もう戻らない唯一度の「花時計」 [ポップ/ロック]
Flowerの今回のシングルは5種類もあって購入したのはDVD付きのもの。これ4800円もして最初は目を疑いましたが、MVだけでなく今年の1stツアーのライブ映像がついてるんですね。見たかったけどチケット取れなかったんですよ。うれしい。何より脱退してしまった市來杏香の勇姿も見れるので楽しみにしていました。新曲よりも楽しみにしてたかも。
このコンサートがほんとに素晴らしいんですよ。キャプチャ画像もいっぱいのっけちゃおう。
ツアー最終日7月11日の名古屋公演が収録されてます。フルで収録されているわけではないけど、90分とたっぷり。シングルのオマケとして文句はありません。
ステージの一番上には「Flower Theater」とあるとおり、このコンサートは音楽を中心にしたショウと言ったほうがいいですね。メンバー7人中、5人がパフォーマーなんだから、見せる要素も大きくなるのは当然なんですけど。でも音楽自体にしか興味がない僕のような人間でもとても興味深く楽しめました。
一曲目は「さよなら、アリス」。冒頭を始め所々で影絵的な映像と共に鷲尾玲奈と市來杏香によるナレーションが流れ、「不思議の国のアリス」的な物語を軸にしてショウが構成されます。
曲によってフィーチャーされるパフォーマーがいてそれも楽しい。時にアクロバティックなダンスもあって驚く。
もうひとつ驚いたのは藤井萩花のピアノだけをバックに歌う「初恋」。特別ピアノがうまいというわけではないけど、構成上とても印象的なシーンになってましたね。
この映像見ていてすぐに気が付くのが脱退してしまった市來杏香があまり映らないということでしょう。鷲尾玲奈が歌っているときは、当然彼女が画面には映し出されるんですけど、市來杏香が歌い始めると画面には他のパフォーマーが踊っている姿ばかりが映し出されてしまう。明らかに彼女を映さないようにしてるんですね。彼女一人のアップの画像はまったくない。もちろん半分は彼女が歌っているから全然映らないわけじゃないんですけど、ほとんど表情がわからないような俯瞰のショットが多い。
最初は脱退したからってなんでこんな仕打ちをされなきゃならないんだ!と怒りよりも悲しくなってしまったんですけど。考えてみれば、すでに一般人になってしまったんだから、肖像権とかビジネス上のあれやこれやとかゲーノーカイ的な事情というものが色々あるんでしょう。そのあれやこれやでお蔵入りしても仕方なかったものをこうしてリリースしてくれただけでもよしとしましょう。もしかしたら単独フル収録でのリリースを予定してたのが、彼女の脱退によりこういう変則的なリリースになってしまったのかもしれない。
そんなわけで途中までモヤモヤした気分で見ていたんだけど、後半「Blue Sky Blue」あたりから、そんなことを忘れて引き込まれていきました。Flowerの曲はバラードが多いのと先の物語的ステージの構成上けっこう薄暗いんですけど、この曲あたりからステージ上がかなり明るくなって市來杏香の表情もよく分かることもあったかもしれない。
終盤の星降るような演出の「時間旅行」の美しさは格別。
2枚のアルバムからほぼ均等に楽曲は選ばれ、1stの曲もリリース時よりもずっとニュアンス豊かな歌として披露されるのがうれしい。
バラード主体なのに、結構躍動感あるステージになるのはパフォーマーのおかげ。そういう意味でも普通の音楽コンサートとは違うものですね。カメラの切り替えがちょっと忙しないのが玉に瑕。
ラストの「七色キャンドル」では泣いてるお客さんが映し出されることもあって、見ているこちらもウルウルしてきた。この7人でのステージはこれが最後。もう戻らない唯一度の「花時計」ってこともあるし、ちょっと感傷的になってしまう。このお客さんたちがまたすごく楽しそうなんですよね。こんなショウを見せられたらそりゃ楽しいよね。やっぱりこのコンサート見に行きたかったなぁ。
何度も同じこと言うようだけど、今聴くべき日本のポップスはFlowerなんですよ!
新曲4曲にMVとコンサート映像、これで4800なら安いくらいだよ。ファンは必見必携!マグカップ含めて素敵なクリスマス・プレゼントでした!
2015-12-23 18:53
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