マイ・フェイバリットについて

もう12月です。年間ベストの季節ですね。今年もどこよりも早く10日に発表します。
このブログを読んでいればどういうセレクトになるかは簡単に想像できると思いますが、まぁその通りのベストになります。

僕はマンガ雑誌は買ったりしないんですけど、時々読む機会はあります。スピリッツに連載中の「トクサツガガガ」とうマンガがあります。主人公は20代半場のOLなんですが、特撮オタクなんですね。
テレビの戦隊ものとかああいうのが大好きで。当然職場の人には言えないんですが、そういうまぁマニアの悲喜交々が綴られたマンガで。読みながらあぁよくわかるよってことがよくあるんですよ。僕は音楽マニア（自分ではマニアとかオタクとは思ってませんが）ですけど、音楽マニアに置き換えてもいいようなことがいっぱい描かれています。

今週のストーリーはその特撮オタク仲間（若いOL）から彼女が一番好きだという特撮もののDVDを借りて見るんですが、良さが全然わからない。その友人によくわからないと言い出せずにいると、その友人が「ほんとふざけんな！って感じですよね！」と言い出すんです。その友人もその戦隊ものが良いとこよりも悪いところのほうが多い作品だと認めているんですよ。でも彼女にとっては一番なんです。どういうことかというと子供の頃にリアルタイムで見たいろんな思い出とか諸々が一緒くたになっての一番なんです。

そういうのって音楽ファンでもありますよね。
世評の高い名盤よりも欠点の多いこっちのほうが好きなんだよ。そりゃ名盤じゃないかもしれない。けどさぁっていう。
世のガイド本には所謂名盤ばかりが紹介されます。よほど好きにならなければ一人のミュージシャンの全作品を聴くのは不可能ですから、どうしても世評の高い名盤の類を聴くことになるんですが、それであぁこのミュージシャンはこんな感じか、それでそれほど興味を惹かれなければ、ほかの作品は聴かないままになったりします。

でもブログとかでこの人なら自分は世評の高いこっちの名盤よりも有名じゃないけどこっちの方が断然好きだよなんて記事を読んだりして、聴いてみたら自分もそっちのほうが好きになったりする。時にはえぇーこの人こんな作品も残してたの？もっと早く知ってたらなぁなんてこといっぱいありますよね。
音楽好きなら自分のフェイバリットが名盤ばかりじゃないことのほうが多いんじゃないでしょうか？

名盤や代表作ばかり聴いてても見えてこないことっていっぱいあります。だからあえて評判の良い作品じゃないものを購入したりすることもあります。まぁやっぱりいまひとつだったなとかいうこともありますが、時には全然わるくないじゃんとか、１曲すごく気に入った曲が見つかったとかそういこともあります。

そうやって聴くことで自分なりの音楽というか自分自身というかの広がりが生まれるんじゃないかと思うんですよ。ちょっと上手く言えませんが。

話の流れでは、ここで私的名盤とかを紹介した方がいいんだけど、既に記事も長くなってきたので、私的名曲でお茶を濁しとこう。
90年代のヴァンのアルバムの中でも95年の「Days Like This」は親しみやすい良作です。中でも「No Religion」はジョージー・フェイムによるグルーヴィなオルガン、ブライアン・ケネディとの掛け合いもソウルフルな隠れた名曲だと僕は思ってます。

コメント 2

ガイドブックの類にもいろいろとありまして、世評の高いいわゆる名盤ばかりが載っているようなのは、僕は殆ど信用しません。中には以前ブログでも書きましたが、故粟村政昭さんの『ジャズ・レコード・ブック』（とっくに絶版の古い本）のように、世評の高い名盤でも気に入らないものはバッサリ切捨てて、ご自分の耳で判断したいいものを紹介してあるような本もありました。

そういうものの影響を強く受けたせいもあって、僕は昔も今も名盤ガイドを信用しないで、自分の耳を頼りにブログなんかでもいろいろと書いています。まあ音楽好きはみなさん同じ聴き方でしょうね。
by としま (2015-12-06 22:13) 

としまさん

世評の高い名盤でも何か新しい視点を持って紹介されてたりすればまた違うんですけどね。筆者が変わっても同じような記述ばかりなような気がします。

それはそうと、つい今しがた「そうかソニー・クラークの「Leapin' and Lopin'」か。「クール・ストラッティン」しか聴いてなかったな。このジャケも初めて見たなぁ」なんて思ってたとこでしたよ。
by Astral (2015-12-06 22:42)