Apple Music Playlist 2018.06.20 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2018.06.19 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2018.06.18 [Astral's AM Playlist]
ビートは続くよどこまでも [ポップ/ロック]
昨夜はブログ書こうと思ったらPCの更新で、いつまでたっても立ち上がらないので、寝てしまった。
今夜は余命宣告を受けた癌を克服したウィルコの新作を。
僕は熱心なウィルコ・ファンとは言い難く、ドクター・フィールグッドの初期のライブ盤と98年の「Going Back Home」しか聴いてない。「Going Back Home」は良いアルバムだった。結構良く聴いた。随分前に手放してしまったけど。
そんな私ですが、このアルバムは先行公開されていた曲を聴いてその気合の入りっぷりにほだされてCD買ってしまいました。いやぁでもこれは傑作だわ。素晴らしいですよ。
やってることはフィールグッド時代と全く変わらない。レイドバックするどころか相変わらず前のめりで、贅肉のかけらもないソリッドで、なのに滋味深いとさえ感じるこのビート。ノーマンのふくよかに弾むベース。ディランの無駄なく引き締まったドラム。これぞグルーヴィなリズムをバックにウィルコの変わらずシャープなギター。思わず嘆声をあげてしまうよ。
セカンドライン・ファンクをパブのタバコの煙で燻したようなアルバム・タイトル曲での、間奏やエンディングでのどこかスペイシーな音空間にはリー・ドーシーどころかデルタ・ブルースからPファンクまでもが木霊している。
アメリカ音楽に憑かれたイギリス人によるロックンロール最高の瞬間に違いない。ミック・タルボットのエレピも見事な客演。
チェスからのリリースだからというわけでもないだろうが、続く「Marijuana」は空気をびりびり震わせるスティーブ・ウェストンのハープをはじめシカゴ・ブルース仕様。
ドロリとしたたるトーキング・ブルース「Low Down」も最高。
終盤インスト曲「Lament」における訥々としたギターには頬と共に涙腺も緩む。だって口下手な男の愛の告白みたいなんだもの。その告白は自身が人生をかけて愛し奏でてきた音楽への愛でもある。
癌をも吹き飛ばしたウィルコのビートは続くよどこまでも。
まさに起死回生の傑作です。
愛の不思議に惑う [ギリシャ]
ストリーミングで聴けず、日本からはダウンロード購入もできない2月にリリースされたヨルゴス・ダラーラスの新作「Erotas I Tipota」がようやく到着。
ストリーミングで聴ければCDはまぁそのうちとも思えるんだけど、Youtubeで聴けるとはいえ、ちょっとめんどくさいものね。これで心置きなく聴けます。
ここしばらくは長年在籍したミノスを離れてジャズ×レンベーティカなアルバムをだしたり、気の向くままな活動でしたが、本作はミノスに復帰しての王道のライカ。
このタイトルは英語だと「Love or Nothing」ってことらしい。全曲同じ作曲家による作品。
前作は重厚で苦み走った歌声が印象的な作品だった。気がする。そんなに回数聴いてないけど。背負った荷の重さがその歌声を通して伝わるような。そんな感じだった。
翻って本作に浮かび上がるのは、年を重ねても未だ愛の不思議に惑う一人の男。愛に纏わる喜びや悲しみや苦みが歌声にべったりと塗りこめられている。なんかサザン・ソウルとか聴いてるのと同じような気分になるな。
ブズーキやバグラマーによる王道ライカ・アンサンブルも常より冴え冴えと響き、潮風に曝された屈託に満ちた歌が10曲。ダラーラス以外が歌う1曲あり。
どこか浮世離れした世界へ誘う油絵ジャケも良し。
いつもどおりたっぷりと歌を堪能できる、聴きごたえありまくりの傑作です。
Apple Music Playlist 2018.06.14 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2018.06.13 [Astral's AM Playlist]
底の割れない女の子 [R&B/JAZZ/etc]
ティナーシェの3作目「Joyride」がアップル・ミュージックの新作で突然現れた時はびっくりした。リリース情報をまったく知らなかったので。
2枚目かと思ってたらフィジカル・リリースなかったミックステープだと思ってた前作が2作目で、これが3作目なんだって。このタイトルは2年くらい前からずっとリリースするというアナウンスだけあって延び延びになってたんですよね。
そのせいで来日も中止になっちゃったりして。
イントロダクションのような1曲目に続いて、いきなりブルンディドラムのような太鼓の音がドカドカ聴こえてくるタイトル曲。かといってアフリカっぽいかというと全くそんなことないんだけど。
全曲違うプロデューサーによる楽曲なんだけど、製作にはがっつり彼女自身が関わってるので取っ散らかった印象はなし。短いしね。どの曲もティナーシェ印の刻印がくっきり。
ただリリースまでに長々と待たされたこともあって、聴くこちらがなんとも落ち着かない気分になってるせいか、アルバムとしての全体像を図りかねてしまう。
長々と待たせて、これ聴いてもいったいどこにそんなにこだわってたのかよくわからないな。とはいえ相変わらず底が割れないというか、なんだかよくわからない娘ですよティナーシェは。
とりあえずこれはこれで楽しんでるけど、次はそんなに待たせないでね。