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冬が来るごとに増す味わい [イアン・デューリー]

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以前にも取り上げたことあるけど、92年にリリースされたイアン・デューリーの「The Bus Driver's Prayer & Other Stories」は冬の定番。いや最近は冬じゃなくても聴いてるか。

このアルバムはしばらく音楽活動から遠ざかっていたデューリーが90年に出演した映画「アフター・ミッドナイト」のために作った曲?がもとになっているようだ。2004年にボートラ付きで再発されたライナーノートに書いてある。

本作はほとんどの曲をミッキー・ギャラガーと曲作りをしています。数曲でリズ・ジョーンズも加わっている。どうもこのリズ・ジョーンズとの曲が僕は特に好きみたいなんですよね。
とにかく1曲目の「 That's Enough Of That」が好きで好きで。

気の抜けたようなサックスのイントロからしていいんですよ。このゆるいというかちょっとレゲエのニュアンスのあるグルーヴ。こういうファンクって他では見当たらない。こういうの他にあったら聴きたい。ファンクっていうとどうしてもゴリゴリだったり、鋭角的だったりしますよね。いやこの曲もゆるい感じもしつつシャープでもあり。もうほんと独特でデューリーの曲でもベスト10に入るお気に入りです。

続く「Bill Haley's Last Words」も変わった曲で。これもファンク・ナンバーといって良いと思いますけど。跳ねるようなビートの上でラップというかしゃべりというか、面白いですよね。場面転換のように転調しながら、しゃべりが歌になったりと。デューリーにしかできない曲です。

96年に来日した時、「アルバムとしてはもう少し時間をかけないと」みたいなことをデューリー自身が言ってた気がするけど、確かにじっくりアレンジして時間をかけて感じはなくて、音楽的なアイデアを煮詰めずに放りだした感じの仕上がりではある。リズム的に遊んだ曲に軽くトーキング調の歌を載せたり。

だから一聴すれば曇天のロンドンの街角の風景が浮かぶ淡い色調のアルバムかもしれない。上にあげた曲以外にももっとじっくり仕上げればもっと良くなったかもと思わせもする。もちろん悪いわけじゃなくて、あっさりと薄味って感じ。でもそれが良いんだけど。

冬が来るごとに味わいが増す秀作です。

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