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海風に素顔をさらして [R&B/JAZZ/etc]

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海辺でずいぶんとナチュラルな表情をしているジャケが印象的なケラーニの新作「Blue Water Road」。デビュー作でのタトゥーだらけの肌をさらしていた頃とは別人とは言わないまでも、かなり印象を異にするのは確か。

前作はトラップの時代を象徴するようなダウナーな雰囲気の中に濃厚な官能性を忍ばせたアルバムでした。ジャケも日常の中に潜む不穏なものの存在を見る者に感じさせようとしているようでした。
本作ではトラップから脱却し、もっとスピリチュアルでオーガニックなグルーヴに変化しています。トラップからの脱却は最近のR&Bシーン全体からも感じられますけど。

実際アクースティック・ギターのストロークに導かれる「little story」から始まるポップ・ワンゼルによる音作りもドラムの音など、打ち込み臭が感じられずやけに生っぽい印象。曲間がほとんどないので、アルバム・タイトルに現れている統一された世界観も強く感じられます。

ジャスティン・ビーバーとのキャッチーな「up at night」、鼓動のように鳴り響くバスドラの音に高揚させられる「Alter」、ラリー・ゴールド編曲のストリングスが美しい「everything」、軽やかに惑い彷徨う「wondering/wandering」など、ジャケどおり海風に素顔をさらしたケラーニに出会える新作です。
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