SSブログ

甘美な傷痕を残して [R&B/JAZZ/etc]

Tough and Tender.jpg

冬になるとレイ・ハラカミの「Lust」が聴きたくなる。冬のシンとした静けさと張りつめた空気に電子音がよく似合うから。
電子音楽というのはギターやピアノといった楽器を使うものではないので、上手/下手とか、味がある/ないとかがなくて、誰がやっても同じ音が出る。だから余計作り手のセンスが問われるジャンルだと思う。
きれいな電子音がピコピコつらなったエレクトロニカやテクノならネット上に掃いて捨てるほど転がっている。そのどれもが一時の心地よさや気分転換を提供してくれる。ネット・ラジオでもYoutubeでもいつでも手に入るので、なかなか繰り返し聴きたいと思えるものには出会えない。

愛読ブログ「El Contador Pasa」で紹介されていた34423(ミヨシ・フミ)の「Tough And tender」。
これは試聴してソッコーでゲットしました。ネットで聴いてるだけじゃなく日々持ち歩いて何度も聴きたいと思えるものがそこにはあると感じたわけです。
ここにあるのは乙女の心象風景をポエティックに表現した音楽ではない。もちろん心地よさや気分転換を提供するだけの音楽でもない。
タイトル通りタフとテンダーを、時には繊細に、時には大胆に織り合せた電子音のつづれ織りが、時折垣間聴こえる邪悪なダークネスとも言うべき何かを孕んだグルーヴに運ばれ、耳の奥に甘美な傷痕を残していく。
これがジャケットのうら若き女性から生み出されたものとは。人は見かけによらないということ、女性は永遠に謎だということを改めて感じます。
その謎に包まれてこの冬は過ごすことになりそうです。


nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

naka

Astralさん、おばんです。

貼り付け、有難うございます。試聴させていただきました。

気になる音楽ですね。 

ほんと、こんな可愛らしい女の子の内面から、こんな音楽が紡がれようとは。

驚きです。
by naka (2013-12-10 20:55) 

Astral

nakaさん

ご無沙汰です。
聴いてて謎が深まっていくような魅力があります。
こんなところからエレクトロニカとかに入っていくのもいいかもしれませんね。
by Astral (2013-12-10 22:56) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。