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聴き手の思い入れをかわしていくスピード感 [R&B/JAZZ/etc]

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僕はもともとロックファンで、ジャズを聴き始めたのはアルバート・アイラーとかフリー・ジャズ方面からだった。ロック・ファンがフリー・ジャズを聴くってのはありがちなことで。あと、MMを読んでたせいもあるかな。
だから普通のモダン・ジャズとかを聴くようになるには随分時間がかかった。
聴いたこともないくせに「普通のジャズはつまらない、やっぱフリーじゃないと」なんて思ってたわけ。
でも、自分はそういうフリー・ジャズは好きじゃないことがだんだん分かってきた。
無理して聞いてたんですね。いまじゃアイラーなんか聴かない。

前にも書いたけど一年に一度くらいはアブストラクトなフリー・ジャズが聴きたくなって、去年もタイショーン・ソーリーとか買ったけど、あれも数回聴いただけ。
もうああいうのはいいかな。

なんか、ショーロとか聴くようになったせいもあるのか、デフォルメありきみたいに聞こえてしまう。
もっと普通にメロディを奏でればいいのに。しかつめらしい顔しないで楽しく演奏すればいいのになんて思ってしまう。
聴いててなんかほとんど気の毒にさえ思えてきてしまう。好きな人は怒るかもしれないけど。

名前だけは知ってたけど、ちゃんと聴いたことなかったブラッド・メルドー・トリオの新作「Ode」を聴いてみた。
現代コンテンポラリー・ジャズの顔みたいな人ですね。
ピアノ・トリオのCDなんてほとんどもってないけど、これはとても良かった。
縫製がしっかりしていて長く使える有名ブランドのジャケットやバッグみたいな感じ。

楽しめました。ってだけでは伝わらないな。
ピアノ・トリオというフォーマットの中でどれだけできるか、フリーになるのではなく。
上手いけど、技術をひけらかすわけじゃなく、間の取り方がうまいし、何よりフレーズがすごく親しみやすいから多くの人に支持されるんだろうな。
聴き手の思い入れをサラっとかわしていくような端正でさっぱりしたスピード感がすごく現代的でスマート。
このCD75分もはいってる。でも最後まで飽きさせず、ちゃんとスリルもあるし、ほんと質の高い演奏です。
このコスト・パフォーマンスはすごいと思う。
けっこう愛聴盤になるかも。

何かコンテンポラリー・ジャズを聴きたいという人におすすめします。
今どきビル・エヴァンスとか聴くなら、こっちの方が全然いいと思うけど。
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