Apple Music Playlist 2022.11.29 [Astral's AM Playlist]
台湾の街を歩きながら [R&B/JAZZ/etc]
台湾の歌手、薛詒丹(ダン・シュエ)の「倒敘(FLASHBACK)」。
After youでEPが紹介されてましたが、その直後に1stアルバムが出てました。
前半はエレクトロニックなジャジー・ポップながら、インタールードに続いて始まる「飯後點心」などどの曲でも、選び抜かれた音がオーガニックと言っても良いような暖かなグルーヴを奏でています。
ラッパーをゲストに迎えた「沙發危機 」は恋人同士の微妙な関係を歌う歌詞を反映するようにビートも緊張感を孕んでいます。「can i leave my dream」のホーン・サウンドは正しくディアンジェロの「VOODOO」以降と感じさせてくれるジャジー・ソウル。
そしてインタールードを挟んで、後半はアクースティックな音作りを基調としたものとなっています。
「Summer Café 」の穏やかな歌声は彼女の本来持っている歌い手としての魅力を伝えてくれます。MVを見てると台湾の街を散歩している気分になります。ズバリお洒落。
アクースティック・ギターをバックにした「怎樣的大人」も、ストリングスを配した「沒有月亮那天」にしても、丁寧に積み重ねられた音の繊細なレイヤーが美しい。
そして本作は、アルバム・タイトル曲「倒敘」で、想い出の幕を静かに下ろしていくように余韻深く終わります。
短いインタールードの2曲を除くと8曲。31分しかないんですが、その音楽的密度は素晴らしい。
ギターの翁光煒(ウィコ・ウェン)との共同プロデュースで、ほとんどの曲も彼と共作しています。前述のEPは2019年だから、じっくりと曲を書いて制作されたものなんでしょう。どの曲も丁寧に磨き上げられ、落ち着いた歌声がやさしく包み込んでくれます。
これ最初サブスクで聴いてたんですが、気にいるとCD欲しくなっちゃうわけで。
台湾のショップを見ると、CD自体の値段は日本と変わらないんですけど、送料がね。2000円くらいする。だから諦めた。
でもその後も何度も聴いて、これだけ気に入っちゃったらもうしょうがない、買うか。インディーズだからいつまでもあるわけでなし、後悔先に立たず。
そこでハタと気が付いた。もう一枚くらい買ってしまえばいいんだ。送料は変わらないだろうから、それで一枚換算そこそこの値段になるだろうと。
できれば19年のEPがよかったんだけど、それはなくて。
もう一枚気に入ってたのが、運よくあったのでそっちにしました。
中国語ばっかりなので、グーグルの翻訳を使って、なんとかオーダー。
でも1週間たっても出荷されなくてやきもきしましたが、その後ちゃんと出荷され届きました。
うれしい。
台湾産インディーズCDというのは、パッケージに凝ったものが多いみたいなんですが、これも大変凝ったものになっています。
蛍光ピンクのクリアファイルにブックレット2冊と型紙にはめ込まれたCDが入っていて、カラーのブックレットはお洒落な写真集、糸かがりの1冊は歌詞とクレジットが記されています。そっちのブックレットは袋とじ仕様で切ってあけるようになってます。
こういうのはやっぱりパッケージ・デザインする人達の表現でもありますね。僕が持ってるCDの中で最も凝った装丁を施したCDのひとつになりました。
Scandalousについて [ひとりごと]
さてそろそろコスタリカ戦の観戦準備かな。
そんなわけで今夜はGryffin & Tinasheの「Scandalous」をどうぞ。
ティナーシェはこういうダンサブルな曲はよくハマりますね。
そんなわけで今夜はGryffin & Tinasheの「Scandalous」をどうぞ。
ティナーシェはこういうダンサブルな曲はよくハマりますね。
Apple Music Playlist 2022.11.26 [ひとりごと]
Today's choice 2022.11.25 [Today's choice]
昨夜に引き続き今夜もドクター・ジョンを。
これもリリース当時はあまり良い印象じゃなかったサッチモ・トリビュート作「Ske-Dat-De-Dat: The Spirit of Satch」。ゲストがいっぱいなのが邪魔に感じちゃって。「デューク・エレガント」みたいに自身のバンドとだけでやればよかったのに。ここにも参加している新しいパートナーのトロンボーン奏者が、それまでのバンド・メンバーを首にしちゃったとか。
でもひさしぶりに聴いたら、これはこれでやっぱり良いな。まぁ別に変なことやってるわけでなし、さすがドクター・ジョンならではのサッチモ・トリビュートになってるしね。場違いなゲストがいるわけでもないし。僕は単にドクターの歌とピアノとバンドの演奏だけで良かっただけなんですが。
洗練されたブードゥー・ファンク [R&B/JAZZ/etc]
いやぁサッカー日本勝ちましたね。
昨夜は最高に興奮しましたよ。そういう人多いでしょう。
最近ファンキー・モードなので、そんなのばっかり聴いてます。
今夜はドクター・ジョンの94年作「テレビジョン」を取り上げましょう。いつもどおりチョロっと書いて終わりにしようかと思ったけど、少し長く記したくなった。
これってリアル・タイムで聴いてますけど、あまり印象に残ってない作品だったんですよ。でも最近、聴きなおして、これは名盤だと思いなおしましたよ。このアルバムが出た当時の僕はやっぱりドクター・ジョンというと、70年代の「ガンボ」や「イン・ザ・ライト・プレイス」あたりが好きで。もっといなたいというか泥臭いというか。そっちの方が好きだったんですね。
このアルバムはもっと洗練されてますよね。
ニューヨークでの録音でギターのヒュー・マクラッケンがプロデュースを手伝い、ランディ・ブレッカーやロニー・キューバーが参加。90年代以降を支えるバンド、The Lower 9-11を率いる前だけど、ベースのデヴィッド・バラードはもういます。
冒頭のタイトル曲からセカンド・ライン・ファンクが全編にわたって冴えわたっていますよ。
「Witchy Red」のようなサイケなブードゥー・ロックも都会のネオン・サインの下で怪しげにグルーヴしています。ドク・ポーマスとの共作曲でのブルージーな雰囲気も格別。もちろんあのニューオリンズ・ピアノも随所で軽やかに転がっていますよ。
ニューオリンズ印のグルーヴが最高な「Shut D Fonk Up」~スライのカバー「Thank You (Falletin Me Be Mice Elf Again)」と続くあたりがアルバムのハイライト。
今思えばドクター・ジョンが一番充実した活動をしていたのは、90年代だったんじゃないでしょうか。ドラッグ問題もなく気力体力十分。
キャリア通してアルバムの数も多いので、その中に埋もれてしまっているような気がしますが、これは最高のファンク・アルバムです。