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曲の中で描かれるドラマ [ポップ/ロック]

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ひさしぶり買ったロック。
ウォーレン・ヘインズ率いるガヴァメント・ミュールの新作「Peace... Like a River」。

一時期期待していたテデスキ・トラックス・バンドはかつてのサザン・ロックの焼き直しに終始し、すっかり幻滅し興味を失ってしまったんですが、デレク・トラックスは才能を無駄にしてると思いますよ。いやほんとに。「レイラ」を丸ごとがカバーして「Layla Revisited」って、そもそもお前らが作ったわけじゃないだろ!って、これくらいにしとこう。

ウォーレン・ヘインズは60年生まれで、70年代ロックをリアル・タイムで聴いて育って80年代から活動を始めたからか、同じようなことやっても焼き直し感がないんですよ。変な憧れがないせいもあるだろうし、地続きで音楽を前進させている。

このアルバムがバンドの何枚目かも知らないけど、77分もある大作ながら飽きさせない。7分を超える曲が4曲もあり、比較的長尺な曲が多いのに飽きずに聴けるのは、良い曲が揃ってるのもあるけど、アレンジが上手い。

その最たるものが9分を超える3曲目の「Made My Peace」。
長くても起伏があって、長々とギター・ソロが続いたりせずメリハリがある。ストリングスを入れたりして曲の中でドラマを作るのが上手い。

湿地帯をのたうつようなブルーズ・ロック「Shake Our Way Out」はビリー・ギボンズがサビをひと唸り。どうせならギターを弾いてもらえばよかったのにと思わないでもないけど、バンド四人の演奏能力がやたらと高いので、ゲストはヴォーカルのみ。

ホーン・セクションもはいったヘヴィなサザン・ファンク「Dreaming Out Loud」ではアイヴァン・ネヴィルとルーシー・フォスターがソウルフルな歌を添え、ビリー・ボブ・ソーントンを迎えた「The River Only Flows One Way」はレゲエ。レゲエは珍しくなくとも間奏やエンディングでダブまでやるのはなかなかに冒険的で、ハードボイルドなサザン・レゲエといった趣。この曲に一番感心しました。

僕が買ったのはボーナスEPのついた2枚組で、そちらも含めて聴きごたえたっぷりで、ひさしぶりにロックを堪能しています。
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