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ワーカーズ・ダイジェスト [本]

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お肌のくすみ、気になる薄毛、周りの評価、人間関係──32歳は希望も欲望も薄れていく歳だった。誕生日と苗字と年齢が同じ男女の1年間をユーモラスに描く。

津村 記久子「ワーカーズ・ダイジェスト」。
先日本屋で著者の新作「ウエスト・ウイング」が面白そうだったので、とりあえず図書館に置いてあった本書を借りてきた。芥川賞作家ということも知りませんでした。

短編と掌編がひとつずつ。
どちらも働く人の肩に手を置いてくれるような物語。
ところどころ笑える。

タイトル作の主人公重信が「スパカツ」なるものを食べる。
動作の素早い店主によって出された「スパカツ」は、はたしてひどくうまかった。特に新鮮さや驚きはないのだが、これまで洋食に対して積み上げられた既視感が熟成された、なんとも言えない多面体の「知っている」が凝縮されたような味だった。ドミグラスソースに、ウスターソースを少し混ぜていることはすぐにわかるのだが、もうあと一つは死ぬまで考えてもわからないだろう、と重信は一口目で悟った。

「スパカツ」食いてー。
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