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アコーディオン弾きの息子 [本]

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1999年、カリフォルニアで死んだ男が書き残した「アコーディオン弾きの息子」という回想録。親友である作家は、バスク語で書かれたこの手記を元に、彼ら二人の物語を紡ぎはじめる。死んだ幼なじみが、家族にも読めない言葉で綴り、向きあおうとした過去とは何だったのか。故郷の美しい自然、朴訥で生気あふれる人びと、名士として知られた幼なじみの父のもう一つの顔…。スペイン内戦とフランコ独裁、そしてテロの時代へ。暴力の歴史にさらされた若者たちの震える魂、痛ましい記憶を力強く繊細に描きだす。多彩な人物が躍動する、バスク語現代文学の頂点。

今日は今年最初に読んだ本、スペインのバスク人作家、ベルナルド・アチャガ「アコーディオン弾きの息子」のことでも。
正月休みに読もうと思ってたのが、正月はのんびりしすぎて本など読まず、この1週間くらいで読みました。翻訳は昨年ですが、原書は2003年とのこと。その原書はバスク語で書かれている。

スペインのバスクというのは、ものすごくおおざっぱに言えば日本でいえばアイヌとか。
まぁ細かい説明は抜きにしましょう。

とにかく傑作でした。
主人公がスペイン内戦やバスクの抵抗運動やテロの時代をどのように生き抜き、自分の言葉=バスク語を失って生きていかざるを得なかったか。主人公の残した手記を元に語られる人生が、それが鮮やかに反転する後半には胸を突かれた。
母語を失うということはどういうことか上手く想像できないけれど。
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