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ニューオリンズのベテランから若手まで [R&B/JAZZ/etc]

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ここ数か月、手持ちのレコードやCDばっかり取り上げてますが、新譜もあれこれ聴いてます。じっくりレビューするのをさぼってると、長い文章を記すのが面倒になっちゃうんですよ。いかんいかん。

では今日は新譜を。
ニューオリンズ音楽のドキュメンタリー映画「Take Me To The River: New Orleans 」(マーティン・ショア監督)のサントラ盤。
2014年にメンフィスをテーマにした同タイトルの映画があって、そこから今度は新たにニューオリンズにテーマをうつして制作されたようです。
映画は日本では公開されてないので、まったく話題にもなってないですが、僕も今回のニューオリンズ編ではじめて知りました。アマゾンプライムで見れるらしい。

メンフィス編のサントラ盤もなかなか良いんですが、ボビー・ブランドやオーティス・クレイが歌ってラップが絡むというのが多くて、ニューオリンズ編の方が音楽的に多彩なこともあり、2枚組のボリュームでベテランから若手までをフィーチャーした現在のニューオリンズ音楽をヴィヴィッドに記録した最高の編集盤となってます。全曲この映画のために録音されたものです。

アルバムの幕開けはシリル・ネヴィルがニューオリンズへの愛情たっぷりに歌う「 In Love with My NOLA」。一応説明しておくと、NOLAっていうのはNew Orleans, Louisianaってことね。
続くはニューオリンズ・バウンスのクイーン、ビッグ・フリーディアがギャラクティックをバックにラッパー二人を従えぶちかましてくれます。
3曲目はネヴィル・ブラザーズがかつて自分たちが演奏を引き受け制作した「 (Hey Mama) Wild Tchoupitoulas」を。チャールズが2018年、アートが2019年に亡くなってますが、ここでは4兄弟そろっているので、この映画自体かなり前から時間をかけて制作されていたみたいですね。
たぶんどの曲もスタジオライブ形式で録音されてるようで、Youtubeの公式チャンネルに録音時のスタジオの様子がいっぱいあります。

4曲目はニューオリンズの新旧歌姫、アーマ・トーマスとレディシのデュエット。こうして延々と一曲一曲触れていくと長くなっちゃうな。
以降もヒップホップ世代ブラス・バンド、ソウル・レベルズがオーソドックスなスタイルでラップをフィーチャーした曲やウォルター・ウルフマン・ワシントンがファンキー・ブルースをかましたり、ドクター・ジョンはダヴェル・クロフォードとのピアノ・デュオで「Jock-A-Mo」(って曲表記されてるけど、「アイコ・アイコ」です)と「Someone to Love」(こっちはパーシー・メイフィールドのね)を。

現在のニューオリンズの顔役PJモートンは自身のアルバムでより以上にニューオリンズらしい「New Orleans Girl」をリバース・ブラス・バンドと快演。
多くの曲でミーターズのジョージー・ポーターJrがベースを弾き、アイヴァン・ネヴィルも多くの曲に参加してますが、アール・キングのカバー「Street Parade」は自身のバンド、ダンプスタファンクで叔父シリル・ネヴィルが歌います。

「Yes We Can Can」は、ウィリアム・ベルが歌いスヌープ・ドッグとGイージーがラップして、あのリズムはそのままにしっかりアップデートされてますよ。
他にもマルディグラ・インディアン・スタイルのポール・サイモンのカバー「Late in the Evening」やアニ・デフランコがロスト・バイユー・ランブラーズをバックにケイジャンをやったり、ドナルド・ハリソンは息子孫世代と一緒にスタンダードかつファンキーなディキシー・ランド・スタイルを活き活きと披露。

こんな具合に、最初から最後まで快演が続く素晴らしいアルバムなんですよ。
ニューオリンズというと、やっぱりドクター・ジョン、ミーターズ、アラン・トゥーサン、セカンドライン、ジャズ&ヘリテイジ・フェスに行ってみたいなぁってな古参ファンと、PJモートン、ジョン・バティスタ、ニューオリンズ・バウンス、エッセンス・フェスっていう若い音楽ファンとに二分されてしまうと思うんですけど、特に日本では。
でも実際はその二つに隔たりなんてないんですよね。
それを如実に示すニューオリンズ音楽好きな人もあまり馴染みのない人にも大推薦のサントラ盤です!
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