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ハードボイルドなピアノ・トリオ [R&B/JAZZ/etc]

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ジャズにおいてピアノ・トリオというのは一番人気があるようなんですが、僕はあまり。
単純に管楽器の方が好きってだけなんですが。それに静かできれいな音楽よりは賑やかな音楽の方が好きってこともあります。

なので、タイショーン・ソーリー・トリオの新作「Continuing」は、ものすごくひさしぶりに気に入ったピアノ・トリオ作。タイショーン・ソーリーはヴィジェイ・アイヤーなどとの活動でよく知られていますけど、本人のリーダー作はかなり敷居の高い作品なんですよね。

ジャズというより、現代音楽って感じ。ドラマーとうより作曲家の作品って感じですね。
僕のその印象は2007年作「That/Not」により決定づけられているんですが、あのアルバムに収められていた「Permutations for Solo Piano」という曲は、ひたすらピアノの和音がポローン、ポローンと40分にわたって鳴り響くだけのなんとも恐ろしい?曲でした。

そんなわけで、ドラマーとしては好きなんだけど、リーダー作にはあまり興味なかったというか敷居が高すぎたタイショーン・ソーリー。
でも本作は1曲目のウェイン・ショーター作「Reincarnation Blues」を聴いただけでビビッときましたね。なんともハードボイルドでピアノ・トリオにありがちな情緒的なところがないのが僕好み。

音数の少ないピアノを披露するアーロン・ディールには今後注目したいし、リーダーと共に野太く深いベースを響かせるマット・ブリューワーにも痺れます。
昨年も同編成で一枚出してるんですが、それは有名なスタンダードなども演奏してましたが、本作はショーターやA・ジャマルなどどれも10分を超える長尺4曲を収録。スロー~ミディアム~アップと深くグルーヴするトリオ演奏に魅了される。

甘さの微塵もない演奏からは温もりや心地よさよりも、現実に立ち向かう激しさや厳しさを感じ取るべきでしょうか。それにしてもこれ聴いてると、自分が音楽を全体のノリとかグルーヴで聴いてるってことがあらためてよーく分かりましたよ。
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