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終わりの感覚 [本]

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二十代で自殺した親友の日記が、老年を迎えた男の手に突然託される。それは、別れた恋人の母親の遺言だった。男は二十代の記憶を懸命に探りつつ、かつての恋人を探しあてるが……。記憶の嘘が存在にゆすぶりをかけるさまをスリリングに描くバーンズの新境地。

ジュリアン バーンズ著「終わりの感覚」。
ブッカー賞受賞作だし、評判もいいので読んでみたけど、期待しすぎたかな。
人間は誰しも自分の記憶を都合よく書き換えていく。誰にも思い当たる節があることだけど、この主人公はちょっと都合よく書き換えすぎじゃないかな。
たぶん期待しすぎたのと、ミステリーとして読んでしまったからかもしれない。純文学としてよめば、また違ったかのかも。

たとえば人生の証人がしだいに減っていき、記憶の補強がおぼつかなくなり、自分が何者であり、何者であったかしだいに不確かになっていく。それがどんな感じのものか、若者にはわからない。いかに熱心に記録しつづけ、言葉と音声と写真を山のように積み上げても、結局は役立たずの記録になるかもしれないことに思い至らない。
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