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今この時、眩く燃え上がる「ちいさなほのお」 [ポップ/ロック]

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先日見たスキャンダルの映画の後半、ステージの準備が予定通り進んでいないことにドラムのリナがかなり怒って、バックステージでもピリピリとした空気を撒き散らす場面があります。
リナはバンドに対して誰よりも思い入れが強く、今この時を最高のモノにしたいという気持ちが人一倍強いんでしょう。時にはそれがバンドを前進させる力にもなるけれど、時にそれは周りに対する寛容さを失ってしまうこともあるようです。そんなリナをマミが静かに諭す場面はあの映画のハイライトのひとつでした。

リナはバンドのブログを一番更新しているし、伝えたいことがいっぱいあるのだろう。映画のクレジットロールで流れる「ちいさなほのお」はリナが書いた詞にマミが曲をつけたもの。
今まであまりみられなかったミディアムスローの曲で、静かに始まりながら、次第に激しいエモーションが高まる素晴らしい曲に仕上がっています。一聴どうってことのないロッカバラード的な曲なんですけど、それをスペシャルなものとして響かせることができるマジックに、今このバンドは包まれているんですね。

燃え上がるエモーションを顕わにするマミのギター、力強くドライブするリナのドラムと共にバンドをグルーヴさせるトモミのベースも素晴らしいけど、何よりこの曲を聴いて、改めて思うのはハルナのヴォーカルの素晴らしさ。いつもおんなじことばっかり言ってますが、ここでのハルナの歌もハンサムです。

とりたてて声量があるわけでも技量があるわけでもないけれども、スキャンダルというバンドのヴォーカル=フロントマンとしては完璧。バックの演奏自体が激しいエモーションを宿しているので、余計な情緒性を寄せ付けない彼女の歌声が更に映える。激しいエモーションを内深い場所に宿した歌といったところでしょうか。エンディングの「ちいさなほのお」が眩く燃え上がるようなマミのギターには胸が震える。
楽曲としての完成度も文句なしに素晴らしい名曲だと思う。

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