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六つの村を越えて髭をなびかせる者 [本]

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最近読んだ本の話でも。
西條 奈加 の新作「六つの村を越えて髭をなびかせる者」。タイトルが良いんだよな。
江戸時代中期に合計九度も蝦夷地にわたり、アイヌ人と交流した最上徳内の半生を描いた作品です。

最上徳内の名前はどっかで聞いたかな?という程度だったので、いまだ茫漠たる原野だった北海道の命がけの測量調査やロシアの脅威など、勉強にもなりました。

何より夷人と恐れられ、当時の松前藩により虐げられていたアイヌ人との出会い、アイヌ語を学び心を通わせていく過程、政変により全てが水泡に帰してもなお、アイヌの人達のために生きていこうとする徳内の姿にワクワク・ドキドキ胸を打たれましたよ。
そうだケビン・コスナー監督・主演の映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」を思い出しました。

昨年の直木賞受賞作「心淋し川」は、ごく普通の人情ものの時代小説でしたが、重厚勝つ軽やかな本作の方が直木賞に相応しいと思う傑作。おすすめです。
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