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ブータン 山の教室 [映画]

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ヒマラヤ山脈、標高4,800mにある秘境ルナナ村に響くブータンの民謡。都会から来た若い先生と、村人たちと子供たちの心の交流を描いた感動作。

パオ・チョニン・ドルジ監督:ブータン 山の教室
まるでブータンを旅しているような気分になる。首都ティンプーの街並みからして興味津々でした。
ブータンといえば国民の幸福度が最も高い国として知られている。でもこの映画を見れば、若者の集うクラブみたいなところもあるし、スマホをいじる若者など日本と変わらないところもある。ブータン・ロックも流れるし。

それにしても物語の中心になる人口56人!というルナナの人たちの素朴すぎる佇まいよ。子供たちの無垢な表情よ。本作の出演者の多くは実際にルナナに暮らす人達だそうで、特に上のチラシにもうつるペン・ザムの表情には胸を鷲掴みにされてしまう。
教室で、将来の夢を聞かれて「歌手になりたい」といって、披露する歌がまた愛らしい。あれはブータン・ポップスなんだろうか。映画のテーマ曲の様に村人に歌われる「ヤクに捧げる歌」なんかは日本の民謡によく似た節回しも感じられた。

ストーリーはよくあると言えば、そう言えるものだけど、ペン・ザムの両親が映画と同じく父はアル中、母は遠くに暮らし、祖母に育てられているという境遇や貧困や教育の問題。冬には出て行ってしまう主人公に、村長の「この国は世界で一番幸せな国と言われているそうです。それなのに、先生のような国の未来を担う人が幸せを求めて外国に行くんですね」という言葉など、けして素朴なヒューマニズムだけの映画になっていない。ラストもハッピーエンドではない苦みがあるし。

それにしても風景やルナナの人達の顔を見てるだけで心洗われる。
心洗われるという言葉がこれほど似合う作品もない。感激しました。傑作です。
僕にとってはちょっと特別な映画になったかもしれない。
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