あの日の声を探して [映画]
1999年、チェチェン紛争下。両親を目の前で殺され声を失った少年ハジは、放浪の末たどり着いた街でEU職員のキャロルに拾われる。自分の無力さに絶望するキャロルは、せめてこの小さな命を守りたいと願い始め―。絶望の中でも懸命に生きる人々の希望を描く。
ミシェル・アザナヴィシウス監督「あの日の声を探して」。
チェチェン紛争に関してはこの映画を見るまでろくに知らなかった。主人公が国連で紛争の現状を訴えてもほとんど関心を持たれない。その無関心は僕自身でもあると思わざるを得なかった。
ハジとキャロルの触れあいを軸に、もうひとつマリファナ所持で逮捕され強制的に軍隊に入れられた兵士の物語が描かれる。終盤、ハジが姉と再会する喜びでほっと胸をなでおろした後、関係のないと思われる二つの物語が結びついた時の背筋が凍るような戦慄が忘れがたい。
主演のベレニス・ベジョはアカデミー受賞作「アーティスト」以降、地味ながらいい作品に出演して地に足のついたいまもっともいい役者さんだと思います。アネット・ベニングはじめ共演陣も見事。
今年みるべき映画はこれ。
2015-08-22 20:35
nice!(0)
コメント(2)
下高井戸シネマで今週やっているので、スキヤキトーキョーへ行く前に観に行ってこよう。ありがとうございます。
by bunboni (2015-08-23 12:18)
bunboniさん
僕も下高井戸シネマで見ました。
政治的題材の作品ですが、映画としてもよく出来ていて優れた作品だと思います。
by Astral (2015-08-23 18:26)