うちらはガールズですけど何か?な名盤 [ポップ/ロック]
今年リリースされた3枚のシングルの充実から最高傑作になるだろうと思っていたけど、これほどとはね。サイレントサイレンの新作「GIRLS POWER」はツアーの合間を縫って制作されたこともあり、その勢いをそのまま持ち込んだライブ感溢れる傑作となりました。アルバム全体を包む怒涛のスピード感はすごい。
新作のタイトルを聴いたときは、なんかダサい?と思ったけど、それは承知の上のようで、売れるものはちょいダサいというのがリーダーひなんちゅの持論らしく。それに以前はガールズ・バンドと言われることに反発もあったらしいけど、今はもうそれを逆手にとって「うちらはガールズですけど何か?」というガールズ・バンドであることを魅力の一つとしていこうという覚悟も音から感じられる。
無闇矢鱈にアゲアゲな「フジヤマディスコ」で幕を開け、サイサイ印なパワーポップ「merry-go-round」、すぅのボカロ声がエッジーな音像の中で映える「KNiFE」、シャープな演奏にキュートな女心が炸裂する「Love Balloon」、果てしなく能天気なロックンロール「パパヤパヤパ」は間奏のブレイクでのゆかるんのラップならぬお囃子声もサイコー、「ジャストミート」はサイサイの魅力をわかりやすく抽出した名刺代わりの一曲。冒頭からここまでの怒涛の攻勢でこちらはすでに降参。
ちょうど真ん中に置かれた「AKANE」でほっと一息しんみり。多幸感溢れる「フユメグ」からベースのあいにゃん作の「さくら咲く青い春」の流れは季節の移ろいを軽やかに表現。バンドとしての成長を如実に示した辛口「Kaleidoscope」、そこから曲間なく続く「ODOREmotion」のアッパー具合はBPM上がりすぎで凄いことに。ラストはサイサイ版シティ・ポップな「さよなら日比谷」。待ち合わせ場所を間違えて日比谷に来てしまった、という些細な日常を一篇のドラマにしてしまう詩作も素晴らしい。ズバリ名曲。
既発表曲もアルバムの流れの中で新たな輝きを放ち、全12曲すべて10点満点のキャリア最高作。
購入したDVD付の方に収録されたボーナストラックは、スタジオでのお遊びのように見せかけてロックバンドとしての矜持を垣間見せるような骨太なインスト・ナンバー。
ライブ3曲を収録したDVDの感想はまた明日。
リリース前にベストに選出したことはやはり間違いじゃなかった。
暮れも押しせまってこんな名盤に出会えて2017年も良い年でした。
2017-12-28 21:21
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コメント(2)
サイサイの新作、めっちゃくちゃに良さそうですよね~。新品では買わないぜ!などと思っていましたが、やっぱりどうしようかな~と悩み中であります。別冊カドカワは何としてもゲットしたいと思っております。
by ころん (2017-12-28 22:37)
ころんさん
半分は既に聴いていたので心構えはできてましたが、それをはるかに越えてきましたよ。別冊カドカワ買ったら余計聴きたくなっちゃうかも。
ついでに私のベスト盤も明日には届くと思いますよ。オマケもつけといたのでより一層拍車をかけちゃうかも?
いやでもほんと寒さも疲れも吹き飛ぶ傑作ですよ。
by Astral (2017-12-28 23:00)