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70年代メインストリーム・ジャズの良心 [R&B/JAZZ/etc]

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「最も好きなジャズ・ミュージシャンは?」と聞かれたら、とりあえず「ウディ・ショウ」と答えることにしている。聞かれたことないけど。
だったら彼の作品は全部聞いているかというとそんなこともない。
リーダー作でも半分くらいだろう。
なのに「一番好きだ」と言いたくなる人なんです。僕にとっては。

そんな僕が言うのもなんだが、彼が最も充実した活動をしていたのは77~81年のコロンビア在籍時代だと思う。メジャーレーベルと契約し潤沢な制作費もあっただろうトランペッターとしてだけでなく、バンド・リーダー/作編曲家としても素晴らしい仕事を残している。
ただ残念ながらフュージョン全盛時代だったせいか大きな注目を集めることはなかったようだ。この時期の作品でCD化されていていたのはRosewood(1977)とStepping Stones(1978)の2枚だけ。1989年の非業の死から20年以上経ってもまだまともに再評価さえされないのは悲しい。

このほど、ようやくWounded Birdから残りの3枚Woody III(1979)、For Sure!(1980)、United(1981)がCD化された。うれしい。

以下コロンビア期の作品を順に。

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気力体力十分で挑んだ第一作。意欲が空回りすることなくしっかりと地に足のついた作品。
メジャーらしいポップさも感じられる。

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ヴィレッジ・ヴァンガードでの火の玉ライブ。盟友カーター・ジェファーソンも豪快。
CD化の際、ジャケと曲目が変わったけど、熱さは変わらない。

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レコードだとA面にあたる前半三曲は組曲になっていて作編曲家としても力を発揮した意欲作。

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ジュディ・シンのヴォーカルやストリング・セクションも入れての新境地。ナナ・ヴァスコンセロスを迎えてほんのりブラジリアン風味も。

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当時のレギュラー・クインテットにゲイリー・バーツを加えたシンプルな編成。グリーン・ストリート・ケイパーが美しい。

どれも派手さはないが70年代メインストリーム・ジャズの良心のような作品ばかり。
プロデュースは全てマイケル・カスクーナ。
フュージョン全盛の時代にそんなものには脇目も振らずというのでなく、「俺はこんな風にしかできない。これが俺の音楽なんだよ」という不器用さが愛おしくなる。
これを機に再評価されることを願ってやまない。
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