SSブログ

音楽家としての器の大きさ [ポップ/ロック]

DRJOHNTHEMONREUXYEARS.jpg

年を経るごとにドクター・ジョンの音楽が好きになる。
だから結構来日してたのに、一度もライブを見れなかったのが、悔やまれる。

本作はモントルーに出演した時の記録で、86、93、95、04、07、11、12年の録音を、ひとつのライブとして聴けるように並べてある。声が変わらないのと、バックのバンドも基本LOWER9-IIを中心としたメンツなので、年月の差は感じませんね。11年にはジョン・クリアリーが、12年にはトロンボー・ショーティも参加してます。

冒頭数曲のニューオリンズ・ピアノ弾き語りは、まだ40代だからこその円熟とは違うドライブ感に圧倒されます。時にソロ、時にコンボ編成、時にホーン・セクションも加えてとCDめいっぱい80分近くたっぷり収録。

確か公式のライブ作はこれまで97年の「トリッピン・ライブ」だけだったと思う。あれもそうだけど、ドクター・ジョンはライブとスタジオ盤はわけて考えてたみたいですね。
ここでも自作の曲は2曲しか入ってないし、新作を出してもそこからはあまり演奏してなかったみたい。ライブはライブでNOLAクラシックを交えての演奏はニューオリンズ・ミュージックの継承者としての矜持を強く感じさせるものです。
本作を聴いてた感じたのはだからこそ音楽家としての器の大きさ。エリントンもコール・ポーターの曲も自分色に染め上げる。

ドクターのスタイリストぶりも楽しめる写真もたっぷり、ブック形式の装丁もカッコいいナイスな発掘ライブ作です。
nice!(0)  コメント(0) 

ブレないワスル魂 [アフリカ]

LONDONKO3.jpg

コートジボワール出身、マリにルーツを持つファトゥマタ・ジャワラの新作「LONDON KO」。
最初に公開されていた「NSERA」がカッコよくって、楽しみにしていたんですよね。
でもアフリカ音楽ファンにはデイモーン・アルバーンが関わっているのはマイナス材料でしかないし、出てからもあんまり評判がよろしくないみたい。

僕はそもそも前作も前々作も聴いたことなくって、どうも前作がかなり評価が高かったみたいなので、そっちを買った方がいいのかな?とも思ったんですが、長年の経験上、やっぱり自分が一番最初にピンと来たもののをチョイス。

なので前作との比較はできませんが、本作はソウルやロックなど米国音楽よりの作品ですかね。でも彼女が歌えば紛れもなくワスルなメロディが音楽を染め上げ、その米国音楽との混淆具合も今年の僕の音楽的嗜好にぴったりあってるせいか、楽しくノリノリで聴けるってわけです。

ロンドン、ニューヨーク、パリなど世界各地での録音の様でアンジー・ストーンやロベルト・フォンセカなどゲストもいますけど、主役のファトゥマタ・ジャワラの存在感=ワスル感が全編を覆っていて、たとえクラブ・ミュージック的な曲でも一本筋は通っていてブレはない。
ベスト・トラックはガーナのラッパーM.anifest を迎えたワスル・アフロ・ファンクな「Mogokan」かな。

でも何より最初から魅せられてたのはこのジャケかな。カラフルで。動画で見るとジャケにも写ってるギブソンのSGを弾きまくっててカッコいいんですよね。
nice!(0)  コメント(0) 

Lights Outについて [ひとりごと]

ピーター・ウルフの84年の最初のソロ作「Lights Out」はリアル・タイムで、なんとなくジャケは覚えていて、タイトル曲も当時ちょっとヒットしてたのを覚えています。

なぜかサブスクにはないんですけど、80年代らしくこの曲も12インチ・ヴァージョンがあって、かっこいいんですよね。というかヒップホップに反応したロックとしてかなりのもんじゃないですかね。

nice!(0)  コメント(0) 

英国人的米国黒人音楽解釈 [ポップ/ロック]

FLOW.jpg

チャズ・ジャンケルの新作「FLOW」。ソロ作としては13年ぶりだそうで。
僕にとってはもちろん、イアン・デューリーの相棒なわけですが、一般的にはクインシー・ジョーンズがカバーした「愛のコリーダ」の作者としての方が有名かもしれません。
ソロ作としては70-80年代にかけて数枚、その後は2000年代に入ってから、ブロックヘッズの活動と並行して、中には普通にハード・バップ的なジャズ作もありました。
ここ数年は二か月に1曲くらいに配信リリースしていて、それだけで20曲くらいにはなると思う。新作はそれらの中から最近の曲とプラスアルファでアルバムに纏めたようだ。

アルバムは軽快なポップ・ファンク「Water」でスタート。グッと腰を落とした「Key to Life」、ラテン風味も交えた「Believing」と、タイプの異なるファンク・ナンバーで畳みかけ、トロピカルなメロウ・ソウル「On This Beautiful Day」で一息して、四つ打ちファンクの「Bodies Without a Soul」と、佳曲が揃ったアルバムでいいじゃん!っと思ってたら、本作はここから面白く展開します。

6曲目のインスト「Dreamtime」は、ピコピコとシンセ・リフが鳴るテック・ハウスなんですねぇ。
ブロックヘッズとしてのライブ活動もあるし、現役感は問題なかったですが、最近の配信リリース曲の中にはクラブ・ミュージック的なものもあって、気の若い人だなぁと思ってたんですよ。

続くスムース・ジャズ的なギターが響く「As Far as I Can See」はアンビエント・ハウス。その次の「Deep Water」は歌入りでサックスやピアノ・ソロも聴けるジャジー・ハウス。

時々ファルセットも交えるチャズのヴォーカルは上手くはないけど、すごーく贔屓目に見れば、ドナルド・フェイゲンのような味わいも感じられる。でも本人の歌だけだとアルバム一枚はさすがに厳しい。

本人もそれはわかっているのか、クラブ・ミュージック・パートを挟んで後半はゲスト・シンガーも迎えて「Meet Me In The Middle」はネオ・ソウル、「Time Shows the Way」はレゲエと多彩に展開。
最後はお得意の80’sファンク「Turn It Around (TT)」で幕を閉じます。

チャズなりのブルースへのアプローチ「Mitts Blues」なんかを聴くと、過去の作品も含めてこの人の音楽は、いかにもイギリス人の米国黒人音楽解釈だなと感じられます。そんなところも含めて僕好みのツボを押してくれる秀作。


これ5月に出たんだけど、CDが6月に出るってんで待ってたんですよ。
でも発売日が近づくと2週間くらい延期されて、それが2度3度どころか、10回以上も続いて。通販でまとめ買いでオーダーしてたもんだから、この1枚のせいで他も届かなくってまいりました。
それで9/29だったのが、10/6になり、遂には11/3になり。さすがに諦めましたよ。CD出す出す詐欺だなこりゃ。
参加ミュージシャンを確認してから、ブログにと思ってたんだけど。
サックスにブロックヘッズからデイブ・ルイスとかが参加してるらしいです。
nice!(0)  コメント(0) 

Apple Music Playlist 2023.10.06 [Astral's AM Playlist]

atabua.jpg
Jorge Ben:A Tabua De Esmeralda
ちょっと前に買ったジョルジ・ベンの96年作は時代も近いので、音的にも古さを感じずよく聴いてるんですが、最近ようやく70年代初期の作品も聴いて良いなと思うようになりました。これは74年作。この頃の作品はアクースティックなものが多くてちょっと物足りなく感じてたんですよね以前は。でも最近その一聴おだやかな中に脈打つサンバ・ソウル・グルーヴにようやく気づいて大好きになってきました。遅い。そうなるとCDで欲しくなっちゃうんだけど、中古でもあまり見かけない。そのうちね。今年はジョルジ・ベン元年だな。
nice!(0)  コメント(0) 

Apple Music Playlist 2023.10.05 [Astral's AM Playlist]

lakefanta.jpg
Lakeside:Fantastic Voyage
このアルバムはなんどかレコードやCDで手に取ったことがあるけど、結局ずっと聴かずずじまいに。タイトル曲はぶっとグルーヴのファンク・ナンバーで素晴らしい。でもそれだけじゃなく、ロマンティックなバラードやコーラス・グループのような曲もあって、思ったよりもポップ。そういえば1980年だもんな。ごりごりばかりなわけないか。とはいえ強力なファンク・ナンバーを中心にバラエティに富んでいてさすが代表作。
nice!(0)  コメント(0) 

2023年版R&B一大音絵巻 [R&B/JAZZ/etc]

thelovealbum.jpg

クレオ・ソルにつられてというか、続けてダウンロード購入したのがディディの17年ぶりの新作「The Love Album: Off The Grid」。ボリュームからしてCDはなさそうなので。9月15日に出たと思ったら5日後に最近のシングル3曲追加したデラックス版がでたのでそちらを購入。

それにしてもキラ星のごとく豪華なゲスト陣がすごい。
ベイビーフィエス、KCヘイリー、MJブライジ、ハーブ・アルパートなどベテランからサマー・ウォーカー、ココ・ジョーンズ、ジャスティン・ビーバーなどの若手まで。ラッパーもバスタ・ライムスから21サヴェイジまで。

本編だけで、24曲1時間20分強、ディディは歌うわけじゃなく基本ラッパーですけど、本作はR&B作といってよい歌もので埋め尽くされていて、プロデューサーとしての手腕が際立っています。クインシー・ジョーンズを思い出しましたね。
90代的な曲もしっかりアップデートして、これぞR&Bといった感じの肌合い、グルーヴの良い曲が目白押し。これだけのゲスト、曲数だと焦点定まらずになりそうだけど、適材適所で個性が際立つ曲をあてがわれて、どのシンガーも見事。

でも僕が一聴して心奪われたのはビートの艶っぽさ、グルーヴの色っぽさなんですよね。
亡くしたパートナーとの関係からこの「愛」をテーマにした作品になったようで、人と人との繋がり、温もりを求めてやまないグルーヴに彩られた2023年版R&B一大音絵巻といった趣の大作であります。

それにしてもケラーニもいるし、H.E.R.もいるし、ジョン・レジェンドもいるし。すごいなぁ。
nice!(0)  コメント(0) 

もう一曲JTの好きな曲 [ひとりごと]

もう一曲JTの好きな曲「Shed a Little Light」を。
この曲は91年作「New Moon Shine」に収録されていて、僕はアルバムを聴いたことないんですけど、Youtubeでロウ・カントリー・ヴォイセズというゴスペル・グループと共演してるので初めて聴いて知りました。民間の普通のおじさんおばさん達のグループで、これがすごく心温まる共演で感動的です。

マーティン・ルーサー・キングに想いを馳せた元々ゴスペル的な曲ですが、白人的なもと黒人的なものが絶妙にミックスされた名曲だと思います。

nice!(0)  コメント(0) 

JTの好きな曲 [ひとりごと]

僕はジェイムス・テイラーに関しては、「スウィート・ベイビー・ジェームス」もちゃんと聴いたことがなくって、手元にあるのもレコードで「イン・ザ・ポケット」と「グレイテスト・ヒッツ」を、それとCDで「オクトーバー・ロード」を持ってるだけなんですね。

もう手放してしまったけど97年作「アワーグラス」に収録されていた「ガイア」という曲が、大好きでした。

最近急に思い出して、やっぱり良い曲です。
タイトルからして、この地球の行く末についての憂いというか警告というかな歌詞なのかな。大仰なメッセージとかじゃなく、毎日の生活の中で想いを馳せているようなところが胸に響くんです。

間奏のブランフォード・マルサリスのソプラノ・サックスも崇高な美しさに溢れている。後半ドラムの音が、ドドドーンと鳴り響くところがあるんですが、このままだとこの美しい地球が壊れていってしまうよと言われてるようにいつも感じます。


nice!(0)  コメント(0) 

Today's choice 2023.10.01 [Today's choice]

OctoberRoad.jpg

今日から10月ということで、いつものようにジェイムス・テイラーの「オクトーバー・ロード」を。
冒頭の「セプテンバー・グラス」からタイトル曲へ続くところが、この時期にぴったりで、毎年この時期はこれを取り出します。

でもこの「セプテンバー・グラス」は、ジェイムスの曲じゃないんですよね。
普通自作自演の人ってカバー以外は自身の曲しか歌わないですけど、ジェイムスってけっこう他のソングライターの曲も、気軽に取り上げますよね。
nice!(0)  コメント(0)