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英国人的米国黒人音楽解釈 [ポップ/ロック]

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チャズ・ジャンケルの新作「FLOW」。ソロ作としては13年ぶりだそうで。
僕にとってはもちろん、イアン・デューリーの相棒なわけですが、一般的にはクインシー・ジョーンズがカバーした「愛のコリーダ」の作者としての方が有名かもしれません。
ソロ作としては70-80年代にかけて数枚、その後は2000年代に入ってから、ブロックヘッズの活動と並行して、中には普通にハード・バップ的なジャズ作もありました。
ここ数年は二か月に1曲くらいに配信リリースしていて、それだけで20曲くらいにはなると思う。新作はそれらの中から最近の曲とプラスアルファでアルバムに纏めたようだ。

アルバムは軽快なポップ・ファンク「Water」でスタート。グッと腰を落とした「Key to Life」、ラテン風味も交えた「Believing」と、タイプの異なるファンク・ナンバーで畳みかけ、トロピカルなメロウ・ソウル「On This Beautiful Day」で一息して、四つ打ちファンクの「Bodies Without a Soul」と、佳曲が揃ったアルバムでいいじゃん!っと思ってたら、本作はここから面白く展開します。

6曲目のインスト「Dreamtime」は、ピコピコとシンセ・リフが鳴るテック・ハウスなんですねぇ。
ブロックヘッズとしてのライブ活動もあるし、現役感は問題なかったですが、最近の配信リリース曲の中にはクラブ・ミュージック的なものもあって、気の若い人だなぁと思ってたんですよ。

続くスムース・ジャズ的なギターが響く「As Far as I Can See」はアンビエント・ハウス。その次の「Deep Water」は歌入りでサックスやピアノ・ソロも聴けるジャジー・ハウス。

時々ファルセットも交えるチャズのヴォーカルは上手くはないけど、すごーく贔屓目に見れば、ドナルド・フェイゲンのような味わいも感じられる。でも本人の歌だけだとアルバム一枚はさすがに厳しい。

本人もそれはわかっているのか、クラブ・ミュージック・パートを挟んで後半はゲスト・シンガーも迎えて「Meet Me In The Middle」はネオ・ソウル、「Time Shows the Way」はレゲエと多彩に展開。
最後はお得意の80’sファンク「Turn It Around (TT)」で幕を閉じます。

チャズなりのブルースへのアプローチ「Mitts Blues」なんかを聴くと、過去の作品も含めてこの人の音楽は、いかにもイギリス人の米国黒人音楽解釈だなと感じられます。そんなところも含めて僕好みのツボを押してくれる秀作。


これ5月に出たんだけど、CDが6月に出るってんで待ってたんですよ。
でも発売日が近づくと2週間くらい延期されて、それが2度3度どころか、10回以上も続いて。通販でまとめ買いでオーダーしてたもんだから、この1枚のせいで他も届かなくってまいりました。
それで9/29だったのが、10/6になり、遂には11/3になり。さすがに諦めましたよ。CD出す出す詐欺だなこりゃ。
参加ミュージシャンを確認してから、ブログにと思ってたんだけど。
サックスにブロックヘッズからデイブ・ルイスとかが参加してるらしいです。
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