもので、NHKやるなぁ。

松たか子と共演したのもびっくりでしたが、NHKでライブとはブレイクしちゃったなぁ。
その松たか子との曲はラップ・パートを変えたヴァージョンもリリースされてて、こういうのは日本で初めてじゃないかな。

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デューリー主演舞台ネタの佳作 [イアン・デューリー]

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イアン・デューリーを最初に聴いたのは「ニュー・ブーツ・アンド・パンティーズ」だったけど、リアルタイムで出会った新作はこの89年の「アップルズ」でした。
ライナーを読むと、本作が日本でリリースされた頃に2度目の来日があったようだ。ミュージックマガジンにレビューが載っていたのを覚えてる。
新作を買うようなファンではあったけど、まだライブを行くほどじゃなかったんですよね。

本作はデューリー自身が主演の舞台用に制作された曲を集めたものらしい。そんなこと知らなくてもアルバムとしてまとまりのある作品集として楽しめる。舞台の評判は芳しいものではなかったみたいだけど。

冒頭のタイトル曲はチャズ・ジャンケルも曲作りに加わったカリブの風がロンドンの街角に吹く佳曲。舞台のサントラなので、らしくない女性ヴォーカルとのデュエットや、スティッフ時代のレーベルメイトのレックレス・エリックが歌う曲があったりもする。

バックはブロックヘッズからはミッキー・ギャラガーとデイヴィ・ペインが参加。他も80年代のアルバムに参加しているリズ・ジョーンズやマイケル・マカヴォイやスティーヴ・ホワイトら。

80年代は舞台をはじめ俳優としての活動の方が活発だったからか、ミュージシャンとしての現役感の希薄さがアルバムとして求心力を奪ってしまっているのが残念。
でもフリー・ジャズ~ファンク~ヴォードビル~ロックが交錯するラスト2曲「All Those Who Say Okay」「Riding The Outskirts Of Fantasy」は他では得難いデューリーならではの妙味が堪能できて聴きものです。
停滞していた80年代のデューリーですが、このアルバムをきっかけとして90年代は活力を取り戻していくわけです。
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