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さよならジュールス [ひとりごと]

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ジュールス・シアーは僕にとってちょっと特別なミュージシャンだった。
思い入れといえば、とてもとても深い。
92年作「Great Puzzle」はそりゃもうCDが擦り切れるくらい聴いた。
90年代のベスト10を選べばベスト3に入るかもしれない。今でも名盤だと思ってる。
その後の「Healing Bones」(1994)や「Between Us」(1998)もよく聴いた。ただ一度の来日公演はカセット・ウォークマンでこっそり録音して今も持ってる。

でもそうやって、幾度となくジュールスの音楽に全神経を研ぎ澄ませるように聴いたのは、もう20年も前のこと。
だからその後もずっとジュールスの新作が出れば買ってたんだけど、実際のところ買っても数回しか聴かない。この前買ったのは奥方パル・シェイザーとのデュエット集でこのブログでも紹介した。まぁいいアルバムだっと思う。でも前作「LONGER TO GET TO YESTERDAY」は知らないうちにリリースされていて、自主製作だったからかCDは既に手に入らず、結局そのままに。なぜか昨年日本で突然リリースされたけど。でも買ってない。

昨年暮れに新作「One More Crooked Dance」が出てた。これはアマゾンでもCDが買える。スポティファイで聴いてみた。
ほぼピアノだけをバックに自作を歌うシンプルなアルバム。うん。良いアルバムだ。

もうずーっと前から気付いてたけど、こういうアメリカのシンガーソングライター作品って僕にはもうまったく必要のないものなんだなってこれを聴いて改めて思った。
聴いてるとジュールスらしい繊細なメロディにグッときたりする瞬間はある。思わずやっぱCD買おうかなって思ったり。でも買っても聴かないだろうな。もうずっとそうだったんだから。

このアルバムはいいアルバムだと思う。曲も良いしね。
こういう音楽が好きな人はきっと満足するだろう。

別にかつて夢中になって聴いたジュールスのアルバムが色褪せてしまったとかいうんじゃない。でもどこか青春の一ページを見るみたいな感じになるんだよな。こういうのって多分誰でもあると思うけど。
今でも彼が変わらず曲を作って歌っているのはうれしく思うけど、僕はもうそこにはいない。ってことかな多分。そのことにちょっとしんみりとした気分にもなるけど。でもサンバとかセンバとか聴いてる方が今は楽しいんだから。仕方ない。
さよならジュールス。
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