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父の未発表曲をアップデート [R&B/JAZZ/etc]

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こーれはカッコいいなぁ。
ブラジルのコンテンポラリー・ジャズ・グループ、ルデーリの新作「Baden Inédito」はピアノのフィリップ・バーデン・パウエルの父バーデン・パウエルの未発表曲集。

バーデン・パウエルって僕は随分前に「アフロサンバ」を聴いたことがある程度。それもあれを聴いてどこがアフロなのかさっぱりピンとこなかったわけで。今聴けばまた違うかもしれないけど。

トランペットをフロントにしたカルテット編成。このグループはブラジル的なものを売りにしてないコンテンポラリー・ジャズ・グループと聞いてます。ちらっと前作、前々作も試聴しましたが、確かにそうでした。でも本作はブラジル的なものをかなり全面に押し出してるようです。まぁ取り上げている曲が曲だから当たり前か。

冒頭曲ではいかにもブラジルの女性ヴォーカルらしい歌が聴こえ、2曲目のタイトルはズバリ「Afrosambagroove」。どの曲もバーデン・パウエルの残した曲を、2020年代の音楽としてアップデートし最良な形で聴かせることだけに心を砕いたのか、無駄なインプロヴィゼーションなどなく、すっきりとまとめられている。とはいえハイブリッドさをまったく感じさせない洗練度は恐ろしいほど。
特に耳をひくのが現代ジャズらしいセンスと豊かなブラジル音楽の要素をつづれ織りしたようなダニエル・ヂ・パウラのドラム・プレイ。ブラジリアン・ブルージーな「Baden Blues」でのプレイをはじめ素晴らしいです。

アルバム・ラストはガブリエル・グロッシのハーモニカ・プレイモあざやかな「Choro para Estudo」で閉じられる。全9曲40分に満たない尺といい、声高に主張しない傑作です。


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