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ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった [映画]

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ザ・バンドは大好きですから、この映画も見に行こうと思ってたんですが、公開されてもあまり気分が盛り上がらず。そもそもこういう内幕ものドキュメントってあまり興味がない。ライブ映画ならまだしも。

でもちょうど今日はぽっかり時間ができたし、他に見たい映画もないし、ってことで行ってきました。
まぁ昨年のロビーの自伝もぱらぱらっと読んだし、知ってることをおさらいしてる感じでしたね。見たことないライブ映像や写真を見れたのはよかったな。

この映画の僕の感想はロビー・ロバートソンさすがだなぁと思いましたね。さすが策士。上手いことやったな。

というのもザ・バンドってそもそもが上手く演出されていたいというか。
「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」とか言ってビッグ・ピンクで録音したわけじゃないし、あの南北戦争の時代から抜け出してきたようなファッションとかも演出に一役買ってましたよね。

ドラッグでおかしくなってきて、セールスも落ちてきたバンドの最後を音楽的な兄弟たちであるミュージシャンを集めて最後のコンサート「ラスト・ワルツ」を催し、ライブをやるだけじゃなくそれを映画にまでした。監督はマーティン・スコセッシだもん。その中で自身らがバンドの物語を語って。上手いこと伝説のバンドに仕立て上げた。もちろんあの映画ではドラッグやメンバー間の確執などは語られない。

同じような音楽性、ドラッグの問題もあっただろうリトル・フィートやオールマン、デッドなんかはザ・バンドのようには語られない。同じように70年代後半はグダグダになってたのに。あそこで解散してなかったらザ・バンドもグダグダになってただろうに。後からザ・バンドを聴いた僕からしてもザ・バンドはちょっと特別な位置に置かれていた印象がある。
今にしてわかるのは「ラスト・ワルツ」という映画はバンドの解散コンサートを描いた映画ではなく、ロビーが残したい形としてのザ・バンドの物語を描いた映画だったんですね。

その物語を30年を経て今度は、兄弟の様だったバンドが、その絆が壊れていく物語として語りなおしてるんですよね。そこに僕はロビーの策士としての才を見ます。さすがだなぁと。別にこれは皮肉でも何でもないですよ。素直に感心しました。あの映画を見た多くの人は悲しくも美しい物語を見たという印象を持つはずだから。
ただひとつ惜しむらくはロビーの語りが芝居じみすぎてること。まぁこれは「ラスト・ワルツ」の時からそうだったけどね。

最後に「ラスト・ワルツ」からフルで「ザ・ナイト・ゼイ・ドローブ・オールド・ディキシー・ダウン」が流れたのがよかった。僕が一番好きなザ・バンドの曲ですから。
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