はい、泳げません [映画]
ベイビー・ブローカー [映画]
カモン カモン [映画]
ベルファスト [映画]
1969年、北アイルランド、ベルファスト。少年バディの日常は、突然の暴動で一変。激動の時代でもユーモアを忘れず生きる家族、そして故郷を描き出す。
ケネス・ブラナー監督:ベルファスト
冒頭サザン・ソウルのような曲が流れだして、うん?と思ったら、ヴァン・モリソンの歌声が。そうだ主題歌歌ってたんだ。北アイルランド紛争についての映画というより、監督自身の少年時代へのオマージュといった感じだろうか。映画全編ヴァンの曲がこれでもかと使われていて、ちょっと使いすぎじゃないとも思ったけど、エンディングロールで、「And The Healing Has Begun」が流れ出すと、最後にこの曲を使うなんて、監督分かってんじゃん。ちょっと目頭が熱くなった。アイルランド訛りの英語がたまらなく愛おしい佳作。思わず帰りにパンフレット買っちゃったよ。
英雄の証明 [映画]
ブルー・バイユー [映画]
韓国に生まれアメリカで養子となったアントニオ。現在は結婚し、家族と暮らす彼に昔の書類不備で国外追放命令が…。法律の壁に翻弄される家族の物語。
ジャスティン・チョン監督:ブルー・バイユー
良い映画というのは思いがけないところに転がっているもの。たいして期待しないで見に行ったら素晴らしかった。俳優がほとんど無名な人ばっかりなせいもあり、リアリティが半端ない。バイクを窃盗する連中なんかほんとにその筋の人たちなのかなと思ってしまう。この監督は要チェックだなと思ったら主演の男性だった。この人すごいな。ニューオリンズが舞台なので、あぁこんな感じなんだと。ベトナム人コミュニティが垣間見えたのも良かった。生ぬるい希望などまったく見せない苦いラストもすごい。ホーム・パーティで「ブルー・バイユー」が歌われるシーンの美しさと言ったら。傑作です。
コーダ あいのうた [映画]
家族の中で唯一聴者のルビー。"通訳"となり家業の漁業を手伝う彼女は高校の合唱クラブで歌の才能を見出され…。一歩を踏み出す勇気が感動を呼ぶ物語。
シアン・へダー監督:コーダ あいのうた
あまりにベタなストーリーにびっくり。どう考えてもこれより「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の方がアカデミー賞に相応しいだろ。コロナ禍だからこういう感動ストーリーが好まれたのかな。それにしても、ユーモアにしても客席からは笑いが起こっていたけど、僕は全く笑えなかった。別に悪い作品じゃないけど、まったくどうってことのない凡作。唯一主人公が舞台で歌い、観客が感動しているところでまったくの無音になり、耳の聞こえない家族だけがそこから取り残されているというシーンは印象に残りました。
マイ・ニューヨーク・ダイアリー [映画]
1990年代のニューヨーク。作家志望のジョアンナは、出版エージェンシーで編集アシスタントとして働き始める。上司マーガレットのもと、彼女は人気作家であるJ・D・サリンジャー宛てのファンレターの処理に追われる。手紙を読むうちに、ジョアンナは定型文を送り返すことに気が引けるようになり、個人的に手紙を返信し始める。
フィリップ・ファラルドー監督:マイ・ニューヨーク・ダイアリー
何の期待もしないで見に行ったら、驚くほど良い映画でした。サリンジャーの作品をネタに作家と作品と読者の関係を感性豊かに描いて、ストーリーの流れとは別の豊かさを獲得していた様に思う。シガニー・ウィーバーが流石の深みで素晴らしかった。地味ながら見てよかったと思える秀作です。