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キューバの未来へ沸き立つ想いを胸に [ラテン・ジャズ]

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昨年のベスト10に選出した「Offense of the Drum」に続き早くもリリースされたアルトゥーロ・オファリル&ザ・アフロ・ラテン・ジャズ・オーケストラの新作「Cuba: The Conversation Continues」。タイトルからして今回のアメリカとの国交正常化のニュースに沸き立つ想いが感じられます。ここで奏される音楽もまた外に開かれている2枚組の大作。

今回はハバナ録音で、ゲストにルドレシュ・マハンサッパ、ミシェル・ローズウーマン、レニー・マニング、アレクシス・ボッシュらを迎えてます。
ダフニス・プリエト作の挨拶がわりの一曲のあと、「The Afro Latin Jazz Suite」が登場、アルトゥーロによるこの組曲は父チコの「Afro-Cuban Jazz Suite」への返歌ともいうべき大作。父の曲でアルトを吹いたのはチャーリー・パーカーだったけど、ここでは最近のアルト吹きではピカイチのルドレシュ・マハンサッパ。途中ほとんどアフロ・ビート化するなか力感あふれるソロを存分に聴かせてくれる。続く「Guajira Simple」ではキューバ人ピアニスト、アレクシス・ボッシュが哀感漂わせたピアノをつま弾き、ミシェル・ローズウーマン参加の「Alabanza」はヨルバ由来の太鼓バタも加えた横揺れのポリリズムに緻密なホーン・アレンジや幾何学的な?ピアノの音色が心地よい本作の白眉。この曲も10分くらいあるし、比較的長尺の曲が多い。

以降も前作に続き参加のDJロジック参加のヒップホップ的(というほどでもないか)な曲もあったり、ソンのフィーリングをたっぷりまぶした「El Bombón」。レニー・マニングが歌う「Second Lina Soca」はニューオーリンズ~キューバのミッシングリンクを探っていく。キューバ独立の英雄ホセ・マルティの名を冠した最終曲「There’s a Statue of Jose Martí in Central Park」はフリー・ジャズ×サンテリアなチャレンジングな楽曲。

前作はちょっと小難しく堅苦しい感じが無きにしも非ずだったんだけど、今回はもっとおおらかな開放感の方がまさってるな。大作ではあるけどリラックスして楽しめます。

ここ数年ずっと充実した活動をしているのに、このグループが注目されないのにはまっーたく不満です。ほんとにジャズは最近盛り上がってんでしょうか?こういうのは所謂JTNCには入らないってことかな。
まぁそんなことは関係ないく、引き続き絶好調を維持した二枚組の大作。オススメです。
ライブ見たいなぁ。そりゃもう強力だろうなぁ。

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コメント 2

イワタニ

こんにちは。
親父のチコはレコードで聴いてるんですけど、息子のアルトゥーロは聴いたことがありません。
Astralさんの昨年ベストを見て気にしてはいたんですけど。
こちらの新作のほうが良さそうですね。
Astralさんのオススメ盤だから、是非聴いてみたいと思います。

by イワタニ (2015-09-17 15:26) 

Astral

イワタニさん

親父を聴いているならぜひ息子の方もよろしくどうぞ。
アーティスティックにも娯楽にもどちらにも振れすぎずいい塩梅の作品だと思いますよ。おチャラけたところがあるともっといいんですけどね。でも贔屓のグループなので大いにお勧めさせていただきます。
by Astral (2015-09-17 20:43) 

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