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リビング・ルームから見えるコロナの日常 [R&B/JAZZ/etc]

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父はジャマイカ、母がスペインとセルビアからの血をひくというイギリスのシンガー、クレオ・ソルのアルバム「Mother」をここ数日よく聴いている。
2017年にデビュー、これが2枚目。デビュー当初はもっと王道のR&Bみたいだったけど、本作はシンガーソングライター風。最近はもうこの手のシンガー・ソングライター的な音楽にはあまり惹かれないんですが、本作にはちょっと引っかかるものがありました。

「Music」「Rhymes&Reasons」のニュー・ソウルに感化されていた頃のキャロル・キングを思い出す。奇しくも本作にも「Music」とう曲があるし。リンダ・ルイスを思い出させる瞬間もある歌声は、アルバム・タイトル通り母性を感じさせる。ジャケを見て分かるとおり、母になったんですね。

本作はアコースティックで、オーガニックなグルーヴに包まれ、簡素なプロダクションを基本にしながら、時にゴスペル・コーラスやストリングスが施されている音像からは、ジャケに写るリビング・ルームで宅録的に録音した音をやり取りしながら、リモートで作り上げたような、そうコロナの時代を映し出す日常が垣間見えてくる。

僕が惹かれたのはこの音像なんですよね。妙にドラムが近くで聴こえて、ドラムを叩きながら歌ってるようなライブ感と楽器やコーラスの微妙な距離感。どんな風に録音されたのか気になります。

そしてそんな音楽は、リビング・ルームから見えるコロナの日常に憂いながらも、生まれたばかりのもしくはお腹の中の我が子を慈しみ、子を持ったからこその、愛や希望を抱いて未来を歩みたいという素朴な願いが溢れていて、聴き手への率直な訴求力をもたらしている。

いまどき全12曲で64分というのはちょっと長いかなとも思う。
深く鳴り響くベース音は如実に2020年代を感じさせ、1曲目からしていったん曲が終わった後、ドアひとつ向こうから聴こえてくるようなエンディングが続いて、「Music」や「One Day」も途中でアレンジが変わるというより、トラックが変わるように曲調が変化したり、ちょっと冗長なところも含めて、ストリーミング時代ならではのダラダラと曲が続いていく感じ?ストリーミングってひとつのアルバムが終わってもそのまま関連曲が続いて流れてきますよね。
そんな日常の生活音のような響きも含めて、コロナの時代を感じさせる音楽です。
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