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激しくも澄んだ風 [R&B/JAZZ/etc]

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昨年あまり新譜を聴けなかった敗因はって、変な言い方ですが、サブスクで聴いて気に入ってもすぐCD買わずにいたから。サブスクだとあまり聴かないにもかかわらず、とりあえずいつでも聴けるからってことで、まとめ買いとかしようとかしてたのが良くなかったんだな。

そんなわけで今年は気にったものはすぐに購入。
ってことで、今年最初に届いたのはサックス奏者、山口真文の「VIENTO」。これはまぁサブスクでも聴けないんだけど。さわりだけ聴いてビビッときましたね。
まぁ普通のジャズなんですが、70年代のブラック・ジャズというかスピリチュアル・ジャズのような雰囲気も纏っています。最近はイマドキのジャズより、オーセンティックなものの方がしっくりくるんです。

僕は山口真文ってこれまで全然聴いたことなくって。和ジャズを熱心に聴いてた頃も、出会わなかったですね。そもそも2000年代はあまり和ジャズはCD化もされてなくて、聴けなかったってのもある。

この人はテナーも吹くみたいですけど、本作はソプラノ一本で攻めてます。激しく吹いてもフレーズの最後までトーンが乱れないのは技術力の高さなんでしょう。過去作の再演も含めた選曲は、緩急の効いた良曲が揃っています。
ワン・ホーン・カルテットで、本田珠也と小牧良平のリズム隊によるガッシリとしたグルーヴに、片倉真由子のピアノも力強さを感じさせるもので、硬質な抒情を際立たせています。彼女のピアノはビリー・ハーパーのグループで弾いていたフランチェスカ・タンクスリーを思い出しました。

スリルもたっぷりの演奏からはジャズを聴く醍醐味をたっぷり味わえる。タイトル「VIENTO」はスペイン語で風。風というなら激しくも澄んだ風でしょうか。
最近はとんとジャズ・ベニューにはご無沙汰ですが、こんなジャズを聴きにまた出かけて見たくなりました。
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