SSブログ

シネマティックで切迫感があり美しく苦いもの [R&B/JAZZ/etc]

lightandshadow.jpg

ネイト・スミスの5曲入りのEP「Light and Shadow」は弦楽四重奏を迎え、それ以外の楽器のほとんどを自身で演奏するという作曲家としての趣の強い作品集になりました。

「シネマティックで切迫感があり、美しく苦いものを作りたかった」とはネイトの弁ですが、弦楽四重奏がエレガントな曲線を描き、それは刻一刻と移り変わる景色を見ているようながら、きりっと立ち上がるタイトなドラムが、音楽をただ美しく流れていくだけでない彫りの深いものにしています。

ヴァン・ハントやジャーメイン・ホルムズを迎えたヴォーカル・ナンバーもニュー・ソウルでもネオ・ソウルでもない2020年代に相応しいグルーヴとハーモニーに溢れていますよ。
この作品に限らないですけど、メロディがあって歌があって、アレンジがあってというという音楽の成り立ちがもうかつてとは明らかに違うんですよね。

あらためてドラマーの枠に収まらない才人と感嘆。そのうちラージ・アンサンブル作も作りそう。
20分に満たないEPながらフル・アルバムのような満足感を覚える傑作です。

nice!(0)  コメント(0)