惚れこんで飛び込んだニューオリンズ [ポップ/ロック]
ジョン・クリアリーはもう61歳というからもうベテランもベテランで、もちろん良く知っていますけど、実際アルバムをちゃんと聴いたのは、サブスクで2018年作「DYNA-MITE」が初めてでした。あれは実際良いアルバムでしたね。
だからサイドメンとしての印象が強かったんですが、ここ数年ニューオリンズの音楽があらためて魅力的に響くようになったこともあり、来日記念盤として出た日本独自企画のベスト盤をゲット。
普段ベスト盤ってあまり買わないんですけど、本作は入所困難なEPからの曲も含まれているってことで、ベスト盤を編むときはここらへん重要ですよね。
これまでリリースしたアルバムからまんべんなくってわけでもないですが、冒頭の昨年7インチシングルででたワイルド・マグノリアスのカバー「ニュー・カインダ・グルーヴ」からご機嫌な不滅のニューオリンズR&Bを心置きなくかましてくれます。
アラン・トゥーサン曲はじめニューオリンズ・クラシックはいわずもがなですが、手練手管で演奏してないからだろう、手垢に塗れた感じなく新鮮。惚れこんで飛び込んだ彼の地の音楽への愛情が溢れまくっている。
もちろんニューオリンズ風味だけでなくラテン・テイストなどイギリス人らしいミクスチャー感覚も感じられ、ハイ・サウンドな「ブラザー・アイム・ハングリー」のソウル・フィーリングも本格的、変わり種のフリーのカバー「オールライト・ナウ」もらしさ全開でカッコいい。
ボニー・レイットのアルバムなどでも自作曲が取り上げられてましたが、ソングライターとしてもルーツ・ミュージックの旨みをたっぷりしのばせた良い曲が揃ってるし、ベスト盤の鏡のような選曲に頬もゆるみっぱなしですな。オリジナル・アルバムもちゃんと聴かなきゃな。