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パワー・オブ・ザ・ドッグ [映画]

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1920年代のモンタナ。大牧場主バーバンク兄弟と彼らを取り巻く人々の残酷かつ濃厚な人間関係を描き出す。

ジェーン・カンピオン監督:パワー・オブ・ザ・ドッグ
いかにもアメリカ文学的な映画だったな。マッチョな男性性に縛られる男を演じるベネディクト・カンバーバッチが強烈。あちこちのシーンにメタファーが潜んでいて、映画好きが好きそうな作品で、アカデミー賞候補の筆頭にあがるというのも頷ける。昨夜モンロー・ブラザーズを聴いたので、アメリカの原風景ともいうべき雄大な風景も印象的な秀作でした。
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クレッシェンド [映画]

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紛争中のパレスチナ、イスラエルの間で結成された若者たちのオーケストラを描く音楽映画。実在するユダヤとアラブの混合管弦楽団に着想を得ながら、相対する民族集団の共存を描く。

ドロール・ザハヴィ監督:クレッシェンド
今もまだ解決にはほど遠い争いだけに、安易な答えを用意はしないが、希望を垣間見せるラストに誠実さを感じさせる秀作。

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Our Friend / アワー・フレンド [映画]

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妻ニコルの余命宣告を受けて生活が一変してしまう夫マット。そこにかつて夫婦に心救われた親友デインがやって来る―。切なくも温かい真実の物語。

ガブリエラ・カウパースウェイト監督:Our Friend / アワー・フレンド
これまでにも沢山あったようなストーリーだけれど、小さな出来事を丁寧に描くことにより登場人物の感情の揺らめきを丁寧に掬い上げる。病気の当人より周りの人達を主眼においた作品だけに、辛いシーンが少ない分、見てるこちらもあまり辛くならずにすむ。必要とされることの救い、「自分が思うほど一人じゃない」という登場人物の言葉が静かに胸に響く。寒い冬の日にほっこり心温まる作品でした。
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最後の決闘裁判 [映画]

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中世フランス。騎士の妻が夫の旧友に乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張。真実の行方は"決闘裁判"に委ねられる―。実話に基づく歴史ドラマ大作。

リドリー・スコット監督:最後の決闘裁判
黒澤明の「羅生門」をヒントにしたらしき映画。重厚壮大な演出と舞台劇のような大仰な演技。音響も迫力満点ながら、このて映画を久しぶりに見たせいか、かなり辟易としてしまった。妻、夫、旧友それぞれの視点で描いても事実にそれほど差はないので2時間半は冗長。「羅生門」には遠く及ばない凡作。
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キネマの神様 [映画]

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原田マハの同名小説を山田洋次監督が映画化。"映画の神様"を信じ続けた元映画監督志望の男の人生と共に紡がれる愛と友情、そして、家族の物語。

山田洋次監督:キネマの神様
原作が好きだったので、映画化されると知って喜んでいたんだけど、ストーリーが全く違うものになっていることを知ってがっかり。確かに映像にするとあまり面白くない映画評論合戦みたいな内容ではあったけど。志村けんが主演と決まっていたのに叶わず友人だったという沢田研二が代わりに。でもこれはこれで映画への感謝のこもったオマージュで良かった。徹頭徹尾わかりやすいこれぞ大衆映画。正月に見えるには最適でした。今まで一度も良いと思ったことのない北川景子が光っていました。

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ブータン 山の教室 [映画]

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ヒマラヤ山脈、標高4,800mにある秘境ルナナ村に響くブータンの民謡。都会から来た若い先生と、村人たちと子供たちの心の交流を描いた感動作。

パオ・チョニン・ドルジ監督:ブータン 山の教室
まるでブータンを旅しているような気分になる。首都ティンプーの街並みからして興味津々でした。
ブータンといえば国民の幸福度が最も高い国として知られている。でもこの映画を見れば、若者の集うクラブみたいなところもあるし、スマホをいじる若者など日本と変わらないところもある。ブータン・ロックも流れるし。

それにしても物語の中心になる人口56人!というルナナの人たちの素朴すぎる佇まいよ。子供たちの無垢な表情よ。本作の出演者の多くは実際にルナナに暮らす人達だそうで、特に上のチラシにもうつるペン・ザムの表情には胸を鷲掴みにされてしまう。
教室で、将来の夢を聞かれて「歌手になりたい」といって、披露する歌がまた愛らしい。あれはブータン・ポップスなんだろうか。映画のテーマ曲の様に村人に歌われる「ヤクに捧げる歌」なんかは日本の民謡によく似た節回しも感じられた。

ストーリーはよくあると言えば、そう言えるものだけど、ペン・ザムの両親が映画と同じく父はアル中、母は遠くに暮らし、祖母に育てられているという境遇や貧困や教育の問題。冬には出て行ってしまう主人公に、村長の「この国は世界で一番幸せな国と言われているそうです。それなのに、先生のような国の未来を担う人が幸せを求めて外国に行くんですね」という言葉など、けして素朴なヒューマニズムだけの映画になっていない。ラストもハッピーエンドではない苦みがあるし。

それにしても風景やルナナの人達の顔を見てるだけで心洗われる。
心洗われるという言葉がこれほど似合う作品もない。感激しました。傑作です。
僕にとってはちょっと特別な映画になったかもしれない。
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明日に向かって笑え! [映画]

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2001年のアルゼンチンを舞台に、金融危機で夢も財産も奪われた小さな町の人々の奇想天外な復讐計画を描く痛快ヒューマンドラマ。

エドゥアルド・サチェリ監督:明日に向かって笑え!
アルゼンチン映画は同監督の『瞳の奥の秘密』以来かなと思ってたら、主演も同じリカルド・ダリンだった。今回はコロナ禍の鬱屈した状況で見るにはうってつけのコメディタッチの楽しい映画で爽快。劇中流れるアルゼンチン・ロックに思わず耳をそばだてつつ、庶民の一発逆転劇に楽しく笑いました。
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空白 [映画]

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万引き未遂で逃走中に事故死した少女の父は、追いかけた店長を追い詰めていくが…。吉田恵輔監督最新作。人間の業を炙り出すヒューマンサスペンス。

吉田恵輔監督:空白
数か月ぶりの映画館で見る映画。なのにこんなヘヴィな作品。もっと明るく晴れ晴れとしたものが良かったんだけど。まぁこれがやってたんだから仕方なし。
でも悪い映画じゃないだろうとは思っていたけど、とても良い作品でした。思った以上に見た後に、すっきりと晴れ晴れとした気分になれた。良い映画はたとえ題材が重苦しいものだったとしても、前向きな気分にしてくれます。古田新太って良い俳優だなと初めて思いました。寺島しのぶは流石。秀作です。
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騙し絵の牙 [映画]

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出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く。

吉田大八監督:騙し絵の牙
主人公、大泉洋を「あてがき」した作品だけにハマっていたけど、いかにもという感じが既視感ありありすぎたような気も。タイトル通り騙されるには、もう一捻り欲しかったけど、熱すぎる夏の午後を逃れて見るには最適の気楽なエンターテインメント作品でした。
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アンモナイトの目覚め [映画]

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19世紀イギリス。古生物学者のメアリーは、奔放なシャーロットと出会いー。化石を通じて心の痛みと恍惚を繊細に描き上げる愛の物語。

フランシス・リー監督:アンモナイトの目覚め
全然期待してなかったけど、予想外に良い映画でした。主演の二人ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが素晴らしかった。この監督には要注目。エンディングロールで流れたピアノ曲が美しく印象に残った。クララ・シューマンの曲みたいなんだけど、気になっている。秀作。
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