瑞々しい活力ロックンロール！

日本の若手のガールズ・ロック・バンド、スキャンダルの6th「Hello World」。
なんでお前がスキャンダルなんて聴くんだ！って言われそうだけど。というかこのブログ読んでる人はスキャンダルなんて知らないかな。

僕も最近知ったばかりなんですけど。数年前の映像なんかをみるとまだほんと高校生ってかんじで。そういう衣装でやってたみたいだし。最近はようやく大人っぽくというか化粧も覚えて。
Youtubeで聴いたスカッとしたロックンロールが気持ちよくて、思わずヤフオクでゲットしちゃいました。なぜヤフオクなのかというとこのCDイベント参加券がついてたみたいでそれをゲットするために何枚も買ったファンがヤフオクに出品してるんですね。

ネットで得た情報の受け売りですけど、このアルバムからメンバーによるオリジナルが増えたみたいです。一曲目から元気いっぱいのロックンロールが爽快。演奏力も高く、テクニカルなギターが曲に彩を添えていく。ドラムとベースもパワフルで重心の低い安定感のあるグルーヴが美味い。アレンジなども創意工夫が伝わって来るし、４人全員がヴォーカルを取れるところもポイント高い。一人だとちょっとアルバム一枚聴き通すのは辛いかもしれないけど、それぞれ個性の違いがあるので声のヴァラエティが楽しめる。かったるいバラードとか一切やらずにカラっとしたロックンロールだけなのも潔い。
プロの作曲家が書いた曲を演奏してきて学んだことを自分達の曲作りに生かしているのがよくわかる。思いついた一つのアイデアをこねくり回したりせず素直に形にすることで曲自体のスピード感が増す。これだけ瑞々しいロックンロールにはなかなか出会えないもの。

僕がどういうつもりでこれを聴いているかというと、AC/DCを聴くのと同じです。機能的なロックンロール。ロックでも聴いてスカっとしたいときに聴くって感じですね。最近はひねくれてたり、説教臭かったり、理屈っぽかったり、うっとおしいのが多いですからね。ロックも。
言葉で元気を出せと言われたところで、簡単に人間元気が出るものでないけど、このCDを聴いていると元気になります。それは音楽自体の活力が聴き手にもダイレクトに伝わるからだろう。

とは言え、アルバムも半場を過ぎるとその元気いっぱいのロックンロールもちょっと飽きてきたかな？と思ったところからがこのアルバムの優れたところ。
9曲目の「本を読む」はギターのマミ作で彼女がヴォーカルをとるすっとぼけた曲。タイトルも面白いけど、歌詞そのものもとても面白い。というかここ最近聴いた最高に素敵なラブ・ソングなんじゃないかな。普段歌詞なんてほとんど関心をはらわないんですけど。
続く「缶ビール」はベースのトモミの曲。これも歌詞が秀悦。別れた彼が残していった缶ビールが冷蔵庫に残っている。自分が飲めれば飲んじゃうんだけど、飲めないからそのまま。あなたの夢を見ないように飲んで酔ってしまいたい。うまいなぁと感心してしまいました。
こういう歌の中でオチをつけるのは彼女たちが大阪出身というのと無関係じゃない気がするんだけど。

本作は基本四人のドラム、ベース、ギターによる演奏なんだけど、ドラムのリナ作「おやすみ」だけ打ち込みというか少しだけエレクトロニクスが導入されている。ミニマル・デジロック？な感じ。歌メロも同じメロディをずーと繰り返すだけでアルバムの中でいいアクセントになってる。
そんな曲の合間にポンッと置かれた「ウィンター・ストーリー」は瑞々しさが甘酸っぱく口の中に広がる冬ソング。この冬の個人的なテーマソングにしよう。
そして最後は小室哲哉との共作「Place of life」でポップにスカッと幕を閉じる。素晴らしい。
スキャンダルの代表作になるアルバムだと思います。ってこれ一枚しか聴いてないのに断言しちゃおう。

青春が眩し過ぎる！

コメント 2

あけましておめでとうござます！今年も宜しくお願い致します。
スキャンダルをお気に召していただいたようで、大変に嬉しく思っております！ストレートなハードロックもあれば「おや？」というような変化球もあり、聞いていて飽きないのがイイですよね～。「音楽自体の活力が聴き手にもダイレクトに伝わるから」聞いていると元気になるというご意見に、激しく賛同致します。

マミたんの「本を読む」はすっとぼけた曲ではありますが、おっしゃる通りとてもステキなラブソングだと思います。好きな人が好きなモノを理解しようとするケナゲな気持ちを、こんなユーモア溢れる曲に仕上げてしまうマミたんの才能に、ワタクシはシビレっぱなしでございます！そしてトモちんの「缶ビール」はあまりにカワイイので聞く度に悶絶して…な～んて感じで、好き好き好キャンダル状態が今年も続くワタクシなのであります！失礼致しました～♪
by ころん (2015-01-05 22:16) 

ころんさん

記事では「アルバムも半場を過ぎるとちょっと飽きて～」なんて書いてしまいましたが、今日聴きながら間違いだと気づきました。どの曲もキャッチーで爽快この上ないロックンロールに飽きるわけがない！聴き込むほどに激しく感動してきます。

全員曲作りができて歌える、しかも演奏もうまくかっこよくって、ついでにかわいい。今回は出来過ぎなので次作のハードルが自分の中で上がってしまって心配になってしまいます。伸び盛りの今なら余裕でクリアしそうですけど。

素晴らしい音盤を教えていただき感謝です。今年もどうぞよろしく。
by Astral (2015-01-05 23:34)