息もできない

友人が経営する取り立て屋で働いているサンフン。その容赦ない取り立てと暴力は時には仲間にも向けられ、怖れられていた。ある日、サンフンの父が刑務所から出所。幼いころ、家庭内暴力が元で母と妹を死なせた父親。その父をサンフンはただ殴りつける。そんなサンフンが出会った女子高生のヨニは、サンフンの暴力的な態度にも怖がらない。そんな彼女に、サンフンはどこか惹かれるものを感じる。そんな彼女の家庭も暴力を抱えていた。

ヤン・イクチュン監督「息もできない」。これがデビュー作。
監督自身が主人公サンフン役もつとめる。
世界各国で高く評価され賞を受賞しているのも納得の作品。

すごい作品でした。
最初から最後までむき出しの感情であふれヒリヒリするほど。
猛り狂う怒りや悲しみを抑えることができず彷徨する魂。
ひとつの作品を完全に描ききったといえるラスト・シーンには、瞠目させられた。

傑作。今見るべき映画はこれです。

コメント 2

これ！ めちゃくちゃ観たかったんです！
ある人が「井筒監督の『ヒーロー･ショー』と近い方向性の映画ながら、格の違いを見せ付けられた」と評しておられました。これは絶対に観なければなりませんねぇ。
by 繁盛亭アルバイテン (2010-09-27 02:39) 

アルバイテンさん

今年見た映画の中でも最もインパクトのある作品でした。
デビュー作でこれだけのものを作るとはヤン・イクチュン監督の今後にも要注意ですね。
by Astral (2010-09-27 22:39)