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映画の魔法・二人のレジスタンス [映画]

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生まれ故郷アンダルシアを捨てて活きる主人公の父(オメロ・アントヌッティ)の、南=エル・スールへの断ちがたい想いを、娘の目を通じて描く。冒頭、窓の外の光が明るんでいく父の家出の場面をはじめ、8歳の少女エストレリャが水源の位置を振り子で当てる父に従う場面や、父がカフェで手紙を読んでいるのを、窓の外から見つめる場面、15歳に成長するワンシーンの秋の見事なシーンがわりや、アンダルシアの幻想の場面など、息をのむ美しさで物語が展開する。(映画チラシより抜粋)

先週に続いて、ビクトル・エリセ監督83年作「エル・スール」。後半のレストランのシーン。父が娘に「こんな小さい頃、お父さんのことをわかっていたかい。」というセリフは、何度見ても心に響く。この映画を見るのは三度目なので、ゆっくり映像の美しさに酔えた。「ミツバチのささやき」同様、映画の魔法が味わえる名作。

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1944年のデンマーク。ナチス・ドイツの占領下で、地下抵抗組織に所属する通称フラメンと相棒のシトロンは、ゲシュタポとナチスに協力する売国奴の暗殺を任されていた。自由を取り戻すため次々にターゲットを射止めてゆく大胆不敵なフラメンにはゲシュタポから莫大な懸賞金がかけられ、一方、温厚な家庭人のシトロンは人を殺すことに苦悩していた。やがて、ある暗殺指令によって2人は組織への疑念を抱き始める。 (gooより抜粋)

ヨーロッパの多くの小国はナチスやソ連にひどい目にあったが、アンジェイ・ワイダ監督の「カティンの森」とか、最近、そういった国の第二次大戦の頃を題材とした映画が多い。「カティンの森」も力作だった。冷戦が終わって20年、ようやく語ることができるようになったということなのだろうか。

デンマーク映画「誰がために」。この映画も、これまでタブーとされてきた実在したデンマークの二人のレジスタンスの物語。二人はナチスに協力する売国奴を次々に暗殺していくが、暗殺しようとした男に「君は利用されているだけ」と言われ、ほんとに自分たちは悪人を殺したのか、いったい「誰のために」戦っているのか分からなくなってくる。
結局、上層部の権力争いの駒でしかない二人。ただ駒だとわかってもそこから抜け出すこともできない。そんな彼らにハッピーエンドなんてありえないから、途中から見ていてなんとも切なくなった。どこの国でも戦争に限らず、末端の人間はただ切り捨てられるだけだ。映像はフィルム・ノワール的にスタイリッシュで重厚。主人公二人をはじめ、役者も力演。見ごたえあり。
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