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日々の子どもたち: あるいは366篇の世界史 [本]

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ようやく図書館も再開して、本が借りられるようになった。
とはいえ、休館する前に予約してあった本が借りられるようになっただけなんだけど。

ウルグアイの作家エドゥアルド・ガレアーノの「日々の子どもたち: あるいは366篇の世界史」を読む。
うるう年も含めて1年間366日。今日はこんなことがあった日という小説。
主に人類の歴史上の戦争や差別における非道、広告業界などの虚飾などについて言及されている。
たまに良いことも取り上げられていはいるけど。

このブログらしく音楽に関する記述のある1日を引用してみよう。

二月三日 カーニバルは翼を広げる

一八九九年、リオデジャネイロの街路では、当地のカーニバルの歴史を創った音楽で人々は踊り狂っていた。
その日の音楽は「ウ・アプリ・アーラス(翼を広げる」と呼ばれるマシッシで、サロンの厳格な社交ダンスをあざ笑って発明されたブラジル音楽だった。
作者はシキーニャ・ゴンザーガといい、彼女は小さい頃から作曲をしていた。
十六歳で両親に結婚を強要され、カシーアス公爵が結婚立会人だった。
二十歳のとき、夫に家庭か音楽のどちらかを捨てるように言われた。
「音楽のない人生なんて理解できない」彼女はこう言って家を出た。
すると彼女の父は、一族の名誉が汚されたと宣言し、シキーニャが黒人だった祖母からその破滅気質を受け継いだのだと非難した。そしてシキーニャを死んだものとみなし、家では道を踏み外した彼女の名前を口にするのを禁じた。
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