Apple Music Playlist 2022.12.21 [Astral's AM Playlist]
ラグジュアリーなキゾンバを越えて [アフリカ]
アンゴラの歌手ペロラの新作「Sincera」。
前作を聴いたのが昨年なので間が空いた感じがしませんけど、実際は前作は2015年作なので、7年ぶりの新作ということになります。
前作とは違うソングライターとプロデューサーによる制作ですが、その洗練度はもう極致といって良いくらいです。7年かけて制作したってこともないでしょうけど、良い曲が揃っていますね。打ち込みだけでなく生楽器も混ぜて、丁寧に作られているのがよく分かります。
基本R&B仕様のキゾンバですが、「Garante-me」はホーン・セクションとアコーディオンを配した王道のセンバだし、アクースティック・ギターで始まる「Fumo」は子守歌のような童謡のような曲で、途中パーカッションだけになるあたり、アンゴラの土着的な音楽性に関係してるのかな。センバがサンバの語源になったなんてことも思い起こさせる曲です。
シンガーソングライター、トトー・ST の「Você」もキゾンバを外れた普通のポップスで、それがかえってアルバムをスケール大きくするのに一役買っていますね。
ラグジュアリーなキゾンバを越えて音楽性の幅を広げたスケールの大きな傑作です。
ワールド・ミュージック華やかなりし頃のズークのように、日本のラジオでもでこういうのがガンガン流れるといいのになぁ。
Today's choice 2022.12.19 [Today's choice]
今夜はイアン・デューリーのトリビュート盤「ブラン・ニュー・ブーツ・アンド・パンティーズ~イアン・デューリー・トリビュート」(2001)を聴いてます。タイトル通りイアンの1stを曲順通りいろんな人が歌いつづったアルバム。
レックレス・エリックのようなパブ・ロックの盟友もいれば、シェーン・マッゴワンやロビー・ウィリアムスなんかもいたりする。
ポール・マッカートニーが参加してるのにはちょっとびっくり。でも「I'm Partial to Your Abracadabra」はなかなかの快演です。基本的にバックはブロックヘッズが受け持っていて、アレンジもオリジナルから大きく変えてない。でも冒頭のシニード・オコナーの「Wake Up and Make Love With Me」とか微妙にリズムのニュアンスを変えたりしていて、どれも小技が効いていて良いんですよ。
ハマりすぎのマッドネス「My Old Man」はじめ、どの曲もイアンへの愛に満ちていて、暖かな気分になる好トリビュート盤です。
Apple Music Playlist 2022.12.18 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2022.12.17 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2022.12.16 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2022.12.15 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2022.12.14 [Astral's AM Playlist]
アマピアノのクールネス [R&B/JAZZ/etc]
先日聴いた「ブラック・パンサー」のサントラにも参加していた南アフリカのDJ、DBNゴゴ。
彼女のジャケがインパクトありまくりの「Whats Real」。
アマピアノの人なんですが、ダーバン生まれプレトリア育ち、2020年ごろから活動を初めて本作が初アルバムです。アマピアノはハウスの一種でアフリカ音楽らしいポリリズミックなグルーヴが特徴です。僕はまだ愛聴するような作品に出合ってないんですが、本作がそんなアルバムになりそう。
冒頭からほの暗いクールネスに支配された音像に惹きつけられます。曲によってギターなどアクースティックな楽器が配され、全ての曲にチャントというかラップというかな歌が聴こえます。彼女自身も歌ってるのかな。プログラミングの音ももう最近ではどこかアクースティックな表情も窺えるようになってますよね。
改めてこういうクールネスは古今東西黒人音楽特有のものなんでしょう。静かに覚醒していくようなグルーヴは蠱惑的ともいえる魅力をも湛えています。