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共に歩んだ仲間に捧げる [R&B/JAZZ/etc]

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今年は新譜はあまり聴けなかったのに暮れも押し迫って、ディアンジェロといいファンカデリックといいもっと早く出してくれればベストに入れたのに~というのが多くて困ります。

ここにもう一枚。
12月8日に人知れずリリースされていた我が愛するジェリー・ゴンザレスの新作。レコーディングしているというのは聞いてたんだけど。
その名も「A Tribute to the Fort Apache Band」。名義はジェリー・ゴンザレス&ミゲール・ブランコ・ビッグ・バンド。配信限定なのか、どこを探してもCDが売ってないのでしかたなくMP3を購入。

ジェリーはもうここ10年くらいはスペインに住んでいて、本作のレコーディングも彼の地で、参加しているのもほとんどがスペインのミュージシャンだろう。ミゲールとは2006年に「Music For Big Band」も製作している。
フォート・アパッチ・バンドは弟のアンディを含む80年代から自らが率いるレギュラー・グループの名前だ。
本作では長年のアパッチ・バンドでのお馴染みのレパートリーをビッグ・バンドアレンジでリラックスして聞かせてくれる。60年代マイルス・クインテットの「81」「Footprints」やモンクの「Let's Call This」にルンバの「Agüeybaná」などをアパッチ・バンドのコンセプト/新主流派ジャズ+アフロ・キューバンをビッグ・バンドという器におとしこんで自らの道程を辿りなおすように演奏している。ここでも一曲の中でフォー・ビートとラテン・リズムがスリリングに交差する。そして、そこに加わるミゲール・ブランコのビッグ・バンド・アレンジが優雅で芳香な花を添える。お見事。

ジェリー自身は一歩引いてビッグ・バンドのアレンジや他のソリストを引き立てているようだ。それでもこの洗練された豪奢な演奏の後ろにジェリー・ゴンザレス自身がすっくと立っているのが見える。いやジェリー自身だけでなく、弟のアンディやジョー・フォード今年亡くなったドラムのスティーブ・ベリオスやジョン・スタブルフィールド、カーター・ジェファーソン、ミルトン・カルドーナなどアパッチ・バンドのレギュラー/準レギュラーだったミュージシャン達が見えるような気がする。共に音楽を生み出してきた仲間へ捧げる想いが美しいアルバムだ。

アルトゥーロに始まり、ミゲール・ゼノン、そして本作。今年はビッグ・バンドものばっかり聴いてたような気がするな。ジャズ・ザ・ニュー・チャプターでもなく、メイン・ストリームでもなく、古典的モダン・ジャズでもなく。一切注目を集めることもないだろうけど。そもそもラテン・ジャズはジャズの範疇にも入ってないからなぁ。とまれここにもなかなか良い作品がありますよと指差しておこう。

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