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神去なあなあ夜話 [本]

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三重県の山奥で、林業に取り組む平野勇気、二十歳。神去村の起源、住人の暮らし、もちろん恋にも、ぐいぐい迫ります。お仕事小説の旗手が贈る、林業エンタテインメント小説の傑作。

三浦しをん「神去なあなあ夜話」。
以前読んだ「神去なあなあ日常」の続編。
相変わらずじわっとほっこり楽しい作品。
この人はストーリーテリングがうまいですね。

梢がざわめく。音もなく頭上にちらばる星。どこかで鳥がはばたき、小動物が走っている。ノコの三角形の耳が、蝶々の羽みたいに震える。
なぜだろう。俺はもう、夜の山にこわさを感じなくなっていた。布団のなかで目をつぶったときみたいに、密度の高いあたたかい闇が、俺たちを取り巻いていた。
見守るように。なにかに囁きかけるように。

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